建築確認申請は、建設物を建てる上で必ず申請しなければいけないものです。
しかし、申請をしたことがない人はどのようなものなのか分かりませんよね。
この記事で建築確認申請の大切さと流れ、その他知っておくべき知識を得て、建築確認申請をスムーズに行えるようにしていきましょう!
建築確認申請とは
建築確認申請とは、建物を新しく建てる時やリノベーション・修繕を行う際に必要となる申請のことです。
建物や地盤が建築基準法に適しているか、省エネ基準法に適しているか、シックハウスへの対策はしているか、採光が十分確保されているかなど、様々な観点から指定確認検査機関による確認を受けることを指します。
なぜ必要なのか
建築確認申請が必要とされる理由は、法律に違反する建物の建設を無くすためです。
施工前に確認の作業を入れないと法律を無視した建設物が増え、無法地帯になってしまいます。
そのような事態を防ぐため、建築確認申請を必ずやらなければいけなくしているのです。
申請の流れ
建築確認申請の流れとしては、以下のようになります。
- 建築確認申請の申し込みをする
- ↓
- 自治体による確認
- ↓
- 建築確認済証を交付
- ↓
- 工事に着工
- ↓
- 工事完了後、完了検査の申請
- ↓
- 完了検査を行う
- ↓
- 審査済証の交付
必要書類一覧
- ・確認申請書
- ・建築計画概要書
- ・委任状
- ・建築工事届
- ・受付表
- ・適合判定通知書の写し(構造・省エネ適合判定が必要な場合)
- ・建築場所に応じ、消防同意用の表紙及び同意用の副本
その他、配置図や断面図、仕上表など様々な書類が必要になります。
詳しくは、下のURLを参考にしてください。
かかる費用
申請に係る費用は自治体によって異なりますが、床面積によって金額が変化するようです。
例として東京都の費用を少し紹介します。
床面積 | 金額 |
30㎡ | 5,600円 |
30㎡~100㎡ | 9,400円 |
100㎡~200㎡ | 14,000円 |
このように、面積が広くなるほど金額も上がっていきます。
詳しくは、工事を行う各都道府県の公式ページをご覧ください。
いつまでに申請すべきか
建築確認申請は、建設に着手する30日前までに行わなければいけません。
加えて、先ほどお伝えしたように審査には最長で70日かかるため、審査期間も考慮して工事を開始したい日に合わせて早めに申請を行う必要があります。
罰則あり!申請をしないとどうなるのか
建築確認申請を行わないまま工事を開始したり家を建ててしまった場合、違法行為となってしまいます。
違反を正すための措置をとることを要求され、それに従わない場合は工事を止めるように言われたり使用禁止命令が出されます。
もしそれにも従わない場合、建築基準法第98条第1項の規定により、3年以下の懲役または3000万円以下の罰金が科せられる恐れがあります。
申請し忘れた!どうすればいい?
建築確認申請をせずに工事を開始してしまった場合、どうすればいいでしょうか。
その場合は、一旦工事を停止した上で速やかに建築確認申請を行ってください。
ただし、建築確認申請により法律に沿った建設物か確認を取らずに建て始めているので、違法建築である可能性は十分にあります。
違法建築である場合、施工停止または猶予期間を設けて除去・移転・改築・使用禁止など、要半是正のために必要な処置を命じられます。
そうなった場合は、おとなしく従いましょう。
そのようなことになると時間のロスになりますし、依頼主にも迷惑をかけてしまいます。
建築確認申請は忘れずに行ってください!
しかし、建築確認申請が不要なケースもあります。
次の項目でご説明します。
建築確認申請が不要になるケースはある?
