近年、コンパクトマンションが注目されています。
普通のマンションとの違いや、どういった層におすすめのマンションなのかなど、ここでコンパクトマンションについて知っていきましょう。
コンパクトマンションとは
コンパクトマンションとは、一般的に30〜50㎡程度の広さがあり、間取りが1K〜2LDKの部屋があるマンションを指します。
ワンルームよりも広く、ファミリータイプよりもコンパクトな造りのマンションが「コンパクトマンション」に当てはまります。
広い敷地がなくても建てられるため、都心部や駅前など、利便性の高い場所に建っていることが多いです。
注目される理由は何?
不動産経済研究所が発表した「首都圏の発売戸数とシェア推移」のグラフを見ると、2023年まででどちらの数値も順調に増加していることが分かります。
特に東京都でのコンパクトマンションの販売戸数が高いようです。
画像出典元:不動産経済研究所
これは、同居家族の人数が年々減少していることが一つの大きな理由だと言えます。
下のグラフは、2022年までの世帯人数別世帯数のグラフですが、単身世帯と2人世帯が急激に増加し、他の世帯は全体的に減少していることが分かります。
世帯人数が少ないため、ファミリーマンションほどの広さが必要なく、金額としてもコンパクトマンションが予算に合っているのです。
また、東京23区内で広がっている「ワンルームの規制強化」も、コンパクトマンションが注目される理由の一つとなっています。
ワンルームの規制とは、ワンルームマンションの建設に一定の条件が設けられ、それにのっとって建設しなければいけないというものです。
単身者は地域との交流を持つ人が少なく、地域のルールを守らないなど近隣住民の不満材料になる傾向があるということで、単身者をなるべく減らすために規制されるようになったようです。
規制の強化によって、ワンルームマンションに要求される専有面積が拡大してしまい、土地面積の狭い都心部では、ワンルームマンションを建てることが難しくなっているようです。
これにより、場所を取らないコンパクトサイズで、都心部に建てられるコンパクトマンションが注目されているのです。
このように、少人数の世帯が増えていくことにより、「利便性が高く、単身や2人世帯も住みやすいマンションに住みたい!」という需要から、コンパクトマンションの需要が高くなっているのです。
コンパクトマンションはどんな人に向いている?
上記で少し触れましたが、コンパクトマンションに向いている人の特徴をこの項目でより詳しく知っていきましょう。
単身者
1K~2LDKと部屋の広さが幅広いので、単身者でも自分のほしいスペースに合ったマンションを選べます。
都心部に建っていることが多いので、どこにでもアクセスしやすく、通勤もしやすいのでおすすめです。
オートロックやエレベーターがある物件も多いため、セキュリティ面や住みやすさを気にする女性の一人暮らしにも向いています。
カップル・2人世帯
2Kや2LDKの物件もあるので、お互いのプライベートを確保しつつ、二人で住むのにちょうどいいサイズのマンションを探しているカップルや夫婦にも、コンパクトマンションはおすすめです。
共働きの場合も、アクセスのいい場所のマンションを選べばお互いに通勤のストレスがなくなります。
2LDKあれば、通常は一緒に過ごしながらも、お互いに自分の部屋を持つことができてプライベートも楽しめます。
子供がいない夫婦の場合、二人で住むのにちょうどよくて立地も良い場所にマンションを買えるので、コンパクトマンションのメリットを多く享受できるでしょう。
シニアカップル
子供が巣立って今の家では広すぎる、管理が大変という場合は、今の家を売ってコンパクトマンションに移るのも一つの手です。
家を売った金額で予算を決めれば、二人で住むのにちょうどいいコンパクトマンションを見つけることができるでしょう。
子供が増えることを考える必要がないので、永住の地として選ぶことができます。

コンパクトマンションは、その名の通り大人数の世帯よりも1~2世帯の場合に向いています。
今後人数が増える場合は少し注意が必要です。
コンパクトマンションのメリット
では、コンパクトマンションはどんなメリットがあるのでしょうか。
メリットを知ってコンパクトマンションの魅力をさらに知っていきましょう。
立地がいい
上記でも何度か触れましたが、コンパクトマンションの一番のメリットは立地がいい点です。
面積が狭い分、駅チカや都心部に建てやすいため、通勤や帰宅時のストレスがなくなり、商業施設などで買い物もしやすくなります。
移動にかかる時間を短縮でき、生活がしやすくなるでしょう。
価格が安い
都心部や駅チカの物件なのに、ファミリーマンションと比べると価格が安いです。
専有面積が狭いため、同じ立地でも比較的安く購入できます。
単身者や2人世帯が暮らすにはちょうどいいサイズ感で、予算内で選びやすいというメリットがあります。
暮らしやすくなる
子供が独立した後の家だと、夫婦には広すぎる場合がありますよね。
