家を建てる際、外壁材を何にするかは重要な部分ですよね。
今回は、人気の外壁であるALC外壁について紹介していきたいと思います。
ALC外壁とは
ALC外壁とは、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の略で高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートのことです。
コンクリートではありますが、内部に気泡の穴が空いているため非常に軽量になっています。
セメント・珪石・生石灰・発泡剤などが主な原料となっており、アスベスト・トルエン・キシレンなどの人体に影響のある揮発性有機化合物は一切含んでいません。
様々な外壁に使われており、住宅だけでなく高層ビルやショッピングセンター、有名なもので言うと東京スカイツリーにも使われているそうです。
コンクリートとの違い
コンクリートは、セメントに水・砂・砂利を混ぜたものなので、まず材料から異なります。
コンクリートは耐久性に高いというメリットがありますが、密度が高いために重量が大きく、それに耐えられるほどの地盤が必要になります。
一方、ALC外壁はコンクリートと同じくらいの耐久性を持ちながら気泡が入っている分重量がコンクリートの4分1程度に抑えられています。
また、気泡があることでコンクリートより断熱性にも優れています。
このように、ALC外壁の方が機能性が高いのです。
ALC外壁には種類がある!
ALC外壁は、形状・厚さ・表面加工でそれぞれ2つの種類があります。
形状
形状では、一般パネルとコーナーパネルに分けられます。
一般パネルは外壁の側面に使用される平らなパネルのことで、コーナーパネルは建物の角に使用されるパネルのことです。
厚さ
厚さでは、薄型パネルと圧型パネルに分けられます。
薄型パネルは35㎜以上75㎜未満のパネルのことで、厚型パネルは75㎜以上のパネルのことです。
薄型パネルは主に鉄骨造や木造建築物で使われています。
厚型パネルは主に鉄骨造や鉄筋コンクリート造などの耐火建築物で使われています。
表面加工
表面加工では、平パネルと意匠パネルに分けられます。
平パネルは何も模様のないパネルのことで、意匠パネルはラインなどのデザインが入っているパネルのことです。
ALC外壁のメリット・デメリット
次は、ALC外壁のメリット・デメリットを見てALC外壁の特徴を知っていきましょう。
メリット
耐久性が高い
ALC外壁には、特殊な防錆処理を施した鉄筋マットやスチール製の金網が補強材として組み込まれています。
そのため強度が高く、定期的なメンテナンスを行えば50年以上使用することもできます。
断熱性が高い
コンクリートとの違いの部分でも少し触れましたが、ALC外壁は気泡が入っていることで高い断熱性を得ています。
気泡があることで空気の対流が抑えられ、熱を逃がすことなく断熱性を高めているのです。
気泡が外からの熱を通さないことで、夏は涼しく冬は暖かい環境を作ってくれて一年中快適に過ごすことができます。
耐震性に優れている
ALC外壁は軽量なため、地震の影響を受けにくいと言われています。
日本は地震が多いため、耐震性に優れているALC外壁は安心感が大きいですね。
耐火性が高い
原材料が珪石やセメントなどの無機質で構成されているため、燃えにくく火が広がりにくいです。
万が一火事になってしまっても有害物質が発生しないという安全性もあります。
遮音性が高い
ALC外壁では、気泡が音を吸収してくれるので遮音性も高いです。
室内の音が近隣に響くのを気にすることなくストレスフリーで生活することができます。
環境に優しい
ALC外壁には珪石や石灰、セメントなど自然由来の材料が使われているため環境に優しいです。
デザインが豊富
ALC外壁の意匠パネルを選べば様々なデザインを楽しむことができるので、他と違ったデザインの家を造ることができます。
デザインも楽しみたいという方はALC外壁がおすすめです。
デメリット
雨漏りのリスクが高い
モルタルなどの塗るタイプの外壁とは違い、ALC外壁は取付けるタイプの外壁です。
そのため、どうしてもつなぎ目ができてしまいます。
また、パネル一枚あたりの大きさが他よりも小さく設計されているため、つなぎ目が多くなりやすくコーキングからの雨漏りのリスクが高くなっています。
コーキング材は劣化しやすいため、5~10年経ったら打ち換えして補修するようにしてください。
水に弱い
気泡が含まれているため吸水性が高く、水を含んでしまうと膨張やひび割れが発生してしまいます。
ALCを外壁材として使用する場合は、上から防水性の高い仕上げ材でコーティングする必要があります。
価格が高い
ALCはその性能の高さから他より価格が高くなっています。
- 一般的に使われる窯業系サイディング:1㎡あたり3000円~
- ALC:1㎡あたり5500円~

ALC外壁のメンテナンスは劣化症状で判断しよう!
