過疎化によって、地方での空き家が増えていることはご存じでしょうか。
人口が首都圏に集中することで地方に住む人が減り、高齢化も相まって空き家が増えてしまっているのです。
せっかく建っているお家を無駄にするのはもったいないですよね。
そこで、空き家を活用したビジネスが注目を集めています。
今回は、そんな空き家活用方法やメリット・デメリットなどを伝えていこうと思います。
空き家が増えている…その原因は?
空き家が増えている原因はいくつかあります。
- 少子高齢化
- 所有者の問題
- 固定資産税対策
- 中古住宅の需要が少ない
詳しく見ていきましょう。
少子高齢化
日本では少子高齢化が深刻な問題になっています。
厚生労働省の調査によると、このままいくと2070年には総人口が9000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になると予想されています。
全体の4割が高齢者と考えるとかなりの高齢化ですよね。
高齢者になったことで介護施設に入る人が増え、住んでいた家が空き家になるというパターンが多いようです。
子供がいても都心に出てしまっていたり家を引き継ぐ意思がない場合はそのまま放置されてしまうことも多いのでしょう。
所有者の問題
所有者間での問題によって空き家になってしまうこともあるようです。
介護施設に入った親が「最期には戻りたいから」という理由で取り壊しや売却を拒否していたり、子供同士で売却や取り壊しの件で揉めたりと、所有者間の気持ちの行き違いで家の方向性を決められないでいるのです。
それにより、空き家がずっと残ってしまうのです。
固定資産税対策
建物を取り壊して土地だけにしてしまうと、固定資産税が高くなってしまうため、それを避けるために空き家であってもそのままにしている人も多いようです。
建物が建っていれば、固定資産税は通常の6分の1まで減少します。
しかし、空き家の状態があまりにも悪く「特定空家」に認定されてしまうと、特例の対象外となり固定資産税は通常額支払う必要があります。
このような問題により、空き家が増加してしまっているのです。
空き家活用のメリット・デメリット
では、空き家活用メリット・デメリットを知っていきましょう。
メリット
収益化できる
空き家を貸し出すなどすることで収益化できます。
ただ税金を支払う対象ではなく新しいビジネスに繋げられるのはいいですよね。
壊す必要がなくなる
空き家をそのまま、あるいはリフォームして再利用できるので、壊すことなくそのまま残すことができます。
思い出のある建物を壊すことに抵抗がある人も多いと思うので、新たな活用ができるのは大きなメリットです。
資産価値を維持できる
建物は、放置すると痛んだり腐食したりと、そのままでは使えなくなってしまいます。
空き家活用のために定期的なメンテナンスや管理をしていくことで建物の価値が高まり、そのまま売り出すことができるため、短時間で高い金額で売れるでしょう。
近隣とのトラブル回避に繋がる
空き家を放置していると、伸びた草木が隣家に侵入してしまったり、腐食の匂いで不快な思いをさせたりと、近隣住民に迷惑をかけてしまいます。
空き家活用のために手入れをすることで近隣への悪影響をなくし、トラブル回避に繋がります。
倒壊や防犯面でのリスク回避に繋がる
劣化して脆くなった建物は、腐食して倒壊したり、穴が開いて泥棒が侵入しやすくなったりと、何かと危険があります。
倒壊して物や人に危害を加えても困りますし、侵入されるのも怖いですよね。
空き家活用をすることでメンテナンスや管理にも繋がるので、このようなリスクも回避できます。
デメリット
費用がかかる
やはり空き家をそのまま活用するのは難しいので、リフォームやメンテナンスをするため、それなりの費用がかかります。
腐食などが進んでいる場合修繕費がかなりかかってしまうので、リフォームにどのくらいお金がかかり、空き家活用をすれば利益はそれ以上になるのかを計算して、無理のない修繕を行ってください。
方法によっては利益に繋がらない
例えば売却した場合など、希望した売却額にならない可能性もありますし、空き家を使って新しいビジネスを始めた場合も、思ったように繁盛しないこともあるでしょう。
少しでも可能性の高い活用方法を見つけて、後悔のない活用をしてください。
再び輝くために!空き家の有効活用方法
空き家の活用方法はどんなものがあるのか見てきましょう。
売却する
建物をそのまま売ってしまう方法です。
ある程度綺麗な状態であれば、そのまま売って第三者に活用してもらうのも一つの手です。
なるべく希望価格で納得のいく売却をするために、土地の売却価格を調べる・不動産会社を比較して調べる・複数会社に査定して価値を把握するなど、やることは多いです。
売却までに時間はかかると思いますが、焦らず気長に進めていきましょう。
民宿やコワーキングスペースとして貸し出す
リフォームをして、民宿やコワーキングスペースとして誰かに貸し出す方法です。
