リサイクルは資源を有効活用するために必要なことですが、それは建設業でも同じです。
建設工事や解体工事では出る資源が大きいため、「建設リサイクル法」というものが定められています。
建設リサイクル法とはどんなものか、どんな内容で対象の工事は何なのかなど、詳しく説明していこうと思います。
建設リサイクル法とは
建設リサイクル法は、正式名称を「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」といい、建設工事に関するリサイクルを推進する法律です。
主な内容は以下の3点です。
-
〇建設物に使用されている建設資材の分別解体および建設資材廃棄物のリサイクルの義務付け
〇工事の発注者または自己施工者による工事の事前届け出、元請業者から発注者への書面による報告の義務付け
〇解体工事業者の登録制度や技術管理者による解体工事の監督
建設資材廃棄物とは、コンクリート塊、建設発生土、アスファルト・コンクリート塊、建設発生木材、建設汚泥、建設混合廃棄物などを指します。
背景と目的
廃棄物全体の課題として、
- ・処分場の容量不足
- ・不法投棄の横行
この2つがあがってきます。
中でも建設廃棄物は排出量・最終処分量の割合が大きく、環境への影響も大きいことが言われています。
廃棄物排出量、不法投棄の量を削減するためには、大きな割合を占める建設廃棄物をリサイクルしていく必要があるのです。
このような背景から、解体工事などで発生する建設資材廃棄物のリサイクルを促進する目的で「建設リサイクル法」が公布されました。
要チェック!建設リサイクル法の対象工事
建設リサイクル法の対象は、以下の特定建設資材が使われている構造物かつ下記表に該当する工事内容のものです。
【特定建設資材】
- ・コンクリート
- ・コンクリートと鉄から成る建設資材
- ・木材
- ・アスファルト・コンクリート
【工事の規模】
工事の種類 | 規模の基準 |
建築物解体工事 | 床面積 80㎡以上 |
建築物新築・増築工事 | 床面積 500㎡以上 |
建築物修繕・模様替え(リフォームなど) | 工事金額 1億円以上 |
その他工作物に関する工事(土木工事) | 工事金額 500万円以上 |
対象外について
リサイクル法2条第1項において、建設資材は「土木建築に関する工事に使用する資材」と定義されています。
そのため、伐採木・伐根材・梱包材などは建設資材に該当しないためリサイクルの必要はありません。
提出が必要な届け出とは?
対象工事を行う発注者または自己施工者は、都道府県知事に届け出を出すことが義務付けられています。
(代行や代理提出も可能です)
届け出の流れとしては以下になります。
- 受注者じゃ発注者に対し、建築物の構造・分別解体などの計画書について書面を交付して説明する
- 発注者はそれらの書面確認後に契約を行うが、契約書面には分別解体の方法、解体工事に要する費用等の情報を明記する
- 発注者は、期限までに都道府県知事に届け出を出す
- 元請業者は下請け業者に対し、発注者が都道府県知事または特定行政庁の長に対して届け出たことを報告する
- 元請業者は、建設資材のリサイクルが完了した場合はその旨を発注者に書面で報告するとともに、リサイクルなどの実施状況に関する記録を作成・保存する
- 報告を受けた発注者は、万が一リサイクルなどが適切に行われなかったと認識する場合は知事に対してその旨を報告し、適切な処置を求める
なお、届け出をする書類は、
- 届出書
- 分別解体などの計画書
- 工程表
- 案内図
- 設計図または写真
- 委任状(代行の場合のみ)
が主に挙げられます。
提出が必要な書類は都道府県によって多少異なるので、各自確認してください。
期限について
届出書の提出期限は、工事着工の7日前までです。
土日を含めての7日前となりますが、提出できるのは役所が開いている平日のみなので提出日には注意してください。
着工前に焦らないように、届け出は余裕をもって行いましょう。
【例】
12日火曜日が工事着工日の場合、提出期限は5日の火曜日
20日日曜日が工事着工日の場合、提出期限は11日の金曜日
届出書の提出方法
提出方法は、役所の窓口に提出書類を持参します。
ただし、東京都のみ「東京共同電子申請・届け出サービス」によりオンライン申請が可能になっています。
申請の流れは以下の通りです。
- 「東京共同電子申請・届け出サービス」のトップから「東京都へ申請」を選択
- 電子申請をクリック
- 必要事項を入力・添付書類を登録して申請
- 申請後、すぐに「届出到達通知メール」が届く
- 都の職員が内容を確認し、不備がなければ「届出受理通知メール」が届く
- 「東京共同電子申請・届け出サービス」の申請状況照会画面から「受領書・届出済みシール」印刷用ファイルをダウンロード
- 届出済みシールを印刷し、工事現場に掲示する「建設業許可票」などを貼り付ける
オンライン申請は対象となる工事を行う際に可能なので、行う工事が対象内かどうかを確認してください。
罰則はある?
建設リサイクル法に違反した場合、罰金の支払いを請求されます。
届出書の提出を怠った場合は20万円の罰金が科されるようです。
届出書を忘れてしまってもすぐに提出すれば大丈夫なようですが、未提出を続けた場合は罰則があるので注意してください。
その他の罰則についてはこちらに書いてあります。
その他の疑問
対象物が発生する場所と搬入場所が異なり、市町村が変わる場合はどちらに届け出を提出すればいいのか
排出した市町村役場から届けるのが正しいです。
しかし万が一もありうるので、一度排出先の役所に確認を取ってください。
リサイクル法の受領印をもらった書類は保管が必要?
書類は3年間の保管が義務付けられています。
まとめ
建設リサイクル法は、建設資材の適切なリサイクルを行うために必要な法律です。
環境を守るためにも、適切な工事を行うためにも、建設リサイクル法にのっとった再資源化を行いましょう。
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