IT関連人手不足解消

ドローンは建設業でも活躍する!?現場での活用例・補助金・必要な資格など解説

以前はアナログな方法で作業を行っていた建設業も、人手不足やITの進化によりITツールを使って業務効率を上げたり省人化を進めている企業も増えています。

 

今回は、ITツールと同じように建設現場で活躍できるドローンについて、いろいろ説明していこうと思います!

ドローンの魅力を知って、現場の負担をもっと減らしていきましょう。

 

建設業のIT活用とDXについて

IDC Japanが調査した「2020年 産業別国内企業のDX進行状況」によると、金融に続き2番目にDXが進行している産業は「建設/土木」のようです。

 

2020年 産業別国内企業のDX進行状況

このようにいうと建設業はちゃんとDXの取り組みを行っているように思えます。

 

しかし実際は、AI・VR・ドローンといったIT技術を取り入れている企業は大手ゼネコン等ごくわずかで、多くの中小企業では初期段階または取り入れてすらいないのです。

というのも、建設業界は多重下請構造のため中小や零細企業が多く、設備投資に大金をかけられないなどの理由でIT化が進まないのです。

 

加えて、企業のトップは現場主義志向の者が多く、ITツールや最新技術に進んで取り組もうという考えが薄いのも原因の1つです。

DX化が進めば、省人化して人手不足の解消ができたり、業務効率化により残業を減らしたりと建設業が長年抱えている課題を解決することができるでしょう。

建設業界の環境を改善するためにも、DX化の良さを多くの建設業者に知ってもらい、推進していく必要があるのです。

 

ドローンとは

無人であり、遠隔操作や自動制御できる航空機のことです。

英語表記は「Drone」で、オスの蜂を指すそうです。

飛んでいる時に「ブーン」という音を発していて蜂に似ているので、そう呼ばれるようになったそうです。

 

元々は軍事用に利用されており、その頃は無人車両・無人航空機など自立する無人機全般を「ドローン」と呼んでいたそうです。

2021年以降に今の認識で「ドローン」と呼ばれるようになりました。

 

そして、2015年に航空法第2条22項の改正により、「無人であり、遠隔操作または自動操縦で飛行できる200kg以上の重量の機体」が”ドローンである”と定義されるようになったのです。

今では、農業や建設業、空の撮影など様々な分野で使われています。

 

種類がある!建設業で使えるドローンは?

ドローンは、遊びで使える安価なものから高性能で高価なものなどいくつかの種類があります。

それぞれの種類の特徴と、建設業で使う場合のドローンの種類をご紹介します。

 

トイドローン(ホビードローン)

名称に”おもちゃ”と付くことから分かるように、機体の重量が200kg未満でおもちゃとして利用されるドローンです。

1万円以下など安価で購入できるのが利点です。

 

カメラ付きのものも多いので、操縦して遊びながら空を撮影したりと楽しむことができます。

トイドローンは、重量が軽いので航空法の規制も気にする必要がなく、免許も要らないので子供と一緒に楽しむことができます。

 

ドローン

重量200kg以上の一般的な「ドローン」のことです。

航空法の規制がありますが、操縦に免許や資格は必要ありません。

トイドローンより高性能で高価なものが多く、本格的な空の撮影に使われています。

 

産業用ドローン

農業・防犯・物流など、様々な分野で利用されているドローンのことです。

通常のドローンよりも過酷な場所での利用を想定されているので、防水・防塵など耐久性が高く性能も一般的なものより高いです。

そのため、金額は数百万円~とかなり高額です。

 

一つの業界に特化しており、その分野で大きな力を発揮します。

建設業でも産業用ドローンを利用し、建設物の点検作業・測量・資材の運搬などで役立ちます。

 

建設業でドローンを活用するメリット

建設業界にドローンを導入すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

業務の効率化

ドローンを導入すれば、測量や点検などに割く時間を減らすことができ、業務効率がアップします。

また、上空からの撮影で進捗状況を簡単に把握することもできます。

状況に応じた最適な措置を行うことが可能になり、納期の短縮にも繋がります。

 

省人化

ドローンは、資材を運ぶこともできるようになっています。

山岳部や斜面への運搬など、人間が運ぶと危険かつ時間がかかる作業をドローンに任せることで、資材運搬に割く人員を減らすことができます。

 

危険作業を減らせる

ドローンは、人が入れないような危険な場所やアクセスの悪い場所でも入り込んで撮影することができます。

解像度の高いカメラや赤外線カメラが搭載されたドローンを用いることで、細かな傷や小さな異常にも気づけるでしょう。

 

遠隔操作しながら点検できるので、労働災害のリスクを減らせます。

 

作業コストを減らせる

点検・メンテナンスにいく移動コスト、施工管理のための撮影コストなど、ドローンの導入で人の手でやるよりもコストを削減することができます。

浮いたコストを他のところに充てることができ、企業の環境を変えることができます。

 