家が広いと掃除に手間がかかったり、光熱費が無駄に高かったりと、二人で暮らすには不便を感じると思います。
コンパクトマンションに引っ越せば、ちょうどいい広さで掃除もしやすいですし、光熱費を抑えて節約につながります。
利便性もよくなるため、高齢者でも買い物や移動がしやすくなるのも大きなメリットです。
共通設備が充実している
コンパクトマンションは、共用部の設備が充実しているところが多いです。
ホームパーティーができるほどの大きさの貸し切り可能なゲストルーム、フィットネスルーム、テレワークルーム、眺望ラウンジなど、部屋以外でも快適に過ごせる施設が提供されています。
また、オートロックや24時間対応のALSOKなどのセキュリティ面はもちろん、宅配ボックスや専用ゴミ捨て場など、ストレスなく安心して生活できる設備が揃っています。
資産性が高い
コンパクトマンションは、資産性も高いのが魅力です。
都心部や駅チカの物件は、今後も価値が上がっていくと予想されるので、今のうちに資産として持っておけば、将来的に高く売ることができるでしょう。
マンションが適切に管理され、部屋も綺麗に使っていれば、ライフスタイルの変化でそこを離れることになっても、元を取ることができると思います。
売る以外にも、賃貸物件として管理側に回り、家賃収入を得るという方法もあります。
コンパクトマンションを購入する際のデメリットと注意点
コンパクトマンションのメリットはいろいろ分かったかと思いますが、デメリットや注意点ももちろん存在します。
ここでちゃんと確認していきましょう。
ライフスタイルの変化で引っ越す必要がある
シニアカップルや子供が独立した夫婦以外の単身者や2人世帯は、結婚や出産など今後のライフスタイルの変化でコンパクトマンションから引っ越す必要が出てきます。
今後、ライフスタイルの変化がある可能性がある場合は、コンパクトマンションを売る前提で事前に調べてから購入しましょう。
住宅ローン控除の対象外になる可能性
住宅ローン控除を利用するには、登記簿面積が40平米以上ある必要があります。
さらに、40平米以上50平米未満の物件は、合計所得金額が1000万円以下という条件もあります。
これに当てはまらないと住宅ローン控除を受けることができなくなるので、注意が必要です。
登記簿面積は柱の内側を測った面積で、よく目にする専有面積は柱の中心部から測った面積です。
後から購入したマンションが40平米以下だったと発覚するリスクもあるので、しっかりとその違いを理解しておきましょう。
管理人がいないと資産価値が維持できない
コンパクトマンションの中には、管理人がいないマンションもあります。
管理人がいないと、マンションの管理や維持ができないため、資産価値が時間とともに落ちていきます。
今後、コンパクトマンションを売却することを考えている場合は、管理人がいてマンション管理や維持をしっかり行ってくれるマンションを選びましょう。
要チェック!コンパクトマンションの選び方
コンパクトマンションの選び方を確認して、購入後に後悔しないようにしましょう!
立地と利便性を重視する
コンパクトマンションの良さは、「都心部などの利便性がいい場所で1~2人世帯がちょうどいいサイズ感で住める」という点です。
利便性が良くないと、もし将来的に引っ越すことになっても売れない可能性があります。
駅からの距離や治安、スーパーやコンビニの有無、数などを事前に確認し、本当に利便性が高いかを確認してから購入しましょう。
部屋の間取りや住み心地
立地がクリアしたら、次は実際に住む部屋を確認しましょう。
自分が暮らしたい部屋の間取りになっているか、狭く感じる間取りになっていないか、日当たりはいいか、壁は薄くないか、隣人はいい人そうかなど、気になる点はたくさんあると思います。
最近はオンライン内見も増えていますが、実際に自分の目で見ないと分からないことはたくさんあるので、なるべく実際に部屋に来て気になる部分を確認しましょう。
隣人については、物件担当営業の方に伺えば、ある程度教えてくれます。
その際、共用部のサービスも確認しましょう。
管理人の有無
管理人がいないと、マンション周りの清掃や設備管理、共用部の管理が疎かになります。
ストレスなく快適に暮らすためにも、管理人ありの物件を選びましょう。
将来的に売ることも考えていた場合も、管理人がいた方がマンションの価値を維持できるのでおすすめです。
インテリアを工夫して快適に暮らそう♪
今後も1~2人世帯が増えていくと考えられることから、コンパクトマンションの需要はますます増えていくと考えられます。
利便性重視でコスパ良くマンションを購入したい少人数世帯は、ぜひコンパクトマンションを検討してみてください。
ファミリーマンションよりも広さはないですが、インテリアや色味を工夫することで部屋を広く見せることができます。
自分たちで工夫しながら、快適な暮らしを実現しましょう!
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