「建設業で働きたい!資格を取りたい!」と思った場合、まず建設業のどの分野で働きたいかを考えましょう。
ここでは、土木と建築の違いをご説明したいと思います。
土木と建築の違いとは
土木
道路や橋、ダム、高架道路など、人々が生活するのに欠かせない構造物を造ることを言います。
人々の生活の基盤となる構造物を造ります。
建築
屋根があり、人が安全に利用できる場所や空間を造ることをいいます。
一軒家やビル、マンション、学校などの建物が当てはまります。
仕事内容の違い
土木
土木の仕事は、経験年数や免許の有無によって変わってきます。
新人や機械の免許がない場合、荷物の運搬やコンクリートの攪拌などの力仕事を主に行います。
重機が操作できるようになれば、機械土工になって仕事の重要部分に携われるようになります。
道路工事では、傷んだアスファルトを剥がして新しく舗装する作業や、水道管・ガス管の交換・トンネルの掘削などを行います。
人々のライフラインなる部分の工事に携われるのが土木の魅力です。
建築
建築の仕事は多岐にわたり、建築物の設計、施工管理、とび職、大工、インテリアデザイナーなどがあります。
建物自体のデザインを考える仕事、実際に建物を造り組み立てる仕事、完成した建物の内装を考える仕事など、“建築”と一言で言っても幅が広いのが特徴です。
その中でも建築士は、建物のデザイン企画から設計、施工管理まで一貫して携わるオールマイティな仕事になります。
その分、建築士になるのは難易度が高く、2級と1級では携われる建物の規模が違い、1級では制限なく大規模なプロジェクトにも参加することができます。

土木も建築も、営業が存在します。土木の営業は「土木・建設コンサルタント営業」といい、官公庁や民間企業を顧客として社会インフラサービスを計画・調査・設計業務の側面から見て解決策を見つける仕事です。
建築の営業は、公共工事を受注する営業と投資用アパートやマンションを地主に提案する営業の2種類があります。
資格はどう違う?
土木と建築で取った方がいい資格は違います。
早速見ていきましょう。
土木
土木施工技士
国家資格である「施工管理技士」のひとつで、トンネルやダム、橋梁などの土木工事現場で管理・監督を行えます。
資格は1級と2級があり、1級を取得すれば土木工事のあらゆる分野で主任技術者・監理技術者になることができます。
【令和2年度1級合格率】
学科試験:60.1% 実地試験:31%
技術士
科学技術に関する技術的な専門知識と応用力、豊富な実務経験があると認定される資格です。
最も権威のある国家資格で、取得できれば国際的にも通用する人材になれます。
技術士はその中で21の分野に分かれており、建設部門が最も人気があります。
高い知識や技術を持つ人が取得するものなので、難易度はかなり高いです。
【令和元年建設部門合格率】
一次試験:55.7% 二次試験:9.4%
測量士
道路やダム、トンネルなどを造る際、土地の位置・長さ・面積・高低差などのデータを取得するための測定計画を実行する最高責任者になるために必要な資格です。
測量を正確に行わないと建造物の品質に影響がでるため、なくてはならない存在なのです。
測量士は実務経験が1年以上なければいけないので、経験がない場合は測量士補の資格から取得するといいでしょう。
測量士と測量士補の違いは、測量計画を作成できるか否かです。
【合格率】
測量士:17.9% 測量士補:34.8%
コンクリート診断士
公益社団法人日本コンクリート工学会が認定する民間資格ですが、一部の公的機関では工事発注の要件に入ってくるなど、注目度の高い資格となっています。
また、最近はトンネルや道路などの老朽化が問題になっているため、コンクリートの定期メンテナンス、補修、維持管理を行えるコンクリート診断士の需要が高まってきており、今後活躍の場が増えると予想されています。
尚、コンクリート診断士の資格は難関レベルに位置しており、実務を行っていないと突破するのは難しいようです。
【令和3年度の合格率】
全国:16%
舗装施工管理技術者
一般社団法人日本道路建設業協会が認定する民間資格で、施工を始めとする舗装工事の専門知識と高い技術をもつ人に与えられるものです。
道路は老朽化によりひび割れや陥没が起きてしまうため、舗装が必須になります。
