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単価が高い!土木における特殊作業員とは?普通作業員との違いや資格の有無など

土木工事の作業員には「普通作業員」と「特殊作業員」がいます。

 

土木作業員になる上で、この違いはなんなのか知っておきましょう。

今回は、特殊作業員とはどんな人を言うのか、どんな仕事をするのかなど、特殊作業員について紹介していきたいと思います。

 

特殊作業員とは

特殊作業員とは

国土交通省の定義によると、特殊作業員とは相当程度の技能および高度の肉体的条件を有し、主体的業務を行う者。としています。

 

特殊作業員が行う作業としては、以下のものが挙げられます。

  • 軽機械(重量3t未満のブルドーザー・トラクター・タンパ・草刈り機など)の操縦
  • 人力による合材の敷き均しおよび舗装面の仕上げ
  • ダム工事において、グリズリホッパ・トリッパ付ベルトコンベア・骨材洗浄設備などを運転または操作して行う骨材の製造、貯蔵または運搬
  • コンクリートポンプ車の筒先作業

など、小型の重機を使用した作業を行う作業員を「特別作業員」と言います。

 

なお、同じように重機を操縦して作業を行う「重機オペレーター」という職種がありますが、こちらはパワーショベルやクレーンなど、特殊作業員が扱わない巨大重機や特殊重機を操縦できます。

 

重機オペレーターに興味があれば、こちらの記事で詳しく紹介しているのでご覧ください。

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普通作業員との違い

交通省の定義によると、普通作業員とは普通の技能および肉体的条件を有している者。としています。

 

普通作業員が行う作業は、次のものが挙げられます。

  • 人力による土砂等の掘削・積み込み・運搬・敷き均しなど
  • 人力による資材等の積み込み・運搬・片付けなど
  • 人力による小規模な作業(標識や境界杭などの設置)
  • 人力による柴はり作業
  • 人力による除草
  • ダム工事での骨材の製造、貯蔵または運搬における人力による木根、不良鉱物等の除去

このように、機械を使わず人力で作業を行うのが普通作業員です。

 

特別な資格や肉体的条件を求められないため、誰でも未経験から始めることができます。

基本的には普通作業員から特殊作業員になっていくという流れが主流でしょう。

 

特殊作業員になるのに資格は必要?

特殊作業員 資格

特殊作業員になる際に必要な資格は特にありません。

しかし、3t未満のブルドーザーなど、小型車両系機械を操縦するためには「小型車両系検察機械運転特別教育」を修了する必要があります。

 

受講要件は特にないため、満16歳であれば誰でも受講できます。

ただし、修了証が効力を発揮するのは満18歳を過ぎてからになります。

つまり、軽機械を運転できるのは18歳以上ですので、ちゃんと把握しておきましょう。

 

特殊作業員は単価が高くなる

特殊作業員 単価

特殊作業員は機械を使うため、普通作業員よりも作業内容が幅広いです。

そのため、普通作業員よりも労務単価が高くなります。

 

公共工事設計労務単価はどの職種でも年々上がってきていますが、普通作業員より特殊作業員の方が上がり幅も大きいです。

今、普通作業員をやっており将来的に給料を上げていきたい場合、まずは特殊作業員を目指してはいかがでしょうか。

 

令和6年の特殊作業員と普通作業員の平均単価を載せておくので、ぜひ参考にしてみてください。

平均単価 前年比
特殊作業員 25,598円 +6.2%
普通作業員 21,818円 +5.5%

 

どうやってなるの?

特殊作業員は特別な資格が必要ないので、普通作業員として働く中で特別教育を受講し、自分からやりたいと手を挙げることでなれる可能性があります。

 

または、特別教育を受講して軽機械を操縦する資格を取得してから特殊作業員を募集している求人に応募するという方法もあります。

調べると未経験も歓迎している求人が多いので、軽機械操縦の経験がなくても雇ってもらえる可能性は高いです。

 

どういう人が向いている?

特殊作業員 なりかた

特殊作業員にはどういう人が向いているのでしょうか。

 

機械の操縦がしたい人

特殊作業員は機械を操縦するのがメインになるので、機械の操縦がしたい、好きという方に向いています。

重機オペレーターが操縦する大型重機は操縦できませんが、操縦する機械も種類があるため機械操縦が好きであれば楽しく働けるのではないかと思います。

 

スキルアップしたい人

普通作業員として働くだけでなく、スキルを身に付けて仕事の幅を広げていきたい人、重機オペレーターを目指していて、重機の操縦に慣れておきたい人など、スキルアップをしていきたい人におすすめです。

できる仕事の範囲が広がれば給料も上がりますし、将来の選択肢を増やすことができます。

 

重機オペレーターを目指している人の場合、資格を取得するまでは重機を操縦することはできません。

しかし、特別教育を受講してから特殊作業員として軽重機を操縦すれば、操縦の練習になりますし実績をつけることができます。

軽重機であっても、重機の操縦経験があるのは大きなアピールポイントになります。

 

集中力がある人

重機を操縦して土を掘ったり運搬したりするので、長時間集中して同じ操作を行える人が向いています。

集中力が切れてしまうと操縦ミスが発生するリスクがあり、重大なトラブルにつながる恐れもあります。

そのため、集中力があるかどうかは安全な作業を行うために特に重要な資質です。

 

責任感がある人

作業はチームで連携しながら行いますが、実際に機械を操縦する時は一人です。

自分が操作を誤ったら重大な事故につながる可能性があることを理解し、責任をもって作業できる人が向いています。

 

体力がある人

重機を操縦する作業は屋外で行います。

そのため、季節や天気の影響を受けやすいです。

暑い中、寒い中での作業になるので、ある程度体力があって我慢力がある人に向いています。

 

 

上記が向いている人の主な特徴ですが、当てはまっていたらぜひ特殊作業員を目指してみてください♪

 

特殊作業員のキャリアパス

特殊作業員にはどんなキャリアパスが想定できるのか気になりますよね。

そこからスキルアップしてどんどん上に行きたいと思っている方にとっては特に気になる部分でしょう。

 

特殊作業員としてある程度経験を積んで、より大型の重機を扱う重機オペレーターになり、その後現場監督として現場の管理や職人への指示を行うというのがキャリアパスの一つです。

 

より自分の立場や給料を上げたい場合は、建設機械施工管理技士という資格を取ることをおすすめします。

建設機械施工管理技士は、対象となる建設機械を用いた施工や施工管理を行うために必要な資格です。

建設機械を使った工事スケジュールや現場の施工管理、品質管理などの業務を行う場合はこの資格が必要になります。

 

また、資格を取得することで現場の施工管理責任者である主任技術者や監理技術者になることができます。

建設機械施工管理技士には1級と2級があり、扱える重機や管理できる工事の規模が違います。

 

1級建設機械施工管理技士は、

  • 一般建設業・特定建設業の両方で主任技術者・監理技術者として働ける
  • 扱える建設機械に制限がない

という特徴があります。

 

2級建設機械施工管理技士は、

  • 一般建設業でのみ主任技術者・監理技術者として働ける
  • 扱える建設機械に制限がある

という特徴があります。

 

1級の方ができる仕事の幅が広いため、2級より需要も給料も高くなっています。

「最終的に施工管理がしたい!」と考えている場合は、1級建設機械施工管理技士の資格取得を目指すといいでしょう。

 

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