建設業は人手不足でありながら重労働で拘束時間も長い職業です。
昔よりは改善されてきていますが、従業員がストレスをため込みやすい環境なのです。
現場監督(施工監理)はその中でも責任が大きく、現場管理だけでなく人間関係でも悩みが多く精神を病みやすいようです。
なぜうつ病になりやすいのか、なってしまったらどうしたかいいのかなど、建設業でのうつ病に関して話していこうと思います。
現場監督(施工管理)はうつ病になりやすい!?
現場監督(施工管理)がうつ病になりやすい原因はいくつかあります。
- 孤独になりやすい
- 精神的につかれる仕事が多い
- 休みが少ない
- 人間関係の悩み
- 人手不足
孤独になりやすい
現場監督は会社員として雇われていますが、仕事形態としてはフリーランスに近く、チームで何かを成し遂げるというよりも一人で現場の職人をまとめるのが仕事です。
会社や発注元は要望を伝えてくるだけなので現場監督は一人でスケジュールなどを決めて人を動かす必要があるので、孤独になりやすく悩みを話せる相手もいない状態で働かなければいけないのです。
精神的につかれる仕事が多い
納期・予算・品質など様々な管理をするのが現場監督の仕事ですが、スケジュールを組んでも天候やトラブルなどで予定がズレてしまったらその調整を行ったり、残業や休日を犠牲にして納期に間に合うよう動く必要があります。
また、不備はないか、資材は足りるか、従業員に負担がないか、近隣住民からのクレームはないかなど、様々な方面に気を使わなければいけないため、精神が削られます。
休みが少ない
施工管理の仕事は、工期が遅れていたりトラブルが発生したりすると休みを返上して働かなければいけません。
現場の責任者なので、何か起こった際は必ず行かなければいけないのです。
そのため、残業が100時間を超えるという現場監督も少なくないようです。
十分な休みも取れず働きづめになるので、息抜きの時間がなくなり肉体的にも精神的にもストレスをためてしまうのです。
人間関係の悩み
現場監督はいわば中間管理職です。
クライアントや企業の要望を聞いてそれを職人に伝え、お互いに意見の食い違いが起きてしまった場合両者が納得する方法を考える必要があります。
職人に厳しいことを言わなければいけない事もあり、職人と衝突することもあるでしょう。
このように、クライアント・職人・企業との間で板挟みにあい、精神を病んでしまう人が多いのです。
人手不足
建設業界は全体的に人手不足が他業界より顕著ですが、現場監督(施工管理)も例に漏れず人手が足りていません。
現場の監督・職人の管理などやることが多いのに人手が足りなくて一人で仕事を背負い過ぎてしまいます。
これにより、仕事や責任を抱え込んで心が壊れてしまうのです。
仕事に対する限界サインは?
体と心に限界を感じている場合、普段の生活に変化が訪れます。
どんな変化があったら限界を感じているサインとなるのか見ていきましょう。
体調が常に悪い
仕事に行こうとすると腹痛、吐き気、蕁麻疹などの症状が出る場合、仕事に対する拒否反応が直接体調不良に繋がっている証拠です。
体だけでなく心も疲弊しているサインなので、無理をせず休んで病院にいきましょう。
睡眠の質が低下した
ストレスは睡眠にも悪影響を及ぼします。
寝つきが悪い、途中でよく目が覚める、悪夢をよく見る、常に眠いなどの症状が出たら限界を迎えているサインです。
情緒不安定になる
小さなことでイライラしたり、急に泣きたくなったり、自分で感情が抑えられなくなったら限界のサインです。
女性の場合はPMSの場合もありますが、生理が終わった後も情緒不安定が続くようなら限界がきていると認識してください。
食欲が変化する
明らかに食欲が落ちたり逆に増加したりする場合も、ストレスがピークにきている証拠です。
また、食事を楽しめなくなった時も限界のサインなので、なるべく早めに対処してください。
限界を感じた時にどうすればいいか
もし限界を感じたらどのような行動をとればいいのか、ここで知っていきましょう。
休暇をとる
限界を感じたら、無理をしないでゆっくり体と心を休めましょう。
有休をとって好きなことに没頭する休日るのもいいですし、もし数日では回復しなさそうなら休職して体調が回復するまで仕事を控えるのもおすすめです。
とくかく一度仕事から離れてください。
仕事量を減らしてもらう
理解ある上司がいる場合、体調のことを伝えて仕事量を調整してもらいましょう。
現場監督は現場をまとめる重要度の高い職種ですが、今はマッチングサービスなどで気軽に仕事仲間を募集できます。
「自分が抜けると工事がストップしてしまう」と考えすぎる必要はないので安心してください。
弊社でも「KIZUNA」という建設業向けマッチングサービスを提供しております。
カウンセラーに相談する
辛いことを周りに話せない場合は、仕事関係の人ではない心理カウンセラーの方に悩みを打ち明けるのがおすすめです。
心理カウンセラーは、人間の心理について勉強し資格を取得した方がなっているので、安心して心の内を伝えることができます。
人に話すことで気持ちが楽になると思うので、限界を感じたら一度受診してみてください。

仕事や職場の環境に限界を感じたら、我慢しないで助けを求めたり逃げて下さい。
仕事の心配は端において、自分の体と心の心配を第一にしましょう!
