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ドローンの国家資格取得方法は?取得の流れや試験内容、スクールの選び方など伝授します♪

「ドローンの国家資格を取りたい!」と思っても、どういう流れで取ればいいか分からない人も多いと思います。

どういう流れで資格取得ができるのか、どんな勉強方法があるのかなど、試験を受けるための方法や試験内容を紹介します!

 

ドローンの国家資格取得の流れ

ドローン資格は、2025年12月5日に国家資格へ一本化されます。

国家資格を取るための流れは2通りあり、「スクールに通う場合」と「独学で試験に臨む場合」があります。

 

スクールに通う場合、スクールの中で実地試験を行えるため、実地講習後に修了試験を受けて合格すれば、指定試験期間での実地試験を免除できます。

試験当日は、学科+身体検査のみを行います。

 

独学の場合は、試験当日に指定試験期間で学科+実地+身体調査を行います。

 

ドローン 資格取得 流れ

 

技能証明申請者番号とは

技能証明申請者番号とは、10桁の数字のみの番号で、ドローン情報基盤システムから取得できます。

こちらの番号は、登録講習機関に通う、通わないに関わらず、必ず事前に取得する必要があります。

 

技能証明申請者番号を取得する際は、事前に以下の情報を集めておくことをおすすめします。

  • 氏名
  • 電話番号
  • 生年月日
  • メールアドレス
  • 本人の住所
  • 書類発送先の住所
  • 顔写真
  • ドローン情報基盤システムのログイン情報
  • マイナンバーカード
  • スマートフォン
  • 運転免許証
  • パスポート
  • その他本人書類

 

【登録講習機関に通う人のみ】

  • 登録講習機関名
  • 事務所コード

 

取得まで何日かかるの?

スクールでの講習から技能証明書の交付までで、最低1カ月はかかります。

スクール選びから考えると2,3カ月は必要になるので、早めに準備を開始しましょう。

 

国家資格試験の内容

国家資格試験 内容

ドローンの国家資格試験は、どんな内容なのでしょうか。

受験の内容を詳しく紹介するので、ぜひ確認していってください。

 

受験資格

・16歳以上

・航空法の規定により、国土交通省から試験の受験を停止されていないこと

 

以上の2つに当てはまっていなければ、誰でも受験できます。

なお、16歳未満でも、必要な安全確保措置を講じた上で飛行の許可・承認を得ることで、カテゴリーⅡの「無人航空機の飛行経路下において立入管理措置を講じた上で行う飛行」が可能になります。

 

試験の内容

ここからは、試験の内容を説明します。

一等資格と二等資格で試験内容と時間が異なりますので、よく確認してください。

 

 

学科試験

一等資格 二等資格
試験科目 無人航空機に関する規則

無人航空機のシステム

無人航空機の操縦者及び運航体制

運行上のリスク管理

無人航空機に関する規則

無人航空機のシステム

無人航空機の操縦者及び運航体制

運行上のリスク管理

問題数 70問(三肢択一) 50問(三肢択一)
試験時間 75分 30分
合格ラインの正答率 90%程度 80%程度
有効期間 合格通知日から起算して2年間 合格通知日から起算して2年間

 

実地試験

実地試験は、機体の種類と限定の内容(夜間飛行・目視外飛行・最大離陸重量25kg以上等)ごとに試験を行います。

なお、実地試験は「机上試験」「口述試験」「実技試験」の3つで構成されています。

 

実地試験方法は2種類あり、「試験会が試験会場や機体等の必要なものをそろえ、試験日を公開したうえでそこに受験者が訪れる」という方法と、「受験者が機体等の必要なものをそろえた上で、場所を指定しそこに試験会の試験員を派遣する」という方法です。

 

ここでは例として、回転翼航空機(マルチローター)の基本条件での試験内容を紹介します。

 

受験資格

・学科試験に合格しており、合格証明番号を取得している者

この条件は、どの機体でも限定内容でも共通です。

 

机上試験

机上試験では、飛行計画の作成において留意すべき事項を受験者がどう理解しているかを判定する質問を出します。

 