リフォームして過ごしやすい環境を整える必要がありますが、人気が出れば安定した収益を得ることができます。
もちろん定期的な掃除やメンテナンスが必要になるので、近くに住んでいつでも対応できるようにする必要があります。
シェアハウスにする
リフォーム・リノベーションをしてシェアハウスとして利用してもらう方法です。
立地が良くて広さが十分にあれば、空き部屋を作ることなく毎月一定の収益を得られるでしょう。
「女性限定」「ペット可」「家具付き」など、ある程度コンセプトを決めておいた方がリフォームもしやすいのでおすすめです。
シェアハウスの場合も管理や定期的なメンテナンスが必要になるので、そこに負担を感じる場合は管理を委託するという方法もあります。
カフェにする
カフェ経営をしてみたいと考えている場合は、空き家を使って古民家カフェを始めてみるという方法もあります。
自分の持っている空き家であれば家賃もかかりませんし、空き家を手放すことなく有効活用することができます。
地方であれば地域活性化にも繋がりますし、地域の人の憩いの場になれば収益もある程度得られるでしょう。
こちらもコンセプトを明確にしてリフォームを行い、競合と差別化できる要素を入れることが重要です。
更地にして売る
家を解体して土地を売るという方法です。
土地にすることで売却しやすくなったり、空き家が倒壊するリスクを減らしたりできます。
ただし、解体するのに費用と時間がかかったり、土地にすることで固定資産税が高くなるというデメリットもあるので、売れる予定ができてから解体工事を行ってもいいと思います。

使って損なし。補助金制度について
空き家活用のため、国によって補助金制度が作られています。
- 〇空き家再生等推進事業(改修や移転などに係る費用を一部負担)
- 〇街並み環境設備事業(活用整備費や修景整備費の一部負担)
- 〇既存建造物活用事業(既存の建造物を活用して整備する事業に必要な費用の一部負担)
- 〇空き家等活用推進事業(空き家の再生等優れた提案に対し費用の一部負担)
その他、空き家の解体や取得に関する補助金制度もあるようです。
これ制度は地域によって交付内容や条件が異なるので、空き家がある地域の制度を確認してみてください。
空き家の有効活用事例
ここからは空き家の活用事例を紹介したいと思います。
ぜひ参考にしてください。
二棟の空き家がガラス工芸家の作業スペースに変貌
居住者の退去により、一棟は5,6年、もう一棟は20~30年も空き家のままだった家を、ガラス工芸家が買い取りました。
内部の傷みがひどかったようですが、修繕や水回りの工事を行って一棟は住居兼工房として使い、もう一棟は作品のギャラリーとしての活用を考えているそうです。
木造建築を活かした一棟貸しの宿泊施設に変貌
京都の町に佇む二階建ての木造を、和モダンな宿泊施設に変えた事例です。
明治38年以前に建てられたと推測される、かなり年季の入った建物でしたが、内装と外装どちらもリノベーションを行い、和モダンでおしゃれな宿泊施設に生まれ変わりました。
一日一組限定という特別感のあるコンセプトで作られているため、競合との差もつけられた素晴らしい宿泊施設です。
築80年の旧食堂が地域住民が集う場所に変貌
築80年にもなる木造二階建ての建物が、年間約1000人が集まる場所に変わった事例です。
元々食堂兼住居として使われていた建物で、20年前に空き家となってそのまま放置されていました。
台風による被害もひどかったため、所有者は最初活用に消極的でしたが、しっかりと活用計画を立てることでうまく生まれ変わらせることができたそうです。
現在では、医療生活協同組合の集会所や子供の書道教室会場として利用されています。
建物を改修したことにより、地域のコミュニケーションの機会が増えたようです。
築120年の建物をカフェとして活用
築120年という長い歴史のある古民家が、オーナーさんの意向でカフェに大変身した事例です。
全てをリノベーションするのではなく、柱や梁をそのまま使用して昔ながらの趣を出したり、天然木材や畳を使ったりと、和の良さを前面に押し出した古民家カフェになっています。
地域性を出しつつ「和」という明確なコンセプトを打ち出して古民家をうまく活用しているため、訪れた人が落ちつく空間が作り出せているのだと思います。
まとめ
今回は空き家活用について基本的な知識を紹介しました。
今回の内容を簡単にまとめると、
〇少子高齢化・身内間の問題・固定資産税の問題などで空き家が増加している
〇空き家活用をすることで収益に繋がる、資産価値を維持できるなどメリットがある
〇空き家活用のために費用や時間がかかるというデメリットもある
〇空き家活用にはカフェやシェアハウス、売却など様々な方法がある
このようになります。
空き家をそのままにしているのは非常にもったいないので、ぜひ有効活用できる方法を見つけてみてください。
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