板金工という職業をご存じでしょうか。
目立つ職業というわけではないのであまり知らない人も多いと思いますが、金属の加工技術を持つ職人のことです。
手に職があるってとてもかっこいいですよね。
今回は、そんな縁の下の力持ちである板金工について、わかりやすく紹介していきたいと思います。
この記事を読めば、板金工を目指したくなることまちがいなし!
板金工とは

板金(ばんきん)は、金属を加工して必要な部品を作る技術またはその作業のことを言います。
金属を加工する職人のことを板金工(ばんきんこう/いたきんこう)と呼びます。
金属板を、「切断」「曲げ加工」「溶接」「塗装」などで加工し、建物や車、飛行機などに取り付けます。
使用する金属は、薄い鉄板、アルミ、ステンレス、ガルバリウム鋼板などです。
板金工は、建物や機体の耐久性を高めたり、見た目を整えたりするために必要不可欠な存在です。
板金工の種類と仕事内容
板金工には種類があり、活躍場所は以下の三つに分けられます。
- 自動車板金
- 建築板金
- 工場板金
それぞれ見ていきましょう。
自動車板金

事故などでへこんだり曲がったりした車体やパーツを加工し、元の形状に戻して取り付けます。
場合によって塗装も行い、元の綺麗な状態に戻します。
【主な仕事内容】
- 傷やへこみは、ドリー(当て盤)やハンマーを使って形を整える
- フレーム修正機などの機械を使い、フレームの歪みを整える
- 損傷がひどい場合はパーツを交換し、機体に合うように加工し溶接する
- 塗装が剥がれている部分は、塗装する
- 見積もりを出して、修理の内容を顧客や保険会社に説明し相談する。
主な職場は、カーディーラーや自動車整備工場です。
建築板金

薄い金属板を加工し、建築現場の外壁や屋根、雨樋などの施工を行います。
建築板金は、建物を雨風からしのぎ、美観を整えるという重要な役割があるため、高い技術力が必要になります。
【仕事内容】
- 金属板を屋根の色に合わせて加工し、屋根の上に葺き上げる
- 外壁に、外観を良くするための鉄板を取り付ける
- 雨水の侵入を防ぐための金属部材を設置する
- 空気を送るダクトの加工・貼り付け
主な職場は、工務店や建設会社です。
工場板金

工場内で部品や製品を製造します。
自動車、家電、飛行機のボディ、空調設備など、さまざまな製品で板金工のスキルが必要とされています。
厚い金属板の加工も、工場で行われています。
【仕事内容】
- 工場で製造されている機器の金属加工
- 加工機械の操作
- 取り付け作業
注目!板金工の魅力・やりがいは?

板金工には、どんな魅力・やりがいがあるのでしょうか。
見ていきましょう。
- ◎手に職がつく
- ◎幅広い業界で活躍できる
- ◎感謝される機会が多い
- ◎スキルに応じて収入が増える
- ◎未経験から挑戦できる
手に職がつく
板金工では、金属の加工技術が必要になるので、やり続けることで手に職がつきます。
経験と技術があれば活躍できる業界も幅広いので、将来性も高いのが特徴です。
手に職がつくことで、年齢を問わず長く続けていけるのが魅力です。
幅広い業界で活躍できる
板金工を必要としている業界は多いので、ある程度の技術を身に付ければ、どの業界でも活躍できる人材になれるでしょう。
板金工になる際は、どんな業界で働きたいのか、どんな製品を扱いたいのかを明確にしておくと、スムーズに成長していけるでしょう。
感謝される機会が多い
自動車の修理や建物のリフォームなど、エンドユーザーを相手にする作業が多いです。
顧客と距離が近い仕事だからこそ、感謝される機会が多く、自分の仕事が人の役に立っていると実感しやすいです。
そのため、モチベーション高く働いていけます。
スキルに応じて収入が増える
板金工は、経験年数や技術力によって任される仕事内容が決まるので、スキルを身に付ければ付けるほど、収入も増えていきます。
技術を磨いた上で人脈も広げていけば、独立することも可能でしょう。
未経験から挑戦できる
板金工は、未経験でも応募することができます。
経験がなくても、現場でスキルを磨いて資格取得をすれば、一人前の板金工になれます。
転職して未経験から板金工を目指すこともできるので、気になる方はぜひ今から目指してみてください!

