工事現場では、作業日報を書くのが当たり前ですよね。
しかし、なぜ書かなければいけないのか、どんなメリットがあるのかなどを正確に把握している人は少ないと思います。
ここで作業日報の役割を知って、その必要性を再確認していきましょう。
また、作業日報の作り方の見直しにも繋がると思うので、ぜひ確認していってください。
作業日報とは?
作業日報とは、その日に行った業務内容やその反省点などを上長や請負会社に報告するために作成される書類です。
作業日報を作成することで、労働環境の把握や情報共有をすることができます。
作業日報が持つ役割は他にもあるので、どんなものがあるのか見ていきましょう。
作業日報の役割
上長への情報共有
作業日報を書くことで、その日の業務や進捗状況などを上長や会社に共有することができます。
指示を出す側が作業内容や状況の可視化ができるので、安全に作業を行っているかなどの把握ができます。
業務の振り返りと改善
作業日報では、その日も目標と反省点、改善策、次の目標などを記載します。
そのため、目標に沿った業務ができたかを毎日振り返って考える機会ができ、前日よりもいい仕事が行えるように意識できます。
そうすることで仕事の質が上がっていき、作業員のスキルアップにも繋がるのです。
労務費の管理
作業日報の作成は、人件費の一つである労務費の管理にも繋がります。
その日の業務内容や作業時間・残業時間・稼働人数などを書くので、その報告を見て人員の調整をすることができます。
労務費を調整してコスト削減や労働環境の改善に繋げることができます。
労働環境の把握
作業日報で労働状況や問題点、その日発生したトラブルなどを書いてもらうことで、労働環境の把握ができます。
作業日報の作成は、労働環境を改善するヒントを得るために役立ちます。
作業日報を作成するメリット
では次に、作業日報を作成するメリットを見ていきましょう。
生産性の向上に繋がる
作業日報を作成する過程で進捗状況や問題点の可視化を行うため、作業工程での課題を見つけ出すことができます。
そうすることで人員の調整や作業内容の改善など問題を改善する行動がとれるため、生産性の向上に繋がります。
労働環境の改善
その日の業務内容や残業時間などを上長に報告し情報共有できるため、それを見て労働環境の改善ができます。
例えば、作業人数に対し残業時間が多すぎると感じたら人員を増やして労働時間を改善したり、作業人数は十分なものの工期が遅れていたら工期自体を見直したりできます。
トラブルの防止に繋がる
労働環境は会社にとっても従業員にとっても重要な部分なので、作業日報を作成して共有することが必要なのです。
コスト削減
上記でも説明したように、労務費調整のヒントを作業日報からもらうことができます。
それだけではなく、作業に時間がかかりすぎていたら指示を出して作業に余計工数がかからないように改善し、業務内で起こったミスを振り返ってどんどんなくしていけば、資材コストや工数削減に繋がります。
情報の活用
作業日報を毎日記録しておけば、同じような工事があった際に昔の日報を見返して事前にトラブルや事故を防ぐことができます。
現在の情報共有だけでなく、過去の情報を現在に活用して工事現場の生産性を上げることもできるのです。

このように、作業日報には様々なメリットがあります。このことを意識して詳細に記入することで、会社全体にいい影響を与えることができます。
作業日報に関する疑問
作業日報の作成は義務?
作業日報の作成は法律上義務化されてはいません。
しかし、現場や会社、従業員にとってメリットが大きいため社内で義務化するべきです。
現状、作業日報を作成していない建設業はほとんどないと思われますが、あまり力を入れていない場合はもう少し細かく記載するように改善していきましょう。
書き方については次の項目で解説するので、ぜひ参考にしてください。
どこに提出すればいい?
上司や仕事を受けている会社に提出するのが一般的です。
自分が二次請負の場合、一次請負の会社に提出してください。
一次請負の場合は、元請け会社に提出してください。
作成するタイミングはいつ?
