建設業は3Kや労働環境が良くないイメージにより、若者の人材不足に陥っています。
しかし、若者が入ってこないと退職者ばかりになり会社が成り立たなくなってしまいます。
そこで、採用成功度をアップさせるポイントを伝授したいと思います。
ぜひ参考にしていってください!
建設業の人材不足と高齢化
オリンピック・パラリンピックの影響もあり、2020年度の建設業はコロナ禍でも建設市場は堅調に推移しています。
民間工事は減ってしまったものの、公共の土木工事の需要が支えてくれたようです。
しかし、人材不足に関しては深刻化しています。
こちらのグラフは、日本建設業連合会によって作られた「建設業就業者数の推移」を表したものです。
見て分かるように、投資額は急激に増えているものの建設業就業者数は年々減少しており、スキルを持つ就業者の減少も著しいです。
このまま減少を続けていけば、建設業から技術や資格をもつ優れた人材がいなくなってしまいます。
そうなると経験の少ない人材や高齢者を使うしかなくなり、質が下がったりトラブル発生リスクも上がってしまうのです。
また、人材育成に人員を割けなくなってしまうため、いつまでたっても新人が育ちません。
このように、人材不足は組織全体にダメージを与えるのです。
また、職人の高齢化も問題になっています。
下のグラフは「建設業就業者の高齢化率」のグラフですが、全産業の若手と高齢者の推移と見比べても、高齢化がかなり進行していることが分かります。
このままの状態で放置すると、ますます若年層が離れて高齢者ばかりになってしまいます。
体力の問題で高齢者が一気に退職したら、企業は機能できなくなってしまいます。
若者が少ない上に就業者数そのものが減少してしまっている、この状況を打破しなければ建設業は供給が追い付かず国の発展も途絶えてしまうでしょう…。
それを防ぐために、求人応募者を増やすための工夫を今から行いましょう!
応募率を上げるポイント≪募集内容≫
まずは募集内容に関するポイントをご紹介します。
応募者が知りたい項目を全て入れる
応募者が知りたいと思っている項目を必ず載せるようにしましょう。
- 仕事内容(具体的に)
- 勤務地(出張などはあるか)
- 雇用形態
- 給料(ボーナスの有無/ある場合は実績額も)+残業代
- 年収例
- 勤務時間と平均残業時間
- 手当・福利厚生について
- 休日(具体的に)
- 従業員の声(書くスペースがあれば)
これらの項目は載せた方がいいです。
求人サイトに載せる場合は記載する項目が決まっていて、上記の項目が入っていることが多いので忘れることは少ないでしょう。
自社サイトなどで書く場合は忘れないよう気を付けましょう!
給料を相場より少し上げる
給料で比較して応募先を決める人も少なくないでしょう。
そのようなユーザー行動を把握して、こちら側も他社の求人情報を比較してから給料の金額を上げてみるのもいいでしょう。
少しでも多いだけで応募してくる数が増えるかもしれません。
募集職種を絞る
多くの人に応募してほしいからといって、募集職種を広げるのは止めましょう。
本当に欲しい人材が来てくれない可能性が高いです。
加えて、未経験者が応募する際にやることが多すぎると将来の成長イメージが沸きずらく、応募ハードルが上がってしまいます。
また、「職種・業種未経験歓迎」とするのはいいですが、その場合未経験人材を育成できる環境を整えておきましょう。
ホームページのURLを載せる
ホームページのURLを求人情報ページに載せておくと、興味を持ってくれた人はかなりの確立で見てくれるでしょう。
しかし、訪問したホームページの更新が止まっていたりデザインが古いと会社のイメージダウンに繋がるので、ホームページもしっかり更新を行いデザインも古くないものに変えておきましょう。
建設業のホームページについては、こちらをご覧ください。
面接の流れを詳しく書く
面接はどのように行われるのか記載しておくと、求職者は面接のイメージが沸きやすいので応募ハードルが下がります。
例えば、
一次面接:採用担当と1対1の面接
二次面接:人事と部署主任とのグループ面接
など、面接の形式を具体的に書いておいてください。
面接が1回で終わる場合はそれをアピールするのもいいでしょう。
写真をいくつか載せる
視覚情報の方が認識しやすいため、従業員や会社の写真をいくつかアップしておくと目に止まりやすくなると思います。
ぜひ積極的にアップしましょう!
