今回は、建設コンサルタントという仕事を紹介したいと思います。
なじみがない方も多いと思いますので、この記事で建設コンサルタントという職業を知っていってください。
建設コンサルタントとは
建設コンサルタントは、建物の計画・調査・設計・管理などの建物を建てる準備段階で活躍する仕事です。
発注者である国や地方自治体と契約し、インフラを設置する場所の調査や建設計画の策定、建物の企画や設計を行います。
仕事内容
仕事内容は、道路などのインフラや国・地方自治体が建設する建物に対する調査や設計、企画です。
例えば、ある場所の渋滞を解消したいというのが地方自治体の課題としてあるとします。
渋滞の解消を依頼された建設コンサルタントは、まず渋滞の原因を調査します。
その調査結果から、渋滞を解消する方法を考えます。
それぞれの解消方法について、インフラとして将来性があるかをコスト面や住民・周辺環境への影響・工事期間などをさまざまな面から調査を行います。
調査結果から、一番コストパフォーマンスが良く将来性が高い方法を導き出して発注者に提案します。
設計なども行った後、必要があれば工事が計画通りに進んでいるか監理を行うこともあるようです。
このように、国や地方自治体が抱えている課題を解決するための調査や提案を行うという重要な役割を担っているのです。
建設コンサルタントがいないと十分な調査がないまま工事に着工することになり、リスクの高い公共工事を行うことになってしまいます。
建設コンサルタントという職業の魅力
建設コンサルタントは公共工事を行う上で欠かせない存在ですが、どのような魅力があるのか見ていきましょう。
大規模工事に携われる
建設コンサルタントが携わる工事は、国や地方自治体によって計画される工事です。
道路・電気工事・空港・鉄道・地質など大規模工事がほとんどなので、大規模工事の計画・設計を行うことができます。
工事の監理も任されたら、できあがった時の感動もひとしおでしょう。
社会貢献性が高い
国や地方自治体が計画する工事は公共工事なので、周辺住人や周辺の街に影響を及ぼします。
そのような工事の調査や設計に携われるため、社会貢献性がかなり高い仕事になります。
自分の提案によってその街が活性化していくのを見られるのは建設コンサルタントの魅力の一つです。
手に職を付けられる
建設コンサルタントは、経験を積んでいくことで転職も有利になりますし、スキルがあればどこでも活躍できます。
ある程度のスキルと証明できる資格があれば、年収も上がりやすいです。
人や街の未来づくりに貢献できる
建設コンサルタントは、その街やインフラの課題を解決するお手伝いをする仕事です。
そのため、課題解決を行うことでその街がより住みやすくなったり、住人が移動しやすいインフラを提供したりすることができます。
このように、未来づくりに貢献できるという素晴らしい魅力があるのです。
きついと言われる理由
一方、建設コンサルタントはきついと言われることも多いようです。
きついと言われる理由は何なのか知っていきましょう。
常に勉強が必要
建設コンサルタントになるための必須資格はありませんが、他者との差別化を図るためにさまざまな技術や知識を身に付けておく方がいいです。
設計についてだけでなく調査方法も幅広く知識を持っておくことで、需要の高いコンサルタントになることができます。
たくさんいる建設コンサルタントの中から選んでもらうために、常に勉強して新しい知識と技術を身に付ける必要があるのです。
責任が大きい
建設コンサルタントが計画・提案するのは国や地方自治体による大規模工事です。
もし設計に不備があったり調査が不十分だったりすると、その影響が広範囲に及びます。
工事は税金で行われているため、「国民のお金を使っている」というプレッシャーがかなり大きいです。
大規模工事のため失敗に対するリスクが大きく、責任がかなり重いです。
一人前になるまで10年かかる
建設コンサルタントは、一人前になるまで10年かかると言われています。
というのも、建設コンサルタントの業務は調査や提案書の作成、予算計画、工事の監理などやることが幅広く、これらを一人で回せるようになるまでにかなりの時間がかかるからです。
実務経験を積みながら資格取得も目指すので、見習い期間はかなりきついでしょう。

このように、建設コンサルタントは技術を身に付ければ安定して稼げるものの、責任が大きくきつい部分もあることが分かります。
これらのきつい部分も理解した上で、建設コンサルタントを目指していってください。
資格はいる?
