現場作業では、資材などの重いものを運んだり、長時間同じ姿勢で作業をしたりすることも多いので、腰痛に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、職場でできる腰のストレッチや改善策を紹介するので、ぜひ参考にしてください!
建設作業員は腰痛持ちが多い!?
建設現場の作業員は、資材の運搬、狭い場所での作業、不安定な場所での作業、しゃがんだままで行う作業、建機の運転で座ったままの作業など、腰を酷使する作業が多く存在します。
そのため、昔から腰痛と肩こりが多いと言われているそうです。
以下の作業が、腰痛リスクが高い作業です。
- 建設機械操作
- 屋根工事
- 壁工事
- 床工事
- 道路工事
- 配管工事
建機の操作に関しては、長時間座り続けることに加えて、荷物の運搬時に車両の振動が伝わることで、腰に大きな負担がかかってしまいます。
このように、建設現場での作業は不安定な場所で行われることが多く、無意識のうちに腰に負荷をかけてしまうのです。
腰痛が起きる仕組み
腰は、腰椎と呼ばれる5つの骨がブロックのように積み上げられて構成されています。
背骨は通常緩やかなS字カーブを描いていますが、姿勢が悪いとこのカーブが崩れて腰椎に大きな負担がかかり、腰痛を引き起こします。
また、腰椎を構成している一つ一つの骨を「椎骨」といい、その間にクッション材としてあるのが「椎間板」です。
椎間板が老化とともにすり減ってクッションの役割を果たせなくなることで、腰のバランスが崩れて腰痛を引き起こすこともあります。
なぜ痛くなる?腰痛の原因
腰痛は腰に負荷がかかることで発生するため、仕事や生活習慣が原因となることが多いです。
しかし、ストレスで引き起こされることもあれば内臓の病気が関係していることもあるので、一概には言えません。
腰痛には、原因が特定できる「特異的腰痛」と特定できない「非特異的腰痛」があり、85%は非特異的腰痛です。
よく聞くぎっくり腰も、原因が分からないため非特異的腰痛に分類されます。
特異的腰痛は、「腰椎椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」「骨粗しょう症」「背骨の骨折」などがあります。
なお、仕事で腰痛が発生した場合も、その仕事内容だけでなくストレスや運動不足など他の要因が重なることで発生している可能性があるため、「非特異的腰痛」に分類されます。
腰痛が慢性化する原因は?
腰痛の慢性化は、「筋肉」「神経」「心理的要因」が複雑に重なり合うことで発生します。
腰痛による痛みを恐れて体を動かさないでいると、筋肉が硬直してかえって腰痛を慢性化させます。
また、体を動かさないでいるとストレスがたまって痛みを抑制する脳の機能が働きにくくなり、神経が過敏になって少しの動作でも痛みを感じやすくなります。
そのため、慢性的な痛みを引き起こすのです。
さらに、ストレスや不安などの感情も痛みを慢性化させます。

このように、さまざまな要素が重なり合うことで慢性化してしまうのです。
慢性化する前に、筋肉を柔らかくして改善していく必要があります。
職場でできる腰痛予防のストレッチ、ツボを紹介
では、職場などですぐにできる腰痛予防のストレッチやツボを紹介します。
ぜひ確認して、仕事の休憩時間などにやってみてください!
