建築現場で安全に作業するために利用される「キャットウォーク」。
どういうものなのかよく知らない人もいるでしょう。
普通の足場との違いやメリットなどを紹介していきます。
キャットウォークとは
キャットウォークとは、建設現場や高所に設置される細長い通路や足場のことです。
キャットウォークは、そのまま「猫が歩く道」という意味であり、猫が高く狭い通り道を軽やかに歩く様子から転じて建設現場でもそのような通路を”キャットウォーク”と呼ぶようになりました。
建設現場の点検や清掃、メンテナンスだけでなく、撮影時や鑑賞通路としても使われており、活用用途の幅が広いのが特徴です。
キャットウォークを整備しておくと、竣工後のメンテナンスで仮設足場を組む必要がなくなるため、作業効率も良くなります。
キャットウォークと足場の違い
キャットウォークと通常の足場は、どんな違いがあるのでしょうか。
活用用途や設置期間、構造など、異なる部分が多く存在するので、下の表で確認してみてください。
キャットウォーク | 足場 | |
設置用途 | 点検・メンテナンス・清掃・鑑賞・撮影 | 建設作業 |
設置期間 | 永久的 | 一時的 |
構造 | 固定式 | 組み立て式 |
素材 | 木材・アルミ・鋼 | 金属・木材 |
メンテナンス | 定期的に必要 | 一時的なため不要 |
このように、キャットウォークは永久的に設置され、通常の足場は一時的に設置されるものなので、用途や構造も異なります。
この違いを把握して、どちらを設置すべきか使用用途や建物によって変えましょう。
キャットウォーク建築の規定
キャットウォークを設置する際、いくつか規定があります。
ここで確認していきましょう。
高さ
キャットウォークの適用範囲には決まりがあり、多くの基準では基礎地盤より2m以上の高さが求められます。
幅
建築基準法施行令では、恒久的な高所通路の幅は60㎝以上が推奨されています。
用途に合わせて60㎝以上にすることもあり、耐荷重や手すりの高さに合わせて変更します。
積載荷重
キャットウォークは、積載許可荷重以下で使用する必要があり、積載許可荷重はキャットウォークの長さや幅によってさまざまです。
基本的には作業員1~3名が乗っても壊れない程度の積載許可荷重で、980N~1960Nが多いです。
手すり
建築基準法施行令では、手すりの高さは1.1m以上が原則とされています。
安全基準
吹き抜け部分にキャットウォークを設置する場合は、建築基準法に加えて防火・避難経路を確保する必要があります。
吹き抜けは熱や煙が滞留しやすいため、火災時の安全性を確保するための対応が必要です。
また、使用する材料は高品質なものを利用し、支柱の強度にも注意する必要があります。
キャットウォーク建築のメリット
軽量で持ち運びやすい
キャットウォークは、本体とハンガーが一体化しており、それら一つ一つの部材はとても軽いです。
加えて、折りたたんだ状態で持ち運びできるので、輸送コストがかかりません。
設置ハードルが低いので、気軽に設置できます。
高所や斜面で利用できる
キャットウォークは、斜材と垂直材、水平材を組み立てて三角形を作る部材です。
組み立て方に応じて勾配を作れるので、斜面でも簡単に足場が作れます。
現場によっては、天井から足場を吊り下げることもあります。
カスタマイズがしやすい
キャットウォークはカスタマイズ性が高く、手すりやガードレールを付けたり、昇降用の梯子を組み込むこともできます。
キャットウォークに手すりを設置すると、作業床として認められるため、フルハーネスなしでも作業できるようになります。
このように、大きなメリットがあるのも、キャットウォークの魅力です。
キャットウォークの価格相場
キャットウォークの価格相場は、素材や購入場所によって異なります。
専門店では9000~14000円程度ですが、通販では1つ数千円で売っている場合もあります。
アルミ製のキャットウォークで13000~14000円が相場のようです。
しかし、長さや付属品によって価格は変動します。
これはあくまで相場なので、参考程度に考えてみてください。
どんな場所で活用されるの?
キャットウォークはさまざまな現場で活用されています。
具体的にどんな場所で活用されているのか見ていきましょう。
ビルの屋上
アンテナや空調機器の点検をするために、ビルの屋上に設置します。
ビルの上には点検が必要な機器が多くあるので、キャットウォークを設置することで安全に点検できます。
舞台の上
照明設備を操作するための足場として、キャットウォークを設置します。
照明スタッフが安全に照明操作に集中できる環境をつくるために、キャットウォークが重宝します。
橋梁やトンネル内
橋梁やトンネルの点検作業やメンテナンスを行う際に、キャットウォークを設置します。
ダムのメンテナンスにも活用されています。
美術館
展示を見るための通路として、美術館内にキャットウォークを作る事例もあります。
キャットウォークを作ることで、上から展示を見るという新しい体験を生み出せます。
美術館では何十人もの人が一度にキャットウォークを渡ることもあり得るので、積載荷重をちゃんと設定する必要があります。
大規模工場
大規模工場の点検でもキャットウォークを設置します。
工場内にもさまざまな点検箇所が存在します。
キャットウォークを設置することで、移動時間が短縮され、作業効率も上がります。
農業
温室やビニールハウスの中でもキャットウォークが活用されています。
ビニールハウス内の高所にある農作物の手入れや収穫を行う際、キャットウォークがあることで細くて狭い場所でも通路を通すことができ、効率よく作業ができます。
キャットウォーク建築の選び方
キャットウォークには種類があるので、どれを選ぶのか見極めなければいけません。
どこを基準に選べばいいのか、この項目で知っていきましょう。
安全を確保できるか
キャットウォークは基本的に高所に設置されるため、安全性が確保されているかを第一に考えましょう。
幅をしっかり確保できるか、滑りにくくないか、手すりは付けられるか、など、見るべき箇所はたくさんあります。
まずは現場の状況を把握し、その現場に合わせて選ぶようにしてください。
サイズや形状は適しているか
キャットウォークは、サイズや形状にも種類があります。
現場の環境によって必要なサイズも変わってくるので、環境に合わせて使い分けましょう。
かなり狭い場所でも、サイズによってはキャットウォークを設置できる可能性があります。
キャットウォークの設置で、作業の安全性や作業効率が担保されるかどうかを見極めてください。
設置に手間がかからないか
すぐに設置できないものは、作業するまでに時間がかかってしまい効率が悪くなるので、選ばないようにしましょう。
穴をあける必要がなく、短時間で一人でも設置できるような簡単なものを選びましょう。
ただし、簡易的なものだと安全性が気になるので、安全性もしっかり確認した上で選んでください。
安全な足場を設置しよう♪
キャットウォークは、永久的に設置する足場で、工事以外にもさまざまな用途があります。
安全かつ効率的に作業できるため、積極的に活用していきましょう♪
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