「うつ病かな?」と思ったら
-
・仕事のことを考えると気分が悪くなる
・仕事に行こうとすると拒否反応が出る
・疲れやすい
・何にも楽しさを感じない
・眠れない・以前より仕事でのミスが増えた
などなど、これらに当てはまる症状はありますか?
このような症状がでたらうつ病になっている可能性が高いです。
うつ病かもと思ったら、まずはネットで「うつ病 診断」と検索してみてください。
多くの病院が診断テストを用意しているので、「すぐに病院に行くのは不安」という方は一度診断テストを行ってみてくださいね!
家族に相談する
診断を行ってうつ病の可能性があるようなら、まずは家族に相談してみましょう。
相談するだけでも気持ちが楽になるでしょう。
家族は一番身近な他人なので、客観的にあなたの様子を見て病院に行くことを勧めてくれるかもしれません。
家族に付き添ってもらえば一人で行くよりも受診しやすくなると思います。
しかし、家族がうつ病に理解がない場合はへたに相談しない方がいいでしょう。
悩んでいるあなたをさらに追い詰める原因になる可能性もあります。
心療内科、精神科を受診する
うつ病は心療内科や精神科でしっかり診てもらわないと判断できません。
うつ病にもいくつか種類があり、治療の仕方も異なります。
お医者さんに診てもらって自分の症状を知ることが、うつ病を治す一番の近道なのです。
病名が出ることで「自分は病気のせいでおかしくなっているんだ」と納得できるので、自分を責めることもなくなり少しは楽になれるでしょう。
上司に相談する
病気の診断が出たら、上司に相談をしましょう。
病状によってはお医者さんから休職を言いつけられる場合もあります。
診断書を見せて症状をよく説明し、理解をしてもらいましょう。
もし上司や企業がうつ病に理解がなかった場合は、直接お医者さんの説明を聞いてもらうよう頼む必要があるかしれません。
自宅療養中の過ごし方
うつ病と診断され自宅療養をすることになった場合、家でどんな生活をすればいいのか分からない人も多いでしょう。
しかし、焦ることも不安になることもないのです。
自宅療養中の過ごし方の例を少し紹介します。
医師のアドバイスを聞く
過ごし方が分からない場合、まずは専門のお医者さんに相談しましょう。
あなたの症状やうつ病の種類に合わせて過ごし方のアドバイスをくれるでしょう。
分からないことは専門医に相談することで、適切な助言をもらうことができます。
とにかく体と心を休める
「うつ病を治すために休んでいるのだから、何かしなければ」と無理に何かをしようとしなくてもいいのです。
風邪をひいた時はずっと寝ているように、とにかく体と心を休めることに専念しましょう。
何もやる気が起きないのなら、ずっと寝ているだけでもいいのです。
そして、自分からやりたいことができたり、人と連絡を取りたくなったら素直に行動してください。
自分からしたいことが出てきたら、うつ病が改善に向かっているという兆候です。
リラックスできることをする
音楽を聴いたりコーヒーを飲んでゆっくりしたり、とにかく自分がリラックスできることを行いましょう。
リラックスは心の健康にとてもいいです。
とにかく毎日ゆったりと心を落ち着けられる生活を送りましょう。
生活リズムを整える
不規則な生活はうつ病を悪化させてしまう可能性があります。
起きる時間と寝る時間を決めて、規則正しい生活を送りましょう。
朝に太陽を浴びることでセロトニンという幸せホルモンが分泌され、精神を安定させ頭を覚醒してくれます。
日光浴はうつ病の症状を良くしてくれることでしょう。
バランスのいい食事をとる
うつ病中は食事が偏りがちです。
しかし、偏った食事は必要な栄養素が不足してしまうのでうつ病を悪化させてしまいます。
タンパク質・炭水化物・脂質・糖質がバランスよくとれる食事を毎日摂取するようにしましょう。
しかし、うつ病が重い時は食欲が出ず、ひどいと味覚も鈍くなり食事が楽しめなくなってしまいます。
その場合は、バランスのいい食事を少量でいいので口に運び、よく噛んで食材本来の味を楽しむようにしましょう。
それを習慣にすることで、自然と味わいながら食事することができるようになり、食事を楽しいと感じる感覚が戻ってきます。
うつ病の場合はお肉や魚を割きに食べるのがいいようです。
YouTubeで同じ境遇の人を探す
まさか自分がうつ病になるとは考えておらず、周りからもなかなか理解を得られないととても心細くて辛いですよね。
そんな時は、同じようにうつ病で悩んでいる人や闘病中の人を探しましょう。
