最近は、AI技術を活用している業種が増えています。
建設業でも活用が進んでおり、以前より仕事がスムーズになるなどメリットが多いようです。
建設業の課題から、実際のAI活用事例や課題などを見ていきましょう!
建設業の課題
建設業は私たちの生活に欠かせない業種で、需要が高いです。
しかし、需要に反して課題が多いのが現状です。
どんな課題があるのでしょう。
人手・後継者不足
ずっと言われていますが、建設業は人手不足が深刻です。
これは、労働環境が良くないこと、若者の建設業に対するイメージが良くないことから生じています。
下のグラフは2014年から2021年4月までの「職種別労働者数の推移」です。
画像出典元:採用ウィルオブワーク
一見建設業の労働者水準は安定しているように見えますが、数値に注目してほしいです。
製造業や卸売・小売に比べて圧倒的に数が少ないです。
この少ない数値から変化がないことが問題なのです。
また、若者の労働者が定着しないことから、後継者不足の問題も抱えています。
「若い人材がすぐ辞めてしまう・・・」と頭を抱えている建設業の方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事で、人手不足の原因と対策方法を詳しく書いているので、ぜひ参考にしてください!
長時間労働
厚生労働省の2020年度の調査によると、建設業の総労働時間は164.7時間と、全産業の平均労働時間よりも30時間以上多いのが現状です。
また、建設業の5割が4週4休の休日しかとれておらず、週休二日制を取り入れられていない企業も存在します。
肉体労働で休みも少なく拘束時間が長い、これが建設業の現状なのです。
危険な場所の作業
建設業は、高いところや足場の悪い場所での作業など、危険を伴う場所での作業が多いです。
そのため、けがをしてしまうリスクも大きいです。
どの企業にも安全性には十分に注意しているとは思いますが、危険な場所でも人が行う必要がある以上、万が一の事態を避けることはできません。
手作業による効率の低下
建設業は危険を伴う作業があるため、安全性を第一に考えて作業を行います。
そのため、作業のペースがどうしても遅くなってしまうのです。
人が行うのに向いていない場所は機械で行うのが効率的にも一番でしょう。
まずはAIをおさらいしよう
AIとはArtifical Intelligenceの略で、「人工知能」という意味で、人間に備わっている知性や知覚を人工的に再現したもののことを言います。
そのため、AIは経験から学びを得て、人間のように知能を成長させていきます。
しかし、何でもこなせる完璧なAIというのは存在せず、一つの領域に特化して能力を発揮させる利用の仕方が多いです。
建設業の特定の作業に特化したAIを利用すれば、その作業はAIに任せることができるのはすごいことですよね♪
AIで効率アップ♪AI活用のメリット・デメリット
AIとはどういうものか軽く理解したところで、AIを活用するとどういったメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。
【メリット】
人手不足を補える
AI技術を使えば、AIが技術者の代わりに作業を行ってくれるため、人手不足を補うことができるのです。
また、機械の操縦をAIが行ってくれる技術もあるので、機械の操縦はAIに任せて他の作業を行うことができるなど、作業効率化にも繋がります。
危険な場所は任せて効率アップ
危険な場所での作業こそ、AIに任せましょう。
人が危険な場所で作業を行う必要がなくなるため、事故の発生率も大きく減少します。
作業時間の短縮
AIは膨大なデータを一瞬で分析することができるため、手作業でデータ分析を行うより圧倒的に時間を短縮することができます。
単純作業やミスできない作業も、AIの得意分野です。
人間ではかなりの時間がかかってしまう部分をAIに任せれば、他の時間を割くべき作業にもっと集中することができます。
安全性の向上
AIは、シミュレーションにより事前に事故のリスクがある作業や場所を教えてくれます。
そのため、その結果を経て
- 危険な作業はAIに任せる
- 従業員に注意喚起する
- 事前に事故防止方法を考える
などの対策を行うことができ、事故発生率をもっと下げることができます。
【デメリット】
一時的にコストが増える
AIの力を発揮させるには、業務フローの改善やシステムの基盤から変えなければいけなくなる場合があります。
その場合、AIを最大限に利用するためとはいえ大きなコストと期間が必要になります。
AIを導入しようと思っている場合は、ある程度の資金を集めておき、時間がかかることも承知しておきましょう。
情報漏洩リスク
AIは、顧客情報や過去の工事など様々なデータを組み合わせて分析し、最適な答えを導き出します。
そのため、第三者への情報漏洩のリスクがあります。
