コラム建設業 働き方改革

建設業も関係アリ!?SDGsを取り組むメリットや取り組み事例、課題など詳しく紹介

世界中でSDGsが取り組まれていますが、建設業も他人事ではないのです!

実は建設業とSDGsには関係性があり、取り組むことでメリットも得られます。

それはどんなものなのか、詳しく解説していきたいと思います。

 

SDGsとは?

SDGsとは、Sastinable Development Goals=持続可能な開発目標の頭文字をとったもので、2015年の国連サミットにおいて定められた国際目標のことです。

 

国連に加盟している193カ国が、2016年から2030年の間で達成するための目標が17個掲げられています。

1つずつ見ていきましょう。

 

1.貧困をなくそう

SDGs 貧困をなくそう

世界では、6人に1人の子供が極度に貧しい暮らしをしています。

極度に貧しい暮らしとは、1日に使えるお金が135円未満で生活しなければいけない状態です。

 

2030年までにこのような人々をなくし、基本的なサービスを平等に利用できるようにするなどの取り組みを進めるための目標です。

 

2.飢餓をゼロに

SDGs 飢餓をゼロに

飢えをなくし、誰もが一年中安全で栄養のある食料を十分手に入れられるようにするための目標です。

そのために、農業を発展させる取り組みを行うことが重要です。

 

3.すべての人に健康と福祉を

SDGs すべての人に健康と福祉を

世界中の人が安全な治療を受けられるようにするための目標です。

医療サービスの確立、体に悪影響なものの普及を防ぐための取り組みを進めるための目標です。

 

4.質の高い教育をみんなに

SDGs 質の高い教育をみんなに

すべての子供が質の高い教育を無料で受け、小学校と中学校を卒業できるようにするための目標です。

全ての国で学校や教師を十分な数用意し、男女の差別なく教育を受けられるようにする必要があります。

 

5.ジェンダー平等を実現しよう

SDGs ジェンダー平等を実現しよう

すべての女性に対する差別をなくすための目標です。

女性への性暴力や早すぎる結婚の風習をなくし、社会で活躍できるように進めていく必要があります。

 

6.安全な水とトイレを世界中に

SDGs 安全な水とトイレを世界中に

誰もが安全で安い水を利用できるようになり、どこにでもトイレを設置して、屋外で用を足さなければいけない人をなくすための目標です。

 

水源管理をしっかり行い、トイレ設置数の増加を目的とした取り組みを進めていくことが重要です。

 

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

SDGs エネルギーをみんなにそしてクリーンに

誰もが低価格で安定的な電機などのエネルギーを使えるようにするための目標です。

再生エネルギーを使う方法割合を増やす、誰もが持続可能なエネルギーを安定的に使えるように設備や技術を高めていく必要があります。

 

8.働きがいも経済成長も

SDGs 働きがいも経済成長も

人々が経済的に豊かになり、子供が働かなくてもいい世界を作るための目標です。

経済の成長性を上げたり、新しく何かを始める人を支援する政策を行っていく必要があります。

 

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

SDGs 産業と技術革新の基盤をつくろう

災害に強いインフラを整え安全に暮らせるようにする、持続可能な産業化を進めるための目標です。

安い値段で誰もがインターネットを使えるようにし、開発途上国の技術支援などをすることが重要です。

 

10.人や国の不平等をなくそう

SDGs 人や国の不平等をなくそう

国内外における経済格差をなくすための目標です。

財政・賃金・社会保障などに関する政策をとる、発展途上国へ流れる資金を増やすなどの取り組みが必要です。

 

11.住み続けられるまちづくりを

SDGs 住み続けられるまちづくりを

誰もが安全に暮らせる家に低価格で済むことができるようにするための目標です。

地方の発展を行い、都市部と地方で極端な差ができないようにするなどの対策が必要です。

 

12.つくる責任つかう責任

つくる責任つかう責任

生産者も消費者も、使うもの・買うものを大事に使い無駄が出ないないようにしていくための目標です。

捨てられる食料の数を減らすための政策を考えたり、天然資源など持続的に利用できる資源をメインで使えるようにする必要があります。

 

13.気候変動に具体的な対策を

気候変動に具体的な対策を

異常気象や気候変動が増えてきているため、それに対する対策を行い地球をまもるための目標です。

気候変動への対応を各国で考え、気候変動のスピードを遅くするための対策を行っていく必要があります。

 

14.海の豊かさを守ろう

SDGs 海の豊かさを守ろう

海洋ごみを減らして海の汚染を防ぎ、生態系をまもるための目標です。

海洋ごみを減らし海洋生物を保護するための活動を積極的に行う必要があります。

 

15.陸の豊かさも守ろう

SDGs 陸の豊かさを守ろう

陸上の生態系や自然からの恩恵を守り、回復させるための目標です。

砂漠化への対応をとったり、絶滅危惧種を守るための対策を考える必要があります。

 

16.平和と公正をすべての人に

SDGs 平和を公正をすべての人に

世界中で起こっているあらゆる形の暴力や暴力による死を減らすための目標です。

ちゃんとした法律を作り、暴力行為や犯罪組織を取り締まるように変えていく必要があります。

 

17.パートナーシップで目標を達成しよう

SDGs パートナーシップで目標を達成しよう

持続的な開発に向けて国同士が協力し、目標を達成しましょう。

 

 

このように、今世界中で問題となっていることを国同士で協力しながら解決していくために目標が掲げられたのです。

 

SDGsと建設業の関係性

「SDGsと建築にはどんな関係があるの?」と思う方も多いでしょう。

建設業界は、地域の人々が安全に暮らせるようにインフラを整えたり環境保護を行ったり、住みやすい街づくりの基盤である建物を造ったりと、事業理念そのものがSDGsと相性がいいのです。