このように、板金工は魅力あふれる職業です。
手に職を付けて働きたい方や、スキルに応じて分かりやすく収入アップしたいという方は特に向いています。
板金工をする上で大変なこと

魅力がたくさんある板金工ですが、もちろん大変なこともあります。
事前に大変なことも把握して、板金で働くイメージを深めましょう。
- △技術習得に時間がかかる
- △高所作業が多い(建築板金)
- △体力が必要
技術習得に時間がかかる
板金工で必要な技術は、すぐに身につくものではありません。
年単位で着実に覚えていくのが一般的です。
それにより、見習い期間が長くなるため、一人前になる前に挫折してしまう人もいます。
しかし、見習い期間をしっかり通った人の方が、技術の土台がしっかりしており、長く活躍できる人材に育ちます。
見習い期間は高いスキルを身に付けるために必要な時間なのです。
高所作業が多い(建築板金)
建築板金工は、屋根や外壁の施工がメインなので、高所で作業する機会が多いです。
高所は転落する危険もあり、傾斜の場合は踏ん張ったまま作業するなど、かなり体力を使います。
風が強い日は特に注意が必要ですし、精神的にも疲弊します。
高いところが苦手な人は、建築板金はやめておいた方がいいかもしれません。
体力が必要
板金工の仕事は、長時間の立ち仕事や重い部品の運搬、同じ姿勢での作業など、体に負担がかかる作業が多いです。
もちろん、定期的に休憩を取ったり、腰痛にならないようにコルセットで保護したりと、体への負担を軽減する対策をすればそこまでしんどくはないでしょう。
しかし、長年続けることで、腰痛や肩こりが慢性化する恐れもあります。
板金工の年収について
インディードの市場レポートで見た板金工の全国平均年収は、450万2993円でした。
全年齢の平均なので新卒の金額は不明ですが、スキルを身に付けていけばこれよりも高収入を得ることもできるでしょう。
東京都で年収約448万円なので、都内で就職した方が高い報酬が得られます。
資格は必要?
板金工になるために必須の資格はありませんが、「建築板技能士」という国家資格を取得することで、技術の証明ができます。
建築板金技能士は1~3級まであり、全体の合格率は50%前後です。
なお、1級の受験には経験年数が7年以上必要なので、他の等級を受けつつ経験を積み、1級取得を目指しましょう。
いくつ当てはまる?向いている人の特徴

板金工には、どんな人が向いているのでしょうか。
自分がどのくらい当てはまるかチェックしてみてください。
- 細かい作業が好きな人
- 集中力がある人
- 黙々と作業するのが好きな人
- モノづくりが好きな人
- 体力に自信がある人
- 自動車や電化製品など、金属製品が好きな人
- 屋外での作業が嫌いじゃない人
- コミュニケーション能力がある程度ある人
板金工は、基本的に一つの作業に集中して黙々と作業をこなしていく仕事ですが、修理見積もりの相談や他作業員との作業打ち合わせなど、人と関りながら働く場面も少なからずあります。
話が上手い必要はありませんが、ある程度のコミュニケーション能力は必要です。

さて、いくつ当てはまったでしょうか。当てはまらないところがあってもこれから克服していけば大丈夫です。
やっていくうちに平気になる場合もありますし、あくまで参考程度に考えてくださいね。
板金工の将来性

結論から言うと、板金工の将来は明るいです。
板金工は、建築・自動車・製造の分野で活躍できます。
どの分野も需要が高く、今後縮小することのない業界なので、板金工の仕事がなくなることもないでしょう。
また、板金工はリフォーム・リノベーションの分野でも活躍できます。
近年、空き家の有効活用やリノベーションの需要が増えているため、板金工の修繕技術が活躍できます。
今後も活躍の場はなくならないので、安心して飛び込んできてください!
かっこいい板金工を目指そう!
下積み時代が長く、スキルの習得に時間がかかる板金工ですが、一度習得すれば年齢に関係なく活躍できる魅力的な仕事です。
さらに資格を取ることでスキルの証明になり、どの業界でも引く手数多でしょう。
ぜひ、その興味を行動に移し、かっこいい板金工を目指してみてください♪
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