その日の作業終了後に作成します。
なお、作業日時やその日の目標・作業予定の項目などは事前に書いておくことで、作業後の反省や課題発見がしやすくなります。
要確認!作業日報の書き方について
作業日報の書き方の流れを今一度確認していきましょう。
省略している部分があれば、今後のためにも項目を追加してください。
作成方法を選ぶ
まずは作成方法についてです。
一般的には手書き・エクセル・アプリのどれかになります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
手書き
手書きでの作業日報作成は、特になんの準備もなく作成できるところがメリットです。
機械が苦手な人は、手書きの方が安心なのではないでしょうか。
しかし、汚れたり破けたりしやすいため管理が大変です。
過去の日報を見返したい時も探すのに時間がかかります。
人数が少ない場合は手書きでも十分かもしれませんが、中大規模の会社ではかなり作成しづらいでしょう。
エクセル
エクセルで作業日報を作成している会社も多いのではないでしょうか。
エクセルは基本機能としてパソコンに入っているため、導入の手間がかかりません。
フォーマットを自由に変えられるので、表や図グラフを入れたい時にも便利です。
集計も自動でやってくれるので計算の手間やミスがありません。
しかし、データを横断した検索ができないため、過去の日報の検索や管理に手間がかかります。
また、外出先での確認がしにくいのもデメリットです。
スマートフォンに最適化されていないため、入力・編集も外出先だと困難になります。
作業日報を作成するために一度事務所に帰らなければいけないのは時間の無駄と言えるでしょう。
アプリ
今は、作業日報作成アプリがいろいろ出ています。
クラウド上で作業日報の作成・共有ができるので便利です。
アプリなのでスマートフォンに最適化されており、外出先でも手軽に情報の確認や記入ができます。
現場に出ることが多い建設業の方にとって大きなメリットですよね。
また、メッセージ機能がついたものがほとんどなので、社内のコミュニケーション活性化にも繋がります。
ただし、導入の手間とコストがかかること、アプリ操作を覚える必要があるのが注意点です。
それを除けばかなり使い勝手がよく作業効率を上げられるのでおすすめです。
作業日報に書く内容を確認
作業日報に書く内容は主に以下のものになります。
- 工事名
- 現場名
- 日時
- 記入社名
- 天気
- 作業内容
- 作業時間
- 今日の目標
- 結果
- 良かった点
- 課題と改善案
- 明日の目標
今の作業日報と照らし合わせて、記載のない項目がないか確認してください。
今日の目標を書く
作業を始める前に、今日の目標を書きましょう。
どこまで作業を進めるか、何時までに終わらせるかなど、その日の業務に合わせて目標を決めます。
業務内容と成果を書く
作業終了後、その日の業務内容と成果を書きます。
業務内容を書きながら目標を達成できたか確認し、今日の成果を書きます。
あまりうまく進まなかった場合はそのように書きましょう。
振り返りと反省点を書く
その日の作業でよかった点と悪かった点を見つけて記入します。
良かった点は今後にも生かすように心がけ、悪かった点は今後発生しないように改善方法を考えます。
そうすることで、今後の作業をよりスムーズに的確に進めることができます。
明日の目標を書く
次の日の目標を記入します。
その日の反省点を活かし、次の日の作業内容に合わせて目標を設定します。
上長にコメントをもらう
作業日報が書けたら、上長に提出してコメントをもらいます。
その日の作業に対してコメントをもらったり、課題に対するアドバイスをもらったりすることで作業効率をさらに上げていくことができます。
また、コミュニケーションの活性化にも繋がるのもメリットです。

テンプレートを使うとスムーズに作成できるので、ぜひ活用しましょう。
「作業日報 テンプレート」で検索するといろいろなテンプレートが出てくるので、参考にしてください。
まとめ
何気なく書いていた作業日報の役割やメリットが分かったと思います。
この情報を活かして、今後は今までより詳細に書くようにしてみてください。
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