しかし、情報漏洩のリスクはAIに限らずパソコンやクラウドサービスの利用でもあることなので、AIを導入していなくてもセキュリティソフトによる情報の保護はいつでもしっかり行いましょう。
少ないデータでは分析できない
AIは、大量のデータから予測をし、適切な方法を見つけ出します。
そのため、データが少ないと正確な分析ができません。
データを大量に集めるのにも時間がかかるので、やはり短時間ではAIを使いこなせないのです。
AIに取って代わられる職種がでる
AIは何でもできるわけではないと言いましたが、学習させれば人間の知能をはるかに超える能力を発揮します。
そのため、このままAIが発達していくとなくなる職種も増えてしまうでしょう。
建設業ではどんな職種がなくなる可能性があるのか、「AIの進歩で建設業はどう変わる?なくなる業種は?」で説明しているので、見てみてください。
実際のAI活用事例
建設業では、すでにAIを活用している企業がいます。
AIはどんなところで使われているのでしょうか。
事例を参考に、自社ではどの部分で使えるか考えてみてください。
路面の傷みを検知(福田道路/NEC)
福田道路株式会社はNECと提携し、NECのAI技術群「NEC the WISE」の一つであるディープランニング(深層学習)技術を搭載した「NEC Advanced Analytics-RAPID機械学習」を活用しています。
一般のビデオカメラを取り付けた自動車から撮影した路面の映像を分析することで、路面のわだち掘れとひび割れを同時に検出し、路面の劣化レベルを判定してくれます。
また、路面の撮影と同時に行うGPSによる位置情報活用により、地図データ上で路面状況の確認ができます。
このシステムにより、従来の目視点検や専用機器での検知よりも、効率的かつ低コストで道路の点検を行えるようになりました。
建設機械の自動走行(大成建設)
大成建設では、建設機械の自動走行をサポートする制御システムの開発を行っています。
これまでは、自律方式や遠隔操作で作業を行う建設機械の開発に取り組んでおり、GPSや位置情報の取得が可能な範囲に限られていました。
しかし去年、大成建設はGPSや位置情報の届かないトンネル内での建設機械の無人走行を国内で初めて実現しました。
大成建設のAIを活用した開発は、これからも進化していくことでしょう。
建設工程管理(大林組)
株式会社大林組は、工程管理(品質・安全管理等)をAIによって合理化する技術の開発を進めています。
建物の工事写真に写った建材の種類や量をAIで推定し、その結果を基に工事の進捗を自動的に認識させます。
また、工事現場で撮影している写真を解析し、資材の完成度合いなどを見て進捗状況を明確化するのです。
AIを搭載した空間制御システム(竹中工務店/HEROZ)
竹中工務店とHEROZは、HEROZが提供する「HEROZ kishin」というゲームAIの開発で培った知見を活かして作られたAIシステムを用いた空間制御システム「Archphilia™Engine」を共同開発し、2019年度に実証実験を行いました。
Archphilia™Engineは、センサーから取得したビックデータとAIにより、運転条件を自動的に最適化し、省エネや省人化を叶えます。
また、入居者の好みや快適性といったフィードバックデータを継続的に学習し続けることで、入居者にカスタマイズされた室内環境を自動的に提供できます。
まだ正式な発表はありませんが、今後の実験次第で実際の現場での使用も可能になるでしょう。
AIの進歩で建設業はどう変わる?なくなる仕事は?
AIの活用が当たり前になると、なくなる職種がでてきます。
建設業では、どんな仕事がなくなるリスクがあるのか見ていきましょう。
2015年に野村研究所が発表した、「人工知能やロボット等に代替される可能性が高い100の職業」を参考にすると、建設業で仕事がなくなる可能性があるのは
- 機械木工職(機械を利用して木造製品を作る仕事)
- CADオペレーター
- 建設作業員
- 測量士
これらの職業です。
たしかに、AIが導入されれば自動化によりこれらの仕事は取って代わられてしまいそうです。
しかし、AIに奪われる職業は、建設業の中でこれだけしかないというのは朗報です。
建設業の仕事は、人がいて初めて成り立つものが多いようです。
人手不足が問題になっているのでとても良いこととは言い難いですが、将来建設業の仕事がAIに奪われる心配はほぼないということです。
AIをうまく利用することで安全に効率化を図れるので、人が行わなくてもいい作業はAIにお願いするのがいいですね。
AI以外で人手の問題を解決する方法は!?
AIの可能性は無限大ですが、導入するにはそれなりのコストと手間がかかります。
建設業にAIやIT化は必要ですが、そんなすぐには導入できない企業もありますよね。
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