基礎知識

一人親方になるには手続きが必要!事前準備でなにするべきか

今企業に努めている人の中で、一人親方として独立を考えている人は少なくないでしょう。

独立して自分の裁量で働くことを夢見ている人は、一人親方になるための手続きや準備を今から調べておくと後で焦ることもありません。

 

この記事では、一人親方になるための手続きや、一人親方になる前、なった後でやるべきことをご紹介しようと思います。

 

一人親方とは

一人親方とは、従業員を雇用しないで一人で事業を行う人のことを言います。

 

一人親方として認められる業種は決まっており、

  • 建設事業者
  • 漁業
  • 林業
  • 個人タクシー・貨物運送者
  • 廃棄物処理業
  • 医薬品の配置販売業
  • 船員

 

の7業種のみです。

 

個人事業主との違い

個人事業主は、法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人のことを言います。

そのため、一人親方も個人事業主に含まれています。

 

一人親方になるために必要