「電気代が高くなった」「新居は長く住める家にしたい」「もっと快適に暮らせる家にしたい」
そんなお悩みや要望があるそこのあなた、LCCM住宅をご存じですか?
環境にやさしく省エネ設計の住宅のことで、上記の考えを持つ方にぜひ検討してほしいです。
「LCCM住宅ってどんな家?」という人向けに、わかりやすく説明していこうと思います。
LCCM住宅とは

LCCM住宅とは、「ライフサイクル・カーボン・マイナス住宅」の略称です。
建築時、運用時、廃棄時のCO2排出量を最小限に抑え、さらに太陽光発電などの再生可能エネルギーを使ってエネルギーの創出にも取り組むことで、家を建ててから壊すまでのライフサイクル全体において、CO2の収支をマイナスにする住宅のことをいいます。
住宅からのCO2排出量は、日本の温室効果ガス排出量全体の15~17%とかなりの割合を占めています。
住宅から排出されるCO2の量が減少すれば、地球温暖化の抑制やエネルギー資源の節約など、さまざまな恩恵を得られます。
今までもZEHなどでCO2排出量削減の取り組みは行われてきましたが、それよりも高いCO2の削減ができる最終目標として「LCCM住宅」の建設が提唱されているのです。
ZEHとの違い
では、ZEHとの違いを見ていきましょう。
ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、住宅の断熱性・気密性を高め、省エネ設備を導入し、再生可能エネルギーを利用することで、省エネと創エネを同時に行うことで年間のエネルギー収支をゼロ以下にする住宅のことです。
ZEHが、住宅に住んでいる間のエネルギー収支に注目しているのに対し、LCCM住宅は住んでいる時だけでなく建設時、廃棄時も含めたライフサイクル全体のCO2排出量削減に着目しています。
このように、ZEHとLCCM住宅では、CO2排出量削減を目指している規模が異なります。
LCCM住宅は、ZEHの要素を含んだ先進的な環境対応型住宅なのです。
ZEBとの関係
ZEBもLCCM住宅も脱炭素を目指した考え方ですが、対象と範囲が異なります。
ZEBは、省エネと創エネを組み合わせて年間のエネルギー消費量の収支ゼロを目指す建物のことですが、対象はオフィスビルや公共施設などの非住宅です。
また、ZEHと同じで範囲は住んでいる間のエネルギー収支です。
このことから、LCCM住宅とは対象の建物と対象範囲が異なります。
注目されているLCCM住宅のメリット

LCCM住宅は、地球温暖化の原因であるCO2をはじめとする温室効果ガスの排出量を建築時から廃棄時までトータルで削減できる住宅として注目されています。
脱炭素社会を実現するために増やしていくことが推奨されているLCCM住宅ですが、住む人にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここで確認していきましょう。
光熱費の削減になる
LCCM住宅は断熱性と気密性において地域ごとに基準が設けられているため、そこの性能が高く冷暖房を利用する機会が減って光熱費を抑えられます。
快適な環境で暮らせる
上記で伝えた通り、断熱性と気密性が高いため、夏は涼しく冬は暖かく、一年中快適な環境で過ごせます。
建物が熱の調整をしてくれるため、冷暖房を使わなくてもいいというのは大きなメリットですよね。
災害時も安心
太陽光発電や蓄電池を導入すれば、災害で電気供給がなくなっても、蓄電池を使って発電できます。
災害時のトラブルをなくし、安心して過ごすことができます。
長く住み続けられる
LCCM住宅は長く住み続けられるように設計されているため、光熱費が安いことを考えたら長く住み続けるほどお得なる仕組みになっています。
住宅としての性能が高いため、不動産価値も高く所有していて損のない住宅です。
補助金が用意されている
LCCM住宅の建設は、条件を満たせば国からの補助金を受け取れるので、建設費用を安くすることができます。
費用を抑えながら長く住み続けられる住宅を建てられるという大きなメリットがあります。
補助金については、下の項目で詳しく解説します。
要チェック!注意点やデメリット

建てることのメリットが大きいLCCM住宅ですが、デメリットももちろん存在します。
建てる前にここで確認しましょう。
初期費用が高い
断熱性・気密性を備えた高性能な住宅のため、従来の住宅よりも建築費用が高くなります。
その上、省エネ設備や太陽光発電などの再生可能エネルギーの設置も行うので、費用がかなり高額になります。
また、補助金の支給タイミングは実績報告完了後になるので、施主(居住者)が一度施工費を全額立て替える必要があります。
そのことを踏まえて、建設資金は余裕を持って準備しておきましょう。
施工できる会社が限られる
LCCM住宅は最近になって推進されるようになった住宅なので、対応できる工務店やハウスメーカーが限られています。
地元の工務店などは対応していないことも多いので、事前の下調べをして、対応しているか確認してから予約しましょう。
LCCM住宅はこんな人におすすめ!

LCCM住宅がおすすめなのは、以下のような場合です。
- 一つの住宅に長く住み続けたい人
- 子育て世帯
- 高齢の親と同居する人
- 環境にいい住宅に住みたい人
断熱性や気密性が高いため、一年中快適に過ごせることに加え、温度差が少ないことでアレルギーのリスクを減らせて健康面でもいいため、子育て世帯や高齢の方がいる家庭にもおすすめです。
また、持続性があり光熱費を抑えられて災害時にも安心となると、一生暮らし続けられる家を探している人にもおすすめです。
もちろん環境にもいいので、環境への配慮を大切にしたい人にもおすすめの住宅です。
上記のどれか一つでも当てはまる方は、ぜひLCCM住宅を検討してみてください。
LCCM住宅に使える補助金は?