ALC外壁の機能を維持するためには定期的なメンテナンスが必要です。
そこで、メンテナンスが必要になる劣化症状を知っていきましょう。
劣化症状として軽い順に紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
コケやカビ
防水機能の低下により壁面にコケやカビが生え始めます。
日当たりが悪い場所は特に広がりやすいです。
この段階はまだ劣化の初期段階ですが、外壁が水を吸いやすくなっている状態なのでここから更に劣化が進んでいきます。
高圧洗浄で除去しましょう。
色褪せや変色
紫外線によって塗膜が劣化し、色あせや変色を引き起こします。
チョーキングと同時に起こることが多く、見た目も悪いので気になる場合は早めに再塗装を行ってもいいでしょう。
チョーキング
外壁を触ると白い粉がつく状態です。
塗膜が紫外線や雨で分解されて浮いてきているので、放置すると外壁が水分を吸いやすくなり劣化に繋がります。
そろそろ再塗装を考え始める段階です。
塗膜の剥がれ
塗膜の防水機能が低下すると雨風の影響を受けやすくなり、塗膜がはがれ始めます。
これを放置するとひび割れに繋がるので、早めの再塗装が必要です。
コーキング(シーリング)の亀裂
コーキング(シーリング)は、パネル同士のつなぎ目を埋めるものです。
雨水の侵入を防ぐという重要な役割を持っているため、ここに亀裂が入ってしまうと一気に劣化が進行する可能性が高いです。
この症状が見られたら早く補修を依頼しましょう。
パネルのひび割れ(クラック)
外部からの衝撃や塗膜の乾燥によりひび割れが発生します。
放置すると建物内部に雨水が侵入して爆裂が発生することもあるので、すぐにでも補修を依頼しましょう。
爆裂
表面のひび割れから雨水が内部に侵入し、内部の鉄筋が錆びてコンクリートを前に押し出す現象です。
これにより、外壁が崩れてしまいます。
建物の耐久性に大きな影響を与えるので、すぐに補修依頼をしてください。

このように、劣化症状によって補修をするべきかが分かります。
現在ALC外壁を使用している場合もこれから使用する場合も、劣化することを前提に定期的に様子を見るようにしてください。
ALC外壁で実現!おしゃれなデザイン例
ALC外壁はデザインが豊富だと紹介しましたが、実際どんなデザインができるか気になりますよね。
ここでALC外壁のデザイン例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
黒基調のスタイリッシュなデザイン
画像出典元:wellhomes
黒一色で横のラインに目がいくスタイリッシュなデザインになっています。
シックでかっこいいデザインにしたい場合におすすめです。
2色使いで高級感をプラスしたデザイン
画像出典元:wellhomes
黒と白のALC外壁を組み合わせて高級感のあるデザインになっています。
色の違いがあることで飽きないデザインにすることができます。
目地を活かしたおしゃれで落ち着いたデザイン
画像出典元:ハウスネットギャラリー
ALC外壁はつなぎ目が多いため目地が目立つという特徴がありますが、その目地をあえて目立たせることでおしゃれなデザインを演出しているものです。
目地を白でいれて横と縦で強調することで、モダンな雰囲気を出せるデザインです。
シンプルでありながら立体感のあるデザイン
画像出典元:ヘーベルパワーボード
こちらは色味もデザインもシンプルではありますが、細かく凸凹したデザインにすることで立体感を演出できます。
ALC外壁を使っておしゃれなお家を造ろう!
ALC外壁は性能が高く外壁にすると様々なメリットがあります。
その分価格が高い、定期的なメンテナンスが必要、などのデメリットもあるので、どこを重要視するかで外壁を選んでください。
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