腰椎反らし運動
- ➀足を腰幅に開いた状態で立ち、骨盤に手を置く
- ②顎を軽く引いて、骨盤を前方に押しながら無理のない範囲で上体を反る
前屈運動
- ➀足を腰幅に開いて立ち、軽く前屈しながら背中をストレッチ 10秒×2回
- ②さらに前屈を深めて腰をストレッチ 10秒×2回
- ③元に戻って腰をそらし、肩を後ろに引き胸を張りながら深呼吸 10秒×2回
【椅子を使った方法】大殿筋のストレッチ
- ➀椅子に浅めに座って、片足を持ち上げて足を4の字に組む
- ②足首を膝の上に乗せて、手で膝を押して広げる
- 余裕があれば、その状態で足首を少し持ち上げて、テコの原理で膝を開く
- ③その状態で、背筋を伸ばしたまま体をゆっくり前に倒す
- ④そのまま10~20秒キープする
【椅子を使った方法】脊柱起立筋のストレッチ
- ➀椅子に腰かけて背筋を伸ばす
- ②背筋を伸ばした状態でゆっくり腰を後ろにひねる
- ③深呼吸しながら20秒キープ
- ④息を吐きながらゆっくり戻る
- ⑤反対側も同様に行う
腰痛のツボ➀命門(めいもん)
おへそのちょうど裏側にある、背中のツボ。
全身の不調を整えてくれます。
腰痛のツボ②腎喩(じんゆ)
命門の位置から指2本外側の左右にいったところにあるツボ。
冷えやむくみの解消にも効果があります。
腰痛のツボ③志室(ししつ)
命門から指4本外側の左右にいったところにあるツボ。
生理痛や腎臓、消化器系の働きをよくする効果があります。
参考:痛みwith、介護アンテナ、ULLR MAG、大正製薬
腰痛持ち必見!腰痛の改善方法
仕事で腰痛になってしまった場合や腰痛持ちで悪化させたくない場合、どのように改善していけばいいのでしょうか。
腰痛を改善するための日常の心がけやセルフケアを紹介します。
ぜひ試してみてください♪
正しい姿勢で座る
猫背や背もたれに寄りかかる姿勢で長時間いると、腰に負担がかかって腰痛を悪化させます。
座る際は、椅子に深く腰掛け背骨を立てて背筋を伸ばすことを心がけましょう。
腰と太もも、太ももとふくらはぎはなるべく直角を保ちます。
足裏がしっかり地面につくように、椅子の高さを調節しましょう。
重いものを持ち上げる時の姿勢に注意する
建設現場では、重いものを持ち上げる機会が多いと思うので、ぜひこの姿勢を意識してください。
重いものを持ち上げる時、腰を前かがみにして丸めた状態で上に引っ張るのは危険です。
腰に一気に負荷がかかるので、ぎっくり腰になる恐れもあります。
まず、重いものを持ち上げる直前および直後に腰を反らすストレッチを行い、力を入れる準備をしましょう。
足を軽く広げ、少しかがんでなるべく体勢を低くします。
バランスを取りながら荷物をつかみ、なるべくおなかに近づけてから体重を少し後ろに倒してそのままゆっくり立ち上がります。
完全にしゃがんでしまうと膝に負担がかかってしまうので、膝を90度くらいに曲げて腰への負担を軽減しましょう。
寝具を新調する
起きた時に腰が痛い場合、寝具が原因の可能性があります。
また、別の理由で腰痛が発生した場合も、体に合わない寝具を使うことで慢性化する恐れがあります。
柔らかすぎて弾力が足りないマットレスを使っていると、腰が沈み込んでしまい腰痛の原因になります。
また、固すぎる場合は腰が浮いてしまうため、体の重みを肩とお尻に集中することで腰痛の原因となります。
柔らかすぎず固すぎない、体にフィットするものを選びましょう。
寝具を選ぶ際は、できれば一度寝て確認するのがおすすめです。
体を動かす
腰痛に成り立ては数日安静にした方がいいですが、腰の休ませすぎるとかえって腰痛を悪化させる原因になります。
適度な運動で腰や筋肉を鍛え、骨格のバランスを保つことで腰を支える筋肉を育てて改善させましょう。
効果的なトレーニングをいくつか紹介するのでぜひチャレンジしてみてください。
バイシクルクランチ
腸腰筋・腹直筋・腹斜筋などの腰回りの筋肉を鍛えるトレーニングです。
- ➀仰向けに寝て、両手を頭の後ろで組んでから頭を浮かせる
- ②膝を90度に曲げた状態で持ち上げる
- ③その体勢のまま、片方の足を伸ばしてもう片方の足を胸に近づける
- ④体を捻りながら、自転車を漕ぐように足の動きを繰り返す
- ⑤腹筋に力を入れながら、10回×2~3セット行う
ヒップリフト
お尻周りの筋肉を鍛えるトレーニングですが、同時に脊柱起立筋も鍛えられます。
- ➀仰向けに寝転がり、両膝を立てて足の裏を床につける
- ②足裏で床を押してお尻を持ち上げ、一番高い位置で30秒キープ
- ③お尻を下げて持ち上げる動作をできる範囲で繰り返す。
- この時、お尻の筋肉に力が入っていることを意識しながら持ち上げるとさらに効果が上がる
バードドッグ
お腹や腰でバランスを取ることで、体幹やお尻、脊柱起立筋などを鍛えられるトレーニングです。
- ➀床に手をついて四つん這いになる
- ②片腕を前に伸ばし、伸ばした手と反対の足を後ろに伸ばす
- ③10秒キープしたら、反対の手足で同じ動作を行い、10秒キープ
- ④②と③を10~20回繰り返し行う

セルフケアで腰痛が治らない場合はどこに行けばいい?