YouTubeで探すと、うつ病で悩んでいる人が動画を上げてくれています。
同じような境遇の人の話を聞いたり辛さを分かち合うことで「自分だけじゃないんだ」と勇気をもらうことができます。
もしうつ病が改善してきて元気が出たら、自分でも動画を出して同じように苦しんでいる人の助けになるのもいいと思います。
うつ病を防ぐために企業・上司がするべきこと
社員がうつ病の診断書を持ってくるなんて想像できないかもしれません。
しかし、今やうつ病は100人に6人が罹る病気です。
「うちは大丈夫」なんて、そんな保証はないのです。
その時に適切な対応ができるように、今から把握しておきましょう。
うつ病の知識をつける
まずはうつ病がどんな病気なのかの知識を身に付けましょう。
病気のことを知らないとうつ病で苦しんでいる社員に心無い言葉をかけ、余計に苦しませてしまいます。
できれば従業員全体にうつ病の知識をつけてもらい、企業全体で理解を深めましょう。
優しい言葉をかける
うつ病は、自分が今までのように働けないことに罪悪感を感じたり、不甲斐なさにメンタルがぼろぼろになっている状態です。
「気合が足りない」や「早く戻ってきてくれないと立場なくなるよ?」などの追い詰めるような言葉は決して言わないようにしましょう。
「大変だね、気づかなくてごめんね」「早く良くなることを願っているよ」など、相手に寄り添うような言葉をかけてあげてください。
これは他の従業員にも共有しておきましょう。
うつ病を予防できるよう会社環境を変える
うつ病は、
- ・十分な休養
- ・健康的な食生活や適度な運動
- ・好きなことに時間を使う
などのストレスフリーな生活をすることで予防することができます。
週休二日制を取り入れる、有休をとりやすくする、休日出勤があったら必ず代休を取れるようにするなど、職場環境を働きやすく変えていくことでうつ病のリスクを減らすことができるのです。
働く環境を変えることは従業員満足度の向上にも繋がり、求職者も増えることでしょう。
原因を調べ改善するよう動く
社員がうつ病になってしまったら、その原因が会社内にあるのか聞きましょう。
会社内にある場合、改善していかないと第二第三の被害者が出てしまいます。
そうなる前に原因を見つけ、改善する動きをしていく必要があります。
しかし、うつ病になった社員に原因を聞く時は慎重に行って下さい!
人によっては思い出すのもつらいかもしれないので、無理のない範囲で話してもらって、後は自分たちで原因を発見しましょう。
自宅療養中にはなるべく連絡しない
自宅療養中の社員に連絡をしてしまうと、仕事のことを思い出して症状が悪化する恐れがあります。
引き継ぎは自宅療養に入る前に全て行って、出来る限り連絡はしないようにしましょう。
1on1を取り入れる
1on1とは、上司と部下が一対一で行う面談のことです。
一対一なので話をしやすく、社員の不安や悩みなどの本音を聞き出しやすくなります。
その際は、部下が中心になって話せるように上司は話を聞く姿勢を崩さないようにしましょう。
悩みを話してくれた時は部下の気持ちに寄り添い、必ず改善するように行動してください。
転職という選択肢も視野に入れること!
現場監督は、神経を使いますし人間関係を取り持つのにも非常に気を使います。
自分なりに程よい関係を構築でき、メンタルがある程度強くないと今後もやっていくのは難しいでしょう。
もしかしたら、現場監督の仕事内容があなたの性格に合っていないのかもしれません。
もし現場監督の仕事は好きということなら、職種ではなく職場を変えることをおすすめします。
職場の上司が威圧的だったりそこの人間関係がひと際悪いのかもしれません。
もっと現場監督のことを考えてくれる職場はあるでしょう。
万が一辞めさせてくれない場合は、退職代行を使うのもありです。
お金を支払うことで退職を代わりにやってくれるので、スムーズに辞めることができます。
一度「退職代行」で調べてみてください。
まとめ
うつ病は今まで出来ていたことができなくなったり、何にも楽しいと感じなかったりとすごくつらい病気ですよね。
一人で悩まず、まずは医師に相談を!
建設業の未来を明るくするためにも、うつ病にならない職場が増えることを願います。
人手不足が解消できれば、従業員の残業が減ったり休みをとれる日数も増えるはず。
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