 

SDGsの目標の中で言うと、「6.安全な水とトイレを世界中に」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「11. 住み続けられるまちづくりを」「12.つくる責任つかう責任」に特に当てはまります。

 

「6.安全な水とトイレを世界中に」

建設業の工事は基礎工事が地下水脈にまで達する場合もあるため、水源への影響を配慮して工事を行うことで、この目標に貢献することができます。

 

「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」

建設業はインフラ整備も一つの役割なので、定期的にインフラを整備し災害に強い街づくりを行うことで9の目標に貢献できます。

 

「11. 住み続けられるまちづくりを」

建物は街の発展の基盤になっているので、より住みやすく環境に配慮した建物を造ることで11の目標に貢献することができます。

 

「12.つくる責任つかう責任」

建設業では様々な材料が使われているため、ロスが出やすいです。

ロスが出ないようにリサイクルを行ったり再生材料を使ったりしましょう。

また、長寿命住宅やエコ住宅など長く住んでもらえる家づくりをすることで12の目標に貢献することができます。

 

 

さらに、グリーンインフラの推進も建設業とSDGsに関わってきているのです。

グリーンインフラとは、自然の持つ多様な機能を活用したインフラや土地利用を推進する概念です。

 

治水対策・遊水地の整備・湿地整備などの自然環境が有する機能を活用し、持続可能な国や地域作りを進めるグリーンインフラは、SDGsの目標達成にも通ずるものがあるのです!

加えて、グリーンインフラの推進には建設業の存在が欠かせないということもあり、SDGsと建設業の関係は深くなっています。

 

建設業がSDGsに取り組むメリット

建設業がSDGsに取り組むメリットはどんなものがあるのでしょうか。

 

企業のイメージアップに繋がる

SDGsは世界的な目標なので、それを達成しようと行動している企業は印象がよく、企業イメージが向上します。

先進的な活動を行っている企業として注目度が上がり、他社と差別化できるでしょう。

 

信頼度が上がる

国際的な課題に挑戦していく姿勢のある企業は社会的信頼度が上がるため、受注率も上がると考えられます。

SDGsの課題解決に繋がる商品を提供すれば、注目度が高まり受注にも繋がるでしょう。

 

若手の採用に繋がる

世界を見据えた先進的な活動をすることで、優秀な人材が手に入る確率もアップします。

新しいことに挑戦していくことで、若手の求職希望者が増えることでしょう。

 

コストカットに繋がる

材料のロスを減らしたり、省エネを意識することで世界にいい影響を与えるだけでなく、企業のコスト削減にも繋がります。

世界にいいことをすると企業にもいい影響を与えられるのです。

 

 

このように、SDGsに貢献することで世界全体にいい影響を与えるだけでなく、会社としてのブランド力も上げられるので一石二鳥なのです!

 

建設業によるSDGsの取り組み事例

建設業では実際にどのような取り組みが行われているのでしょうか。

大手企業、中小企業の事例を見ていきましょう。

 

平井建設株式会社

島根にある昭和41年創業の建設会社で、土木事業、建築事業、港湾事業など幅広く展開しています。

平井建設はSDGsの取り組みに積極的で、合同宴会や会食では「最初の30分と残りの10分は食事を楽しむこと」というルールを設け、30・10運動と称して食べ残しを減らす取り組みをしています。

 

また、定期検診の実施はもちろん保険児童や全額補助の予防接種を受けさせるなど、従業員の健康を第一に考えています。

他にも、水質悪化が問題視されている海の沿岸部の清掃活動に取り組んだりと、複数の目標に貢献しています。

 

山根土建株式会社

北海道にある建設会社で、従業員は34名と少数精鋭ながら建築工事・土木工事両方で幅広い分野の工事をこなしています。

SDGsについては、飢餓をなくす取り組みとして地域の農業に貢献するために毎年営農用水施設周辺で草刈りを実践しているそうです。

 

また、質の高い教育を提供する取り組みとして資格取得のサポートを行ったり、ジェンダー平等の時にとして男性社員の育休、女性社員の積極採用なども行っているようです。

 

株式会社岡山建設

滋賀県にある建設会社で、民間工事・公共工事・解体工事・工場メンテナンス工事など、こちらも幅広く活躍している地域密着型の会社です。

 

SDGsについては、経済成長の取り組みとして外国人労働者の積極雇用、産業と技術革新の促進としてエコ解体・エコ舗装によるインフラ整備改善、質の高い教育を提供する取り組みとして地元中学生への勤労体験学習の実施などを行っているようです。

 

株式会社織戸組

神奈川県にある建設会社で、砕石事業・土木工事だけでなく不動産事業や新電力事業にも取り組んでいます。

SDGsについては、ジェンダー平等の取り組みとして女性が働きやすい環境を整えたり、健康と福祉の取り組みとして集団献血や献血車・献血運搬車の寄贈を行っています。

 

また、気候変動への対策や持続可能エネルギーへの取り組みとして、太陽光発電の設置や定期的な安全衛生会議を行っているようです。

 

 

大規模な活動はそれなりの時間と資金が必要になるため、なかなか行動に移せないと思います。
その場合は、身近にいる従業員や地域に貢献するような活動をするのでも構いません。周りの人たちの生活を充実させることも立派なSDGsの取り組みなのです。

 

「SDGsの取り組みといっても、何をやればいいのか分からない…」という方は、福利厚生の見直し・資格取得支援・女性や外国人労働者の活躍促進など、身近な部分から改善していってください。

 

まとめ

SDGsへの取り組みは、世界的に推進されているものであり、それを行うことで結果的に企業の質や従業員満足度の向上に繋がります。

17個ある目標を一気にやろうとする必要はないので、まずは1つピックアップしてどんな行動ができるか考えてみてください!

 

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