こんな使い方がある♪建設業でのドローン活用例

空撮に活用

新潟県にある地方ゼネコンの小野組では、ドローンを現場の空撮に使っています。

荒川河口付近の川底の砂を取り除く浚渫(しゅんせつ)工事の際、砂を取る前と後の写真をドローンで撮影しました。

通常は高所作業車などでの撮影を依頼する必要があり、余計なコストもかかります。

 

しかし、ドローンを導入したことでそのような手間のかかる撮影も自分で簡単に行うことができるのです。

ビフォーアフターの写真があったことで、依頼主との打ち合わせもスムーズに進行したそうです。

 

外壁調査

西武建設が開発を進める「ラインドローンシステム」は、建物の外壁に沿って糸を張り、そのガイドに従ってドローンが飛び、外壁の調査をする技術です。

 

いわば「命綱をつけたドローン飛行」で、ビル風や電波障害のある過酷な環境での調査の安全性を確認しました。

ドローンによる点検で外壁の健全性が確認できれば、大規模修繕までの時間稼ぎができ、修繕費の削減にも繋がるそうです。

 

4次元工程管理

大成建設では、ドローンを使って現場の成功状況を3Dモデル化し、工事の進捗を時系列で“見える化”して、より緻密で正確な工程管理を行っています。

ドローンは決められた空路を自動で飛行し、現場を上空から撮影。

 

その後、撮影したデータをクラウド保存し、3Dモデルに自動で変換してくれるそうです。

3Dモデル化までドローンが行ってくれるので、人の手で作業する時間が削減され業務効率がより向上します。

 

建設現場でのドローン使用の課題

メリットの多いドローンも、使用する際の課題はあります。

 

落下のリスク

建設業では住宅街での作業も頻繁にありますよね。

住宅街のような人が住んでいる場所でドローンを飛ばすとなると、落下してしまった場合のリスクが発生します。

住民への被害はもちろん、作業員が怪我をしてしまう可能性も考えて、操縦は慎重に行う必要があります。

 

プライバシー侵害のリスク

ドローンで建物の点検や測量を行う際、周りの住民のプライバシーを侵害しないよう配慮する必要があります。

人が映ったものを一般公開しない、または他の住居や住民にはモザイクをかけるなど、その人のプライバシーが侵されないようドローンの映像も慎重に取り扱わなければいけません。

 

コストがかかる

産業用ドローンは一般と比べかなり高額です。

導入後のメリットは大きいですが、活用方法をしっかり理解しておかないと、無駄な出費になってしまいます。

 

導入前にドローンをどのように使うか考え、使い方も理解しておきましょう。

ドローンの導入は、準備が全て整ってからがいいです。

 

みんなの疑問に答えよう!

ドローンを使う時に多くの人が疑問に思うであろう点に答えてみました。

知って得する知識なので、ぜひ見ていってください。

 

ドローン操縦に資格はいるの?

一般的なドローン(2.4GHz帯)であれば、操縦に資格や免許は必要ありません。

しかし、産業用として活用されている5/7GHz帯のドローンを使用する場合は、第三種陸上無線技士の資格が必要になります。

 

飛行許可は必要?

重要が200kg以上のドローンを飛ばす場合、国土交通省に飛行許可を申請し、承認される必要があります。

 

飛行許可が必要な場所は以下の地点になります。

  • 空港の周辺
  • 住宅地
  • 地表から150m以上の空域

 

このような場所はドローンを飛ばすのに危険があるので、許可を取る必要が出てくるのです。

尚、航空法のルールに違反したり許可なく飛行させた場合、50万円以下の罰金が課せられます。

 

また、200kg以下の小型ドローンは航空法による規制はありませんが、「小型無線機等飛行禁止法」が適用になります。

この法律では、国が指定した場所周辺でドローンを飛ばす場合に許可が必要となります。

 

規制対象でないとしても、人に怪我をさせてしまったり使い方によっては危険なものなり得るので、ルールを守って安全に扱うようにしましょう!

 

ドローン利用に補助金があるってホント?

産業用ドローンの導入で受けられる補助金制度がいくつかあります。

 

ものづくり補助金

中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金。

補助金額:100万~1000万円

 

持続化補助金

小規模業者が行う販路開拓や生産性向上の取り組みに要する経費の一部を支援する制度。

補助金額:~50万

 

IT補助金

中小企業・小規模業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートする補助金。

補助金額:30万~150万円/~450万円

 

事業再構築補助金

新型コロナウイルスの影響で厳しい状況にある中小企業・中堅企業・個人事業主・企業組合などの事業再構築を支援するための補助金。

補助金額(中小企業の場合):通常枠 100万~6000万円

             卒業枠 6000万~1億円

 

 

オペレーターふきだし

産業用ドローンは性能がいいため高額です。補助金を上手く使って、高性能なドローンを通常より低コストで手に入れましょう!

 

ドローンを活用して、作業効率をアップさせよう♪

ドローンは空撮をするイメージが強いですが、今や様々な分野で活用されています。

 

ドローンがもっと進化してできることが増えていけば、価格も安くなってビジネスで活用される機械も増えていくでしょう。

省人化・作業効率アップのために、ドローンの導入を促進していってください♪

 

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