ITが進化している近年、建設業でもICT建機やAIを導入するなどIT化が進んでいます。
施工管理アプリもその一つで、業務効率をアップすることができます。
より効率的に作業を行うために、ここで施工管理アプリを知って積極的に導入していきましょう!
施工管理アプリとは
建設業の現場において、工程管理や受発注、図面といった作業をデジタルで行えるツールのことです。
アプリについている具体的な機能としては、
- 工程表作成・共有
- 案件管理
- 報告書作成
- チャット機能
- 営業管理
- 受発注管理
- 写真・資料管理
- 日報
- 掲示板
などがあります。
工程表作成・共有
Excelで管理している工程表を、クラウド上で管理できるようになります。
施工内容とその日付、担当者などを一目で確認でき、変更内容も一気に共有することができます。
案件管理
案件ごとの関係者の確認、案件の進捗情報を確認することができます。
「受注前」「工事中」「失注」など案件をステータスごとに分けることができるので、情報整理がしやすいです。
報告書作成
報告書用のテンプレートが用意されており、内容に沿って打ち込むことで報告書を作ることができます。
アプリによってはアルバムにある写真を報告書に添付できるので、写真と一緒により細かい報告書を作成できます。
作成した報告書はPDFなどで印刷することができるので、紙での保管も可能です。
チャット機能
チャットを使って現場監督や近くにいない人(現場から事務所など)と気軽に連絡をとることができます。
電話が繋がらない時、確認事項がある時など、メールよりも素早く連絡をとることができる上に、やり取りを残しておくことができます。
写真や動画などを簡単に共有できるのもいいですよね。
営業管理
案件の進捗状況を一元管理でき、過去の情報もデータとして保管することができます。
担当者がいなくても、営業情報から案件情報をいつでも見ることができます。
受発注管理
施工管理と案件情報を連携することで、スマホでいつでも受発注や請求情報を確認することができます。
写真・資料管理
現場で撮影した写真をアプリ内に保管しておけば、別々の場所で撮影しても一元管理ができます。
1つの場所に写真が集まるため共有も容易になり、検索もしやすくなります。
日報
アプリから日報を作成できるので、わざわざ事務所に戻って作成する手間がなくなります。
掲示板
常に動きがあるトークでは、重要な情報も流れていってしまいます。
掲示板を使うことで、進捗情報や資材の発注依頼など投稿して掲示板井固定することができます。
施工管理アプリを使うメリット・デメリット
施工管理アプリはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
【メリット】
業務の効率化ができる
施工管理アプリの一番のメリットは、業務の効率化に繋がることです。
今まで紙面上で記入・変更を行っていたものを、全てクラウド上で記入・変更・削除ができるようになるので、わざわざ事務所にいく手間が省けます。
また、今までバラバラに管理していた情報も、クラウド上で一括管理することができます。
いつでもどこでも状況の把握や記入・変更ができるので、移動や記入に時間がかからなくなり業務効率化に繋がるのです。
紛失や情報漏洩の減少
必要な情報はクラウド上に保存するため、紙で保存していた時のように紛失したり持ち出されたりする心配がありません。
紙での保存は汚れたり色あせる可能性もありますが、データだと綺麗な状態で長期間保存することができるのです。
検索も簡単にできるので、探すのに労力を使うこともありません。
工期の遅延防止に繋がる
アプリを使えば、チャットで簡単にコミュニケーションがとれて記録にも残るため、情報の抜け漏れを防ぐことができます。
工事の進捗状況も共有できるので、工期に合わせて調整しつつ、チャットで指示をしたり写真を共有して現場の連携がとりやすくなります。
そうすることでスムーズに工事が進み、最終的に建物の品質向上や納期の厳守に繋がります。
残業時間が減る
作業が効率化することで従業員が無駄な動きをすることがなくなり、その場にいながら複数のことができるため残業時間を減らすことができます。
建設業は他産業と比べて残業時間が長いため、施工管理アプリを入れることで残業時間が減るのは従業員にとっても大きなメリットでしょう。
顧客満足度向上に繋がる
さきほど、施工管理アプリで情報共有がしやすくなることで品質向上や納期の厳守に繋がるとお伝えしましたが、これは顧客からの評価も高くなります。
工事の進捗が明確に分かるようになることで、顧客に対して逐一細かく報告ができるようになります。
細かな報告を行うことで、顧客に「しっかりした会社だな」と思ってもらうことができ、信頼度が高くなるのです。
ペーパーレス化
今まで保管していた紙での情報を全てクラウド上に保管することができるため、紙を使う頻度がかなり減ります。
そうすることで、今まで紙に占領されていたスペースが空き、事務所内もすっきりします。
周辺がスッキリすることで脳が整理され、仕事も捗ります。
また、紙の保管に使っていたスペースを会議室や休憩スペースなど別のことに使うことができるようになり、従業員満足度の向上にも繋がります。
【デメリット】
導入費用がかかる
ちゃんとした施工管理アプリを導入するには、初期費用・運用費用などコストがかかります。
施工管理アプリの初期費用は平均10~20万円ほどかかります。
ものによっては初期費用がかからないものもあるので、アプリを比較して一番予算に合ったものを選んでください。
教育コストがかかる
施工管理アプリには、たくさんの機能が備わっています。
使い方を覚えれば作業を効率化できますが、それには操作方法を覚える必要があります。
建設業は年齢層が高いため、ITツールに疎い方が多いでしょう。
施工管理アプリをちゃんと使えるようになるために、念入りな操作指導が必要です。
また、困った時にすぐ問い合わせができるものを選ぶことも大切です。
アプリによって一元化できない可能性も
すでに他のツールを使ってデータ管理をしている場合、そのツールと連携できないと並行して使う羽目になります。
施工管理アプリ導入時は、使っているツールと連携できるか事前に確認しましょう。
また、使いこなせないことを加味して機能が極端に少ないものを選ぶと、後からついていない機能が欲しくなった場合、別のアプリを入れなければならなくなります。
そうなると逆に管理がめんどくさくなるので、導入は慎重に行いましょう。

懸念点もありますが、それ以上に受けられる恩恵が大きいです。まずは低価格のものから導入をはじめたり、無料キャンペーンのあるものを使ってみて様子を見るのがおすすめです。
無料のものって大丈夫?