一等資格 二等資格
目的 立入管理処理を講ずることなく行う昼間での目視飛行に必要な知識を有するかどうかを判定します。 立入管理処理が講じられた昼間での目視飛行に必要な知識を有するかどうかを判定します。
質問数 5問 4問
留意事項の例 ・航空法等の法令順守

・安全確保措置

・機体の仕様、限界事項

・自動飛行機能の設定

 

口述試験(飛行前点検)

口述試験では、機体前の点検作業を適切に行えるかどうかを判定します。

まずは「飛行空域やその周辺状況に問題はないか」、「航空法等の違反はないか」、「気象状況に問題はないか」など、飛行空域及びその他の確認事項を示し、その結果を答えてもらいます。

 

次に日常点検記録の様式を受験者に渡し、試験員の指示に従って点検してもらい、その結果を記録様式に記載してもらいます。

最後に、機体及び操縦装置を作動させて、試験員の指示に従って点検をしてもらいます。

その点検結果を、先ほど渡された記録様式に記載してもらいます。

 

受験者が記載した結果を確認し、確認漏れや間違いが一つでもあれば10点減点されます。

 

実地試験

一等資格 二等資格
目的 立入管理措置を講ずることなく行う昼間での目視飛行に必要な飛行能力を持っているかどうかを判定します。 立入管理処理が講じられた昼間での目視飛行に必要な飛行能力を持っているかどうかを判定します。
試験内容 ・高度変化を伴うスクエア飛行

・ピルエットホバリング

・緊急着陸を伴う8の字飛行

・スクエア飛行

・8の字飛行

・異常事態における飛行

 

口述点検(飛行後の点検と記録)

実地試験後、飛行後の点検と記録を適切に行うことができるかを判定します。

試験員に従って飛行後の点検を行い、記録様式に記載してもらいます。

「各機器が確実に取り付けられているか、ゆるみがないか」、「機体にゆがみや損傷がないか」、「機器の異常発熱はないか」などを点検します。

 

ここで一つでも記載漏れ、誤りがあれば5点減点します。

その後、無人航空機の飛行日誌の取り扱い要領に準じた飛行記録様式が渡され、そこに実施した飛行の記録をとります。

飛行時に異常が発生した場合は、その不具合事項を記載してもらいます。

 

ここで一つでも記載漏れ、誤りがあれば10点減点します。

 

口述試験(事故、重大インシデントの報告)

この試験では、事故や重大インシデントが発生した場合の報告と対応について、適切に行うことができるかを判定します。

 

事故または重大インシデントのどちらかについて、該当する事態の3つを口頭で答えてもらうまたは記録様式に記載してもらいます。

加えて、事故が発生した時の適切な処置について、受験者が理解しているかどうかを判定できる質問を行い、口頭で答えてもらうまたは記録様式に記載してもらいます。

 

抜けや誤りがあった場合は5点減点。

回答時間3分以内に回答してもらい、未回答の場合は5点減点します。

 

身体検査

身体検査は、以下のいずれかの方法から選べます。

  • ➀有効な公的証明書の提出
  • ②-1医療機関の診断書の提出(一等25kg未満限定及び二等)
  • ②-2医療機関の診断書の提出(一等25kg以上)
  • ③指定試験機関の身体検査受験(一等25kg未満限定及び二等)

 

➀有効な公的証明書の提出

以下の書類のうち一つを提出してください。

  • 自動車運転免許証(原付、自動二輪、小型特殊運転免許を除く)
  • 航空身体検査証明書
  • 無人航空機操縦者技能証明書
  • 航空機操縦練習許可書

 

【条件】

  • ・有効な公的証明書であること

 

【身体検査合格者に発行される身体検査合格証明番号の有効期間】

合格通知日から起算して1年または提出した公的証明書の有効期間のいずれか短い方です。

 

②-1医療機関の診断書の提出(一等25kg未満限定及び二等)

医師の診断書(無人航空機操縦者身体検査証明書)を提出してください。

 

