建設業を営んでいると「赤伝処理」という言葉を聞いたことが何度もあると思います。
しかし、場合によっては赤伝処理が建設業法違反になる恐れがあることはご存じでしょうか。
全てが違反になるわけではないので、この記事で違反になる事例や赤伝処理を行う上でのポイントを知って、違反しないように意識していきましょう!
赤伝処理とは?
赤伝処理とは、元請業者が下請業者に代金を払う際、請負金額から諸費用を差し引くことをいいます。
差し引く費用は以下のようなものが該当します。
➀一方的に提供・貸与した安全衛生保護具等の費用
➁下請代金の支払いに関して発生する諸費用(下請代金の振り込み手数料等)
③下請工事の施工に伴い、副次的に発生する建設廃棄物の処理費用
④上記以外の諸費用(駐車場代・弁当ごみ等のごみ処理費用・安全協力会費等)
赤伝処理自体が建設業法違反なの?
赤伝処理を行うこと自体は違反行為になりません。
しかし、元請業者が立場を不当に利用して下請代金から一方的・強制的に諸費用を差し引くこと、実際にかかった費用よりも多くの金額を差し引くことは、建設業法第19条3の「不当に低い請負代金の禁止」に違反する恐れがあります。
違反となる事例
➀元請負人が下請負人と合意することなく、一方的に提供又は貸与した安全衛生保護具等に係る費用、下請け工事の施工に伴い副次的に発生した建設廃棄物の処理費用及び下請け代金を、下請負人の銀行口座へ振り込む際の手数料等を下請負人に負担させ、下請代金から差し引く場合
➁元請負人が、建設廃棄物が出ない下請工事の下請負人から、建設廃棄物の処理費用との名目で、一定額を下請代金から差し引く場合
③元請請負人が、元請負人の販売促進名目の協力費等、差し引く根拠が不透明な費用を、下請け代金から差し引く場合
④元請負人が、工事のために自らが確保した駐車場、宿舎を下請負人に使用させる場合に、その使用料として実際にかかる費用よりも高い金額を差し引く場合
⑤元請負人が元請負人と下請負人の責任及び費用負担を明確にしないまま、やり直し工事を別の専門工事業者に行わせ、その費用を一方的に下請け代金から差し引くことで下請負人に負担させる場合

違反すると罰則はある?
万が一、建設業法の「不当に低い請負代金の禁止」に違反した場合でも特に罰則は設けられていません。
しかし、国土交通大臣または都道府県知事から勧告・公表の対象となります。
公表されると会社の信用度も大幅に下がるため、消費者はもちろんステークホルダーからの印象も悪くなります。
売上減少にも繋がるので、違反行為は避けるようにしてください。
必見!赤伝処理を行う上でのポイント
赤伝処理で違反にならないためには、どのような行動をとればいいのでしょうか。
赤伝処理のポイントを見ていきましょう。
元請負人と下請負人が互いに協議し合意を得た状態にする
赤伝処理を行う際、その金額や内容は元請負人と下請負人の双方が協議を行い合意したものでなければいけません。
万が一、元請負人が一方的に赤伝処理を行ってしまうと、建設業法違反になる恐れがあります。
また、合意があった場合でも、差し引く理由が不透明な費用を下請代金から差し引く行為も建設業法違反になる恐れがあります。
赤伝処理の内容を見積条件・契約書に記載する
赤伝処理を行う場合、その金額や費用詳細を見積条件や契約書に記載する必要があります。
どちらか一方にでも記載漏れがあると違反になる恐れがあるので、十分注意してください。
元請けと下請けの契約手順としては、元請けが工事依頼を出し、入札を行います。
入札によって下請け業者を決定し、見積条件を提示して下請けに見積依頼を出します。
下請けが見積もりを提出し、内容に納得したら元請けが発注する意思を示す「注文書」を発行し下請けに提出します。
注文書を受けた下請けは、受注する意思を示す「注文請書」を発行し元請けに渡すことで契約が成立します。
見積もり条件や契約書で赤伝処理の内容が異なると、取引上のトラブルに繋がってしまいます。
どちらにも記載がないものが後から追加されていたら、そもそも契約として成り立っていませんよね。
このように、赤伝処理の記載がないと企業の信用度にも影響してくるため、元請け側でも入念なチェックを行うようにしてください。
また、建設リサイクル法では、建設副産物の再資源化に関する費用を契約書面に明示することも義務付けられているため、元請けはその記載も忘れないようにしてください。
下請負人の費用負担が過剰にならないようにする
これは一番気をつける点ではありますが、下請負人の費用負担が過剰にならないように十分気をつけてください。
過剰負担を回避するためにも、双方で協議して下請けが身に覚えのない費用を上乗せされないように努める必要があります。
違反しないように赤伝処理は注意して行おう
赤伝処理で建設業法に違反しても罰則はありませんが、企業としての信頼度は下がってしまいます。
元請けの方が取引上優位であるからこそ、下請けに配慮した行動が必要になります。
一緒に仕事をしていく仲間として、無理を強いたり不利な条件を提示したりせず、お互いに納得のいく契約を元請け側が進んで行っていきましょう!
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