現在、完全無料で使える施工管理アプリはあまり多くありません。
無料でも、無料プランやお試しキャンペーンである場合がほとんどです。
完全無料のものも無料プランのものも、使える機能が少ない・容量が少ないなどの制限があります。
しかし、初心者の方はまず試してみるのが良いと思うので、ぜひ無料版から導入してみてください。
施工管理アプリの選び方
施工管理アプリはたくさん出ているので、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そこで、施工管理アプリの選び方をここでご紹介したいと思います。
ほしい機能がついているか
欲しい機能がついているかどうかは、施工管理アプリを利用する上で一番大切です。
欲しい機能が付いていないとアプリを入れる意味がないからです。
まずは社内の課題を洗い出し、施工管理アプリを入れる目的を明確にしましょう。
「どんな課題を解決したいか」が分かれば、自ずと必要な機能が分かってきます。
操作がしやすいか
建設業ではITに疎い人が多いため、シンプルな画面で簡単に操作できるものを選びましょう。
使いやすさは実際に使ってみるのが一番なので、無料お試しなどを利用してどのアプリが一番使いやすいか比較してください。
料金は予算内か
予算を決めて、予算内で収まる価格のアプリを選びましょう。
アプリは初期費用だけでなくランニングコストもかかるため、使い続けるといくらかかるのかを把握しながら比較していくとお得かどうかがわかります。
導入後に「ランニングコストが高い!」と言って途中でやめるとなると、かなり手間がかかると思うので導入前にしっかり確認してください。
サポート体制が充実しているか
ツールやアプリの利用になじみがない建設業の場合、サポート体制がしっかりしているものがおすすめです。
24時間対応や電話サポートなどがあると、急なトラブルにも対応してもらえて安心です。
導入前から導入後もサポートしてもらえれば、ITに疎い人が多くても積極的に利用することができます。
おすすめの施工管理アプリ3選
それでは、評判がよくおすすめの施工管理アプリを3つ紹介したいと思います。
導入時はぜひ参考にしてください。
クラフタ
完全無料で使える施工管理アプリ。
使える機能は少ないですが、基本的なものは備わっているため、「お金をかけずに使いたい」「とりあえず施工管理アプリというものを知りたい」という方におすすめです。
操作画面もシンプルで見やすく、アプリ一つでコミュニケーションが完了するのがメリットです。
アップデートを繰り返しているため、これからも機能が追加されていくでしょう。
導入企業としては、5~20名ほどの中小企業が多いようです。
【搭載機能】
- ・チャット
- ・案件管理
- ・顧客管理
【料金】
- 初期費用:0円
- ランニングコスト:0円
KANNA
初期費用0円で利用できる施工管理アプリ。
使いやすさを重視しており、操作画面や入力画面などをよりシンプルに分かりやすく設計しているそうです。
「コストを抑えつつ施工管理アプリを試してみたい」という方におすすめです。
オンラインでの操作説明会があるようですが、マニュアルを見なくても使いやすいそうです。
AppStoreでの評価が施工管理業界で一番よく、評判がいいことが分かります。
【搭載機能】
- ・現場情報確認
- ・チャット
- ・写真/図面管理
- ・日報
【料金】
- 初期費用:0円
- ランニングコスト:
お試しプラン | ライトプラン | ベーシックプラン | エンタープライズプラン | |
月額費用(年払) | 0円 | 16,500円/月 | 41,500円/月 | ― |
利用人数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
月間新規案件数 | 3件 | 100件 | 250件 | ― |
保存可能容量 | 1GB | 1000GB | 2500GB | ― |
ANDPAD(アンドパッド)
利用社数13万社、シェア№1の施工管理アプリ。
現場の効率化から経営改善まで一元管理できる優れもので、作業を効率化する機能がたくさん搭載されています。
新築・リフォーム・ゼネコン・専門工事など幅広い建設業に利用されており、利用者を選びません。
データ共有がスムーズで、画面もシンプルで見やすく使いやすいです。
セキュリティ面でもしっかりしているため安心して利用できます。
【搭載機能】
- ・写真/図面管理
- ・チャット
- ・工程表作成
- ・日報
- ・稼働管理
- ・営業管理
- ・カレンダー
- ・受発注(オプション)
- ・社内タスク管理(オプション)
- ・ANDPAD黒板(オプション)
- ・検査機能(オプション)
- ・見積もり作成(オプション)
- ・OB点検/メンテナンス機能(オプション)
【料金】
- 初期費用:10万円
- 導入サポート研修:10万円/回
ランニングコスト:
36,000円/月(60IDまで)
60,000円/月(100IDまで)
120,000円/月(200IDまで)
まとめ
施工管理アプリを使うことで、業務効率だけでなく顧客満足度の向上などさまざまなメリットがあります。
IT化はこれからも進んでいくと考えられるので、今から少しずつ取り入れていきましょう!
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