【条件】

  • ・申請前6カ月以内に受けた検査の結果が記載されていること
  • ・指定の様式を用いて医師に記載してもらうこと

 

【身体検査合格者に発行される身体検査合格証明番号の有効期間】

合格通知日から起算して1年

 

②-2医療機関の診断書の提出(一等25kg以上)

医師の診断書(無人航空機操縦者身体検査証明および無人航空機操縦者身体検査証明 別紙)を提出してください。

 

【条件】

  • ・申請前6カ月以内に受けた検査の結果が記載されていること
  • ・指定の様式を用いて医師に記載してもらうこと

 

【身体検査合格者に発行される身体検査合格証明番号の有効期間】

合格通知日から起算して1年

 

③指定試験機関の身体検査受験(一等25kg未満限定及び二等)

【身体検査合格者に発行される身体検査合格証明番号の有効期間】

合格通知日から起算して1年

身体検査では、視力、聴力、色覚、運動能力等において、身体基準を満たしているかを確認します。

 

【一等25kg未満限定及び二等の場合】

視力 両眼で0.7以上、一眼で0.3以上であること。

一眼の視力が0.3未満または見えない場合は、他眼の視野が左右150以上で視力が0.7以上であること

色覚 赤、青、黄色の識別ができること
聴力 後方2メートルの距離から発せられた通常の強さの音声が正しく聞き取れること
一般 施行規則に挙げられている身体障害がないこと

無人航空機の安全な操縦に必要な能力を欠く四肢または体幹の障害があったとしても、法第132条の44規定による条件を付すことにより、無人航空機の安全な飛行に支障を及ぼす恐れがないと認められること

 

一等25kg以上の試験を受ける場合は、これよりも細かい身体条件があるので、該当しないかよく確認してください。

身体検査を受ける場合、事前に「ドローン情報基盤システム」にて技能証明申請者番号を取得の上、指定試験機関が運営する「試験申込システム」においてアカウント登録を完了している必要があります。

 

試験日はいつ?

ドローン国家資格の試験は、学科の場合は通年試験を行っており、自分で予約をします。

 

実地試験と身体検査は、無人航空機操縦試験のホームページにて試験日程が公開されています。

試験の種類と開催地、開催予定月を絞って検索できるので、希望日の試験に申し込んでください。

実地試験と身体検査は、月1の頻度で開催されているようです。

 

資格取得のための勉強方法

ドローン 国家資格 勉強方法ドローンの国家資格は、スクールに通わなくても独学で受験できます。

独学の場合はコストを抑えられる点、自分のペースで好きな時に勉強できる点がメリットです。

 

独学の場合は、国土交通省が公開している「無人航空機の飛行の安全に関する教則」を読み込み、基本知識や操縦の注意点などを覚えましょう。

YouTubeでも資格に必要な知識を教えてくれるチャンネルがあるので、そちらで勉強するのもおすすめです。

また、問題集で問題を解くことで記述試験対策になります。

 

ただし、独学だとどこから勉強すればいいのかも手さぐりになるので、スクールに通う場合よりも勉強に時間がかかったり、安全な飛行に必要な知識に抜け漏れがあったり、試験で出る問題の傾向が分かりにくかったりと不安点も多いです。

 

スクールであれば、プロから学ぶことができるため本当に必要な知識を得ることができます。

また、安全な飛行にはドローンの構造や気象情報、法例などの周辺知識も必要です。

 

スクールであればその部分も一から丁寧に教えてくれるため、自信をもってドローン操縦士になれます。

そういった周辺知識まで学ぶとなると、独学では厳しい部分が多いです。

 

資格合格を目標にするのではなく、合格後にドローン操縦士として活躍することを考えているのであれば、スクールに通って資格を取得することをおすすめします。

 

ドローンスクールの選び方

ドローンスクール 選び方

ドローンスクールはいつくか種類があるので、どのように選べばいいか悩みますよね。

ここでは、ドローンスクールの選び方を紹介したいと思います。

 