LCCM住宅に使える補助金は、国の補助制度である「LCCM住宅整備推進事業」がおすすめです。
先導的な脱炭素住宅であるLCCM住宅の整備に関して支援してくれる制度です。
【支援対象】
LCCM住宅の新築 ※戸建てに限る
- ・設計費
- ・建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用
上記の費用に対して補助金が支給されます。
掛かり増し費用とは、LCCM住宅にするために一般的な使用に比べて掛かった費用のことを言います。
【補助率】
1/2
【補助額】
140万円/戸
【事業要件】
- ・強化外皮基準(ZEH水準の断熱性能)を満たすもの
- ・再生可能エネルギーを除き、一次エネルギー消費量が現行の省エネ基準値から25%削減されているもの
- ・ライフサイクルCO2の評価結果が0以下になるもの など
【申請について】
原則として施工会社(ハウスメーカーや工務店)が代行します。
この補助金を利用したいと施工会社に伝えて申請してもらいましょう。
なお、令和6年度から経済産業省が運営する補助金電子システム「jGrants」を利用した申請が必須となっており、GビズIDの事前登録が必要になるので覚えておきましょう。
補助金を受けるには、LCCM住宅認定が必要!
LCCM住宅整備推進事業の補助金制度を利用するには、LCCM住宅認定を受ける必要があります。
認定の条件があるので、ここで確認していきましょう。
対象建築物
- 新築の一戸建て専用住宅
- 竣工後3年以内の一戸建て専用住宅
申請者
- 建築主
- 設計者
- 施工者
- 販売者 など
認定基準
次の➀②のいずれかを満たすものとします。
➀LCCM適合判定ルート
CASBEE一戸建て(新築)に基づく「LCCM住宅部門の基本要件(LCCO2)適合判定ツール」にて評価した計算結果が「適合」である住宅
②CASBEE認証ルート
CASBEEの戸建評価認証制度に基づき認証された、環境効率ランクがSまたはAであり、かつライフサイクルCO2ランクが緑5つ星である住宅
※
- ・CASBEEの戸建評価認証を受け、認証書が交付されていることが前提となります。
- ・CASBEE-戸建(新築)により評価し、戸建標準計算による評価のみを対象とします。
- ・評価時期は、設計段階、竣工後入居前、入居後のいずれかとします。
- ・評価書作成者は、IBECsに登録されているCASBEE-戸建評価員であることが必要です。
認定料
33000円/戸(税込)
認定には手続きが必要で、申請書類もあるのでそこもしっかり確認してください。
https://www.ibecs.or.jp/rating/lccm.html
LCCM住宅に対応しているおすすめの会社3選!
現代会でLCCM住宅を建てられるおすすめのハウスメーカー3つを紹介します。
三井ホーム〈木造住宅〉
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標準仕様がZEH水準であり、環境に配慮した家づくりを行っています。
三井ホームでは、伐採後も炭素を固定化する木を使った「プレミアム・モノコック構法」を採用しており、優れた断熱性・気密性、太陽光発電と相まってエネルギー消費量とCO2排出量を抑制します。
また、三井ホームは70~90年の耐久性が認められた高耐久の住まいなので、長く快適に住み続けられる家を設計しています。
パナソニックホームズ

パナソニックでは、平屋のLCCM住宅モデルがあります。
片流れ屋根の平屋なので、他の形より太陽光発電パネルを多く搭載できます。
2019年に省エネ大賞を受賞した全館空調システム「エアロハス」は、年中快適に過ごせることはもちろん、HEPAフィルターが花粉やPM2.5を集めるため、家の空気を常に綺麗な状態に保ってくれます。
さらに、家族の成長やライフスタイルの変化にも対応できるように配慮されているため、夫婦それぞれの部屋や子供部屋、畳スペースなど、将来の長い快適性に配慮して作られています。
将来を見据えた住まいを検討中の方に特におすすめです。
住友林業
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木の力を存分に利用したLCCM住宅づくりを行っています。
住友林業のLCCM住宅モデルプランでは、さまざまな住みやすいポイントが詰まっています。
南側の屋根を大きくすることで、太陽光発電パネルを設置した時に発電効率が大幅にアップします。
風が良く入る大開口のファザード設計になっており、1階と2階の窓を開けておくことで心地よい風が発生するため、夏でも冷房を使わずに快適な環境で過ごせます。
季節ごとの太陽の高さに合わせて計算された軒が設置されているため、夏は暑い日差しを遮り、冬は暖かい日差しを取り入れることができます。
オシャレなだけでなく、LCCM住宅としてしっかりと省エネ・創エネできるシステムを搭載している優れた住宅を実現してくれます。
まとめ
脱炭素社会実現のために国全体で動いている最中なので、今後もLCCM住宅の需要は高まっていき、対応できる会社も増えていくことでしょう。
今後長く住むことを考えたら、やはりLCCM住宅がおすすめです。
しかし、初期費用が高いため、十分な費用を用意して臨みましょう!
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