建設コンサルタントのなるための必須資格はありません。
しかし、持っていると優遇される資格はあります。
他者と差別化を図るためにも資格は持っていた方がいいので、ここではおすすめの資格を紹介したいと思います。
技術士
国家資格の一つで、科学技術に関する技術的な専門知識と専門的応用能力および豊富な実務経験を持っていることを証明する資格です。
これを持っていることで、高度な専門知識を使って研究開発・問題解決のためのコンサルティングを行う能力があると判断されるため、建設コンサルタントとしてのスキルを証明する際に役立つ資格なのです。
一次試験は受験資格がありませんが、二次試験の受験資格で実務経験が4~7年必要になるので要注意です。
合格率は、一次試験が30~50%、二次試験が10%前後となります。
二次試験が難関なので、それを乗り越えて無事技術士になれれば、かなりの差別化ができます。
RCCM
民間資格の一つで、シビルコンサルティングマネージャーの略です。
土木工事に関する専門知識やスキルを持っていることを証明する資格です。
建設コンサルタントにおける管理者や技術者が不足している現状から創設された資格で、建設コンサルタントの技術力向上を目的としています。
資格を取ることで、建設コンサルタントにおける照査技術者や監理技術者となって働くことができます。
RCCMは22種類の専門技術部門に分かれており、その中から項目を一つ選んで受験します。
受験資格に7年の実務経験が必要になるので要注意です。
合格率は40%前後なので、そこまで難易度は高くないようです。
土木施工管理技士
国家資格の一つで、土木工事の施工管理を行うための資格です。
施工計画の作成はもちろん、品質・工程・予算・安全管理など土木工事の施工に関するさまざまな管理を担います。
計画の作成や管理を行える点で、建設コンサルタントの仕事に役立ちます。
2級の場合、受験資格は特にないので誰でも受けることができます。
1級の場合、2級合格者または実務経験が必要になるので、確認が必要です。
一級土木施工管理技士の一次試験の合格率は50~60%で、二次試験の合格率は30~40%です。
合格率としてはそこまで難易度が高くないので、ぜひ資格取得を目指してみてください。
年収について
求人ボックスの調査によると、建設コンサルタントの平均年収は498万円のようです。
2021年における日本の平均年収は443万円なので、日本の平均年収よりも高いことが分かります。
資格取得や経験年数を増やすことにより、もっと高い年収を得られる可能性があります。
将来性はあるの?
結論から言うと、建設コンサルタントの将来性は高いと言えます。
というのも、建設コンサルタントは国や地方自治体による大規模工事を担っているため、そこのニーズがなくなることはありません。
新規のインフラ設備の需要は減少傾向にあるものの、インフラの老朽化が社会問題となっているため改修工事の需要が高いです。
今あるインフラのメンテナンスをするための調査や計画で活躍できるので、今後も需要がなくなる心配はありません。
また、高齢化が進んでいる日本では、バリアフリーの需要も高いため、建物や設備にバリアフリーを取り入れる取り組みも進んでいます。
それらを取り入れるためにも調査を行う必要があるため、建設コンサルタントが活躍することでしょう。
このように、建設コンサルタントの将来性はまだまだあることが分かります。
どんな人が向いているのか
建設コンサルタントにはどのような特徴を持つ人が向いているのでしょうか。
見ていきましょう。
責任感の強い人
上記でも話したように、建設コンサルタントが取り扱うのはインフラなどの大規模工事です。
税金を使って行われる大きな工事の準備段階を担当するため、責任感を持って取り組めないとミスが発生してしまいます。
自分の調査や計画に責任感を持って取り組める人じゃないと、安心して調査や計画を任せることができないのです。
上昇志向が強い人
建設コンサルタントは、資格の勉強など常に勉強をしていかなければいけません。
そのため、働きながらも勉強し続けられる上昇志向が強い人が向いているのです。
独立して会社を設立したいなどの夢を持って行動していける人も向いています。
人前で話すのが得意な人
建設コンサルタントは、人前で計画を説明したりプレゼンしたりする機会が多いです。
そのため、人前で話すのが得意な人が向いています。
また、計画内容をクライアントに細かく説明する機会も多いので、コミュニケーション能力はある程度ないと提案を受けてもらえない可能性もあります。
社会貢献したい人
建設コンサルタントは、街にインフラを増やす工事や人が住みやすくなるような工事の準備を行います。
社会貢献性が高いため、「自分の力で社会をより良くしたい」という気持ちが強い人は向いています。
コツコツ頑張れる人
携わる工事は大規模工事がほとんどなので、工事期間もかなり長いです。
長期間の工事を計画し管理するためには、継続してコツコツ頑張れる人が向いています。
また、長期工事を見越して計画を立てる必要もあるので、先のことを見据えて動ける必要があります。
まとめ
今回は、通常なかなか知る機会のない建設コンサルタントを紹介しました。
手に職をつければ安定した年収を得ながらどこでも働くことができるのでおすすめです。
資格をとればさらにできることが広がるので、ぜひ目指してみてください♪
KIZUNAメディアでは、他にもさまざまな建設業の職種を紹介しているので、ぜひ他も参考にしてみてください。
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