資格や認定の有無を確認

まずは、ドローンスクールがどんな資格や認定を持っているかを確認しましょう。

ドローン関連団体からの認定を受けているスクールは、多くの団体から認められている証明があるため信頼できます。

 

なお、ドローン国家資格は国が認定した「登録講習団体」でしか資格取得ができません。

入会前に登録講習団体かどうかを確認してください。

 

学びたいコースがあるか

スクールごとに提供されているコースは異なります。

基礎知識を学べる一般コースと、特定のビジネスに必要な知識やスキルを身に付けられる特化コースがあります。

趣味の場合は一般コースで十分ですが、ドローン操縦を仕事にしたい場合は特化コースがあるスクールを選びましょう。

 

ただし、特化コースは一般コースを受講済みの方が対象なので、覚えておきましょう。

 

実技講習時間が十分か

飛行実技が充実しているかも確認しましょう。

資格取得には、基本的に10時間以上の操縦経験が必要になります。

操縦経験時間が足りていなかったら受講できないので、しっかり確認してください。

 

また、少人数制かどうかも確認しましょう。

一度に受講する人数が多すぎると、その分一人当たりに使える操縦経験時間も少なくなります。

 

さらに、屋外での実技訓練があるかもチェックしましょう。

屋外での訓練は、室内よりも訓練効果が高いと考えられているそうなので、屋上などで訓練できるスクールの方が、実際の操縦スキルが身に付きます。

少人数制か、屋外飛行ができるか、この点もしっかり確認しましょう。

 

講師の人数やレベルはどうか

講師の人数が少なすぎると、受講者一人一人に教えてくれる時間が短くなります。

十分な人数いるか確認しましょう。

また、講師の持っている資格も重要です。

国家資格を取得している講師が多い方が、国家資格受験に必要な知識を教えてもらえます。

 

入会前後のサポートは充実しているか

入会前に体験会がある場合は、ぜひ利用しましょう。

入会金を支払う前にスクールの雰囲気や施設の充実度を確認できるのでメリットが大きいです。

スクールによって施設の見学だけのところもあるので、授業も見学できるか事前に確認しておきましょう。

 

また、卒業後のサポートをしてくれるスクールもあります。

国土交通省の許可申請サポート、練習場の利用、勉強会や懇親会など、ドローン操縦に関するさまざまなサポートを受けられます。

こういったサポートがあった方が資格取得後も安心できるので、事前に確認してください。

 

立地はどうか

スクールの場所が家から行きやすいかどうかも重要です。

スクールに通うとなると、遠すぎたり乗り換えが複雑だったりすると行く気が失せる恐れがあります。

せっかく受講料を払ったのに途中で行かなくなるのはもったいないです。

家の近くや通勤途中など、通いやすい場所にあるところを選びましょう。

 

設備や機材は充実しているか

スクール内の設備や使える機材はどのくらい充実しているかも重要です。

練習場のスペースや屋外飛行可能か、シミュレーション施設の有無など、ドローン操縦スキルを培える設備が充実しているか、しっかり確認しましょう。

 

評判はどうか

実際にスクールを受講した人の声を参考にすることで、スクールに対するリアルな声を知ることができます。

いい評判だけでなく悪い評判もしっかりチェックし、妥協できるものかどうか判断してください。

どこに重点を置くか事前に明確にしておくことが大切です。

 

ドローンスクールの料金は?

ドローンスクールにかかる費用は、初学者と経験者で異なります。

  • 一等資格の初学者:80万円前後
  • 一等資格の経験者:40万円前後
  • 二等資格の初学者:30万円前後
  • 二等資格の経験者:10万円前後

 

一等か二等かでも金額が異なるので、ここは把握しておきましょう。

なお、金額はあくまで目安であり、スクールによって異なります。

 

ドローン資格を取得して、スキルを広げよう!

ドローン 国家資格

ドローン操縦士として働きたい場合は、国家資格の取得が必須になります。

 

より難しい状況(夜間飛行や目視外飛行など)での資格を持っていると、それだけ仕事の幅も広がります。

ぜひ、国家資格を取得してドローン操縦士として活躍する第一歩にしましょう!

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