上記のような改善策を行ってもなかなか治らない場合は、一度整形外科に行ってみましょう。
整形外科は医療機関なので、精密検査で腰痛の原因を診断してくれます。
腰痛がなかなか治らない、通常の腰痛とは異なる痛みがある場合などは特におすすめです。
レントゲンやMRIが受けられるので、ヘルニアや脊柱管狭窄症かどうかも判断できます。
一方、慢性的な腰痛を治す場合は整骨院がおすすめです。
整形外科は医療機関なので来院者が多く、一人に長い時間をかけることが難しいことが多いです。
また、基本的に予約ができず、当日の様子によっては待ち時間が長くなることもあるので気軽に行くのが難しいです。
整骨院は家の近くにもたくさんあり、夜遅くまで営業しているところもあるので気軽に行きやすいです。
予約が取れるので、一人にじっくり時間を使えて丁寧に施術をしてもらえます。
慢性化している場合は定期的な施術が必要なので、気軽に通える整骨院の方がおすすめです。
なお、整形外科に行っても原因が分からず、その後も痛みが治まらない場合、内臓や消化器系、精神的なものが原因の可能性があります。
その場合は、内科や消化器内科、循環器科、精神科を受診する必要があります。
腰痛に加えて腹痛や血便、吐き気などの症状が現れたら、内臓の病気の可能性があるので、早急に内科や消化器内科を受診してください。
建設会社ができる改善策
腰痛が発生する可能性の高い建設業では、現場の環境を整えることも重要です。
ここからは、会社でできる環境改善策を紹介していきます。
作業空間を広くする
作業空間が狭くて資材が散乱している環境では、正常な姿勢で作業をするのが困難になります。
そこで、作業場所は広くして頭上の高さに余裕を持たせ、資材などのいらないものは片づけて、作業しやすい環境を整えましょう。
そうすることで、適切な姿勢で作業をすることができ、腰痛予防につながります。
足場においては、安定した状態で歩けるくらいの広いスペースを設け、昇降路の傾斜を緩やかにして腰への負担を軽減しましょう。
機械や設備の配置を変える
機械や設備を操作する際に、前かがみや姿勢を変えなければいけない状態をなくすために、上げ下ろし作業をなくし、設置位置を自身の身長に合わせて変えられるように改善しましょう。
荷物の積み下ろしなどがある場合、腰より上の位置に荷物を置くことをなくし、平均の腰位置より10センチ低い位置に荷物を置くように整備することで、積み下ろしでの腰の負担を軽減できます。
機械や設備は、昇降可能なものにして身長に合わせて調節できるようにすることで、無理な姿勢で作業をするリスクをなくすことができます。
作業場を明るくする
作業場が暗いと、よく見えなくてつまずいたり、悪い姿勢で作業をしたりする必要が出てきます。
そうなると大きな事故につながる恐れもありますし、作業効率も悪くなるため今すぐ改善すべきです。
明るくすることで安心して作業ができますし、変な姿勢で作業することもなくなり、作業員のストレス軽減にもなります。
作業床は平坦にする
足場などの作業床に凹凸があったり傾いていたりすると、余計な力を入れてしまい腰に負担がかかります。
作業床の凸凹や段差は極力なくし、滑りにくく耐久性の高いものを選びましょう。
休憩所を設ける
腰に負担のかかる現場仕事では、定期的に腰を休ませることが重要です。
横になれる場所やマッサージチェアを提供しましょう。
長時間作業が常態化している場合は、定期的に休みが取れるようにスケジュールを組んで、作業員の体に配慮することが大事です。
腰痛に悩まず快適に働こう♪
腰痛があると、どんな仕事も長時間続けられなくなってしまいますよね。
日頃のストレッチやトレーニングで予防できるので、まだひどくない人は日常に取り入れてみてください。
長引いているようなら、整骨院か整形外科に行ってみてください。
原因がある程度分かれば改善策も見えてきます。
現場作業では腰痛が起こりやすいことを意識して、自分で対策していきましょう!
仕事に困っているなら、建設業マッチングサービス「KIZNA」へ!
「仕事を増やしたい」
「協力会社が足りない」
などなど、仕事面でお困りの建設業の方必見!!
KIZUNAは、建設業向けマッチングサービスで、掲示板から気軽に仕事や協力会社を探せます。
完全審査制なので、安全性の担保された企業とやり取りできます。
画面もシンプルで見やすいです♪
登録はなんと無料!ぜひ、一度その使いやすさを体感してみてください!
コメント