また、最近は道路の陥没事故も多いため、舗装施工管理技術者に注目が集まってきているのです。
試験は1級と2級があり、1級は「専任の受任技術者としての経験または私道監督的実務経験」が必須になるため、経験が少ない人は2級の取得を狙うといいでしょう。
【令和3年度合格率】
1級:20.1% 2級:48%
建築
一級建築士
国土交通大臣から認可を受ける国家資格で、多くの人が取得を目指す資格です。
一級建築士の資格をもっていれば、設計できる建物に制限がなくなります。
小規模なものから大規模なものまで何でも携わることができます。
また、構造設計一級建築士や設備設計一級建築士などのさらなる専門性が必要となる資格を取得するには、一級建築士が必須になります。
【令和3年度合格率】
学科:15.2% 設計製図:35.9%
二級建築士
都道府県知事から認可を受ける国家資格で、一級建築士と同じように建物の設計や工事監理を行うことができます。
しかし、一級建築士よりも設計できる建物の規模と構造に制限があります。
- 高さ13m以下軒高9m以下の木造建築物
- 高さ13m以下軒高9m以下で、学校、病院、劇場、映画館、観覧場、公会堂、集会場百貨店以外の用途の、のべ床面積が500平方メートル超-1,000平方メートル以下の木造建築物
- 木造建築物以外:高さ13メートル以下軒高9メートル以下
【令和3年度合格率】
学科:41.9% 製図:48.6%
木造建築士
木造住宅のスペシャリストになれる国家資格です。
- 階数2階建て以下
- 延べ床面積300㎡以下
この条件を満たす木造建築物であれば、一般的な住宅だけでなく店舗、公共施設も設計することができます。
木造建築士は、一級や二級に比べて設計できる建物の規模が限定されますが、木造建築の専門的な知識を使って日本の伝統的な木造建築の設計を行えるのが魅力です。
最近は天然素材を用いた住宅ニーズも増えてきていることから、木造建築士に注目が集まっています。
【令和3年度合格率】
学科:49.9% 製図:67.7%
土木と建築の年収や将来性について
土木・建築それぞれの年収や将来性も気になりますよね。
では見ていきましょう。
土木
土木作業員の平均年収:約381万円
【土木の将来性】
土木工事は人々が生活する上で欠かせないものです。
道路やトンネルなど、しっかり整備されていないとどこにも移動できなくなってしまいます。
また、インフラの老朽化が深刻化しているため、インフラの補修などの需要もあります。
日本は地震も多いため、災害時の復興や保全の仕事もあります。
土木の仕事は将来性がありますが、体力的な問題も出てきます。
現場仕事は肉体労働が多いため、年齢とともに続けるのがきつくなってきます。
年齢に関係なく土木の仕事を続けるには、重機の運転免許をとるなど肉体労働以外で活躍できるようにしていきましょう。
建築
一級建築士の年収は、平均550~650万円です。
二級建築士の年収は、平均500万円です。
【将来性】
建築の調査分野などは、AIに取って代わられる可能性があります。
しかし、計算や図面などをAIに任せることで、建築士はデザインなどクリエイティブな部分に注力できます。
新しい技術をうまく取り入れ、仕事をよりやりやすくするといいでしょう。
それぞれの主な就職先
土木
ゼネコン・ハウスメーカー・工務店・建設コンサルタント・デベロッパー(不動産開発業者)など。
特に設計から施工、維持管理までトータルで行うゼネコンへの就職が多いようです。
建築
ゼネコン・設計事務所・住宅メーカー・顕在メーカー・不動産業界・インテリア業界など。
建築系でも総合建設業であるゼネコンは人気で、どの部署にいっても建築系の知識を生かして働くことができます。
デザインに注力したところで働きたいなら、アトリエ系設計事務所に入るのがおすすめです。
独立するならマッチングサービスを活用しよう!
土木でも建築でも、ある程度の経験を積めば独立することができます。
独立すると、自分のペースで働ける、年収を上げられるなどメリットがあります。
しかし、十分な量の仕事を得られるのか不安な人も多いでしょう。
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