応募率を上げるポイント≪募集媒体≫
次に、求人応募を掲載する媒体を考えましょう。
大手求人サイトに載せる
多くの人が初めに思いつく募集媒体だと思いますが、やはり大手求人サイトは知名度が高いため多くの求職者が登録をしています。
その中に掲載すれば、登録ユーザーが多い分見てもらえる確率が上がります。
しかし同時に、登録ユーザーだけでなく掲載されている募集も多いため、埋もれてしまうリスクもあります。
SNSに載せる
Twitter・インスタ・Facebookなど、今は企業もSNSで発信していく時代です。
採用専用のアカウントを作って求人に関する情報を投稿していけば、ターゲットユーザーに表示される数も増えていきます。
日常投稿で普段の職場の様子や作業写真・動画などを投稿すれば、会社のイメージも沸きやすくて応募する人も増えるでしょう。
デメリットとして、成果が表れるのに時間を要する点が挙げられます。
チラシを貼る
こちらはアナログな方法ではありますが、会社の外から見える位置に求人チラシを貼るという方法です。
この方法では、全国の人に情報を届けることはできませんが、近所に住んでいる人材にアピールすることができます。
インターネットでは見つけてもらえる確率が低い求人でも、近くを通った人の目に留まれば職場が近いというのもあり応募してきてくれる可能性が高いです。
お金もあまりかからないので、ダメ元でも貼ってみてください。
求人専用ページを作る
自社サイトの中に求人専用のページ・サイトを作るという方法です。
求人専用サイトを作っている企業が最近は増えてきており、「どのような会社か、どんな職種を募集していて福利厚生はどうか」など、専用ページがあれば細かい部分まで紹介できるため、求職者も就職後のイメージがつきやすくなります。
また、そういう会社は信頼度も高くなりやすく、応募したいという気持ちがアップします。
建設専門の求人サイトに載せる
大手求人サイトだと、掲載される業種・職種の量が膨大なので欲しい人材が応募してきてくれなくて採用に至らないケースがあります。
そんな悩みを解消するために、業界専用の求人サイトも存在します。
建設業界に特化している求人サイトは数多くあるため、ぜひそれらの求人サイトを使いましょう。
専用の求人サイトであれば、その業界を志望する人が訪れるため、募集のミスマッチが起こりにくいです。
ただ、建設業界専門の求人サイトはたくさんあるので、知名度・どんな職種に特化しているかなどを比較して一番あったところに掲載するようにしましょう!
こんな方法も♪応募者を増やすその他の方法
上で紹介した以外でも応募を増やす方法があります。
ぜひ参考にしていってくださいね!
ホームページで会社の紹介をする
自社ホームページを持っていない場合は、最初はシンプルなものでもいいので用意することをおすすめします。
求人サイトで会社のPRができると言っても、書き込める量が少ないため会社の魅力を全て伝えることは不可能でしょう。
ホームページであれば、会社の魅力全てを伝えることができ、求職者にとってもその企業や仕事のイメージがつきやすく、応募ハードルが下がります。
例えばあなたが歩いてきた道が突然二手に分かれているとして、一方は真っ暗闇、一方は街頭があって明るいとしたら、迷わず明るい方を選ぶと思います。
ホームページは、その街頭に値するのです!
会社説明会
会社説明会を行うのもおすすめです。
実際に社員に会うことで、会社の今までのイメージをいい方向に変えたり、仕事内容を詳しく話すことで興味を持ってもらいやすくなります。
また、従業員と話をする時間を作ることで、気になることを質問できたり実際の会社の雰囲気を感じることができます。
最近はオンライン説明会も増えていて、遠方にいる人も参加できるのでおすすめです。
福利厚生の改善
福利厚生は他者と比べて充実しているでしょうか。
最近は待遇を重視する人が増えています。
競合他社と比較して福利厚生の面が整っていないと、それだけで応募対象から外れてしまうことも。
無理に増やせとは言いませんが、一度見直して増やせるものはないか確認してみましょう。
福利厚生が充実すると従業員満足度も上がるので離職率も低くなります。
福利厚生の例として、特別休暇や住宅手当・資格支援・育児休暇などが挙げられます。
女性も活躍できる環境を整える
建設業では女性従業員の活躍も増えてきており、人手不足解消の手助けにもなっています。
女性は男性とちがう感性をもっており、事務作業だけでなく現場でも活躍しているようです。
女性を登用するために職場環境を整える必要があるため、必然的に職場環境を改善することができます。
福利厚生でライフワークバランスを改善できるものを取り入れれば、女性の応募も増えるでしょう。
採用成功事例
事例➀
施工管理士の人員を、大手派遣会社を使って行っていたA社。
しかし、派遣されてくる人材のスキルが希望と合わず、採用率が圧倒的に少なかったそうです。
また、採用しても欲しいスキルが合っていないため、早期離職が多い事にも悩んでいました。
そこで、社内の希望を洗い出し、経験者がほしいため経験者に特化した派遣サービスに切り替え、派遣会社とどんな人材がほしいか細かく話し合ったそうです。
その結果、希望のスキルを持った人材を派遣してもらうことができ、お互いにギャップがないため早期離職も減ったそうです。
派遣社員を雇っている場合は、この例を参考にしてみてください。
事例➁
造作工事と木工事を行っている企業の例です。
以前は中途採用しか行っていなかったそうですが、知り合いの工務店が高校生の就職を支援する求人サイトで新卒を採用したという話を聞いて、若手の人材を欲していたのもあり高卒の新卒採用を始めたそうです。
なぜ高卒に絞ったのかというと、建設業に興味がある人で大学に行く人は少ないことと、高校卒業後から経験を積んでいけば、キャリア形成がしやすいのではと思ったからだそうです。
若くてパワーがあり、いろんな可能性を秘めているところも魅力ですよね。
入社後は、会社で働き続けるか、独立を希望するかの選択肢を与え、好きな方向に進んでいけるよう支援していくそうです。
このように、新卒採用で一から教育していく方法もおすすめです。
新卒採用を行う場合も、給与や福利厚生は重要なので覚えておきましょう。
まとめ
自分の会社が上手く採用が進んでいないと感じているなら、今回紹介した方法をぜひ試してみてください。
掲載媒体を増やしてみるだけでも変化があると思います。
他社の募集要項も参考に、自社の魅力を発揮できる内容を考えてみてください!
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