ほとんどの建設物には建築確認申請が必要ですが、一定の条件を満たす場合は建築確認申請が不要になります。
建築確認申請が不要となるのは、以下の場合です。
建築基準法で定められている建築物に該当しない場合
建築基準法の適用を受けない場合
都市計画区域外の4号建築物、4号建築物のリフォーム
防火地域・準防火地域外の床面積10㎡以下の増築・改築・移転
床面積が200㎡以下で、特殊建築物以外の用途変更仮設建築物の一部
1つずつ見ていきましょう。
建築基準法で定められている建築物に該当しない場合
奥行き1m以内、高さ1.4m以下の小規模な倉庫や物置は、建築物に該当しないため建築確認申請が不要になります。
また、人が内部に入ることができず、外側からのみ作業を行う建物も、建築物に該当しないため建築確認申請が不要です。
建築基準法の適用を受けない場合
- 〇文化財保護法の対象となる建築物
- 〇国宝・重要文化財・重要有形民俗文化財などとして指定された建築物
- 〇重要美術品として認定された建築物
これらは建築基準法の適用を受けないと定められています。
都市計画区域外の4号建築物、4号建築物のリフォーム
4号建築物は、以下の条件を満たしたもののことを言います。
- 〇学校・病院・共同住宅等の建築基準法が定める特殊建築物以外であること
- 〇階数2階以下・延べ面積500㎡以下・最高高さ13m以下・軒下9m以下のすべてに
- 当てはまる木造建築
- 〇階数1階・延べ面積200㎡以下のすべてに当てはまる木造以外の建築物
防火地域・準防火地域外の床面積10㎡以下の増築・改築・移転
ガレージやプレハブ物置、カーポートなどの増築は、この条件を満たすため建築確認申請が不要になります。
床面積が200㎡以下または特殊建築物以外の用途変更
建築物を特殊建築物として用途変更する場合でも、床面積が200㎡以下であれば建築確認申請は不要になります。
仮設建築物の一部
いかに該当する仮設建築物は、建築確認申請が不要になります。
- 〇非常災害区域等において、非常災害により破損した建築物の応急措置
- (ただし防火地域内を除く)
- 〇非常災害時において、以下のいずれかに該当する応急仮設建築物(ただし防火地域内を除く)
- 〇国・地方公共団体・日本赤十字社が災害救助のために建築するもの
- 〇被災者が自ら使用するために建築するもので、延べ面積30㎡以内のもの
- 〇災害時に建築する公益上必要な応急仮設建築物(停車場・官公署など)
- 〇工事を施工するために設ける現場事務所・下小屋・材料置き場などの仮設建築物
建築確認申請の疑問点
申請後でも変更できる?
できます。
ただし、計画変更をする場合は建築確認申請をし直す必要がなります。
審査を受けて建築基準法に適していることが証明されれば、計画変更後の確認済証が交付されます。
それと同時に、計画変更前の確認済証は効力を失います。
尚、消防同意が必要な建物の場合、変更の確認申請後に改めて消防同意を受ける必要があります。
消防同意が必要な建物は以下のものになります。
-
防火・準防火区域である
一戸建て住宅でない
住宅用途以外の床面積が延べ面積の1/2以上または50㎡以上
計画変更の申請の流れは、基本的に最初の建築確認申請と同じです。
必要書類
【軽微な変更の場合】
- 軽微変更報告書
- 委任状
- 計画を変更する部分の変更前・変更後の図面
- 建築計画概要書
- 地区計画・都市計画法などの許可・認定を伴う物件の場合、変更手続きの有無を確認
【計画変更の場合】
- 受付表
- 建築計画概要書
- 計画変更確認申請書
- 委任状
- 計画を変更する部分の変更前・変更後の図面
- 変更に係る図書
- 地区計画・都市計画法などの許可・認定を伴う物件の場合、変更手続きの有無を確認
無資格でも申請できる?
法律的には、延べ床面積が100㎡以下の木造2階建て以内の建築物であれば、無資格者でも申請を行うことができます。
しかし、建築確認申請を行うには敷地全体を建築基準法に適合させる必要があります。
これは素人ではなかなか難しい作業なので、効率と手間を考えると建築士にお願いした方がいいのです。
建築確認申請を理解して、しっかり申請を行おう!
建築確認申請の重要性が理解できたでしょうか。
法律に沿った安全な建物を建設するためには、建築確認申請を行うことが必要不可欠です。
申請は必ず行う必要があるため、施工日と審査期間を考えて、早めの申請を心がけましょう!
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