建設業でも、IT化が進んできています。
IT化することで従業員の負担が減り、より効率的に作業を進めることができます。
AR・VRも建設業を手助けするものです。
今回は、AR・VRがどのように建設業に貢献するのかを紹介していきたいと思います。
AR・VRとは
まずは、ARとVRがどういうものか、違いを簡単に知りましょう。
ARとは
ARは、Augmented Realityの略で「拡張現実」のことを言います。
現実世界に仮想空間を重ねることで、現実の空間に仮想上のものを見ることができます。
代表的なもので言うと「ポケモンGO」で、現実世界で仮想のキャラクターが表示されるといった新しいエンターテインメントを生み出しています。
VRとは
VRは、「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」のことを言います。
場所を選ばず現実に近い体験ができる技術で、VRゴーグルによる仮想体験や医療分野などでも活用されています。
企業のAR・VR活用状況は?
ARとVRの市場規模の推移をみると、どちらも右肩狩りに上昇していることが分かります。
特にVRの支出額が多いようが、どちらも今後も増加していくと予測されます。
尚、顧客向けには疑似体験や観光地でのVR・AR活用が活発で、企業向けにはモデルルーム体験や作業でのナビゲーション、企業向けの訓練用途での利用が増加しているようです。
また、医療現場でのVR市場は年平均成長率が42.3%と急激な成長を見せており、このままいけば2027年には市場規模約3.9兆円に昇ると予測されています。
VRは医療スタッフの不足や技術力を手助けしています。

このように、AR・VRは顧客向けだけでなく企業での利用もどんどん増加しています。
可能性が大きく、注目されている技術なのです!
建設業のAR活用メリット
多角的な視点から把握できる
現場とイメージ映像を重ねて確認できるため、設計図を立体的に捉えて多角的に建築物を把握することができます。
作業に取り掛かる前から改善点や平面では気づかなかった点に気づくことができるため、ミスやトラブルを防ぐことができます。
シミュレーションができる
まずARを使って建物をどのようなものにするかシミュレーションをすることで、設計上の不具合をなくすことができます。
デザインについても、周囲に合わせて建物の色を考えたりデザインを変えられるのでクライアントの意向に合ったものが建てられます。
危険な場所を把握できる
現場とイメージを重ね合わせることで危険な箇所を表示してくれるため、予め危険な場所を把握し事故を防ぐことができます。
建設現場では危険な場所での作業が多いので、先に把握しておくことでその場所での作業は機会に任せたり、細心の注意を払って作業することができます。
イメージが共有しやすい
まだ建物が経っていない場所でも、イメージ上の建物がたった様子を見ることが出来るため、クライアントとのイメージ共有がしやすくなります。
イメージ共有ができると頭に思い描いているものをお互いに統一できる上に、万が一変更箇所があっても工事前なのでスムーズに行うことができます。
クライアントとのトラブルを防ぐことにも繋がるのです。
建設業のVR活用メリット
教育がしやすくなる
VRで実際の現場を体験しながら教育をすることで、実際に作業を行っている感覚で学ぶことができます。
ただ説明を聞くよりも体験しながらの方が知識を身に付けやすいため、より早く即戦力を増やすことができます。
イメージ共有がしやすい
ARと同様、実際の完成イメージを共有できるため、工事開始後の変更やトラブルを防ぐことができます。
イメージを見ながら話し合いをすることで、お互いが納得のいくデザインにできます。
設計改善がしやすい
実際の建設物を3Dで見ながら設計できるので、平面では分からない問題点に気付くことができます。
工事開始前に気づけるので、改善がしやすく作業時間の短縮に繋がります。
遠隔から視覚的支援ができる
通常は、現場に行かないと現場の進捗状況や適切な指示だしは行えません。
しかし、VRを活用することで遠隔地にいながら現場をリアルに確認することができるので、適切な指示だしが可能になります。
AR・VRの活用事例
それでは、実際の建設業での活用事例を見ていきましょう。
清水建設(AR活用)
清水建設は、埋設物をAR技術で可視化する「地下埋没物可視化システム」を開発しました。
これを使うことによって、地下に埋まっているものを地上から確認することができます。
掘削工事で水道管などのライフラインを傷つけないよう地上から把握でき、ライフラインを避けて工事することができます。
タブレットをかざすだけで場所が分かるため、工事をより素早くおこなうことができています。
つくし工房(VR活用)
安全標識や安全看板を提供しているつくし工房では、工事現場での事故をふせぐためにVRでの飛来災害疑似体験を行っているそうです。
事故の疑似体験をすることで、事故の原因や被害者の視点を事前に知ることが出来るため、事故が発生する行動を起こさないようになるなど事故防止に繋がっています。
東急建設(VR活用)
VRを導入することで、場所や時間を気にすることなく同じ情報を瞬時に共有できるようになりました。
これにより、クライアント・施工者・協力会社など違う立場の人たちが同じイメージで話し合いをすることが出来るようになり、トラブルが減りました。
同じイメージで話せることで、話し合いもスムーズになったようです。
飛鳥建設(AR活用)
ARとMRを使って設計業務と施工現場をリアルタイムで連携させることで、変更などの作業を迅速におこなうことができます。
また、設計データと建物の完成イメージを照らし合わせることで設計の細部まで確認できるようになり、品質向上に繋がっています。
AR・VR導入する際のポイント
導入目的を明確にする
まずは、なぜAR・VRを導入するのかを明確にしましょう。
目的を明確にすることで、社内でAR・VRをうまく活用することができます。
また、その際は導入目的を社内周知することも重要です。
他社の活用方法を参考にする
他社がどのように活用しているのかを知ることで、自社での活用方法も広がります。
導入目的以外でも活用できれば、様々なシーンで業務の効率化に役立つでしょう。
少しずつ浸透させていく
AR・VR導入後は、いろんな場所で一気に活用しようとはしないでください。
新しいことを取り入れてそれを馴染ませていくには時間がかかります。
まずは一部で取り入れて、トライアンドエラーを繰り返しながら扱い方が分かって来たら徐々に導入範囲を拡大していきましょう。
まとめ
IT化は、建設業でもどんどん広がってきています。
作業効率化や人手不足解消のためにも、積極的にIT技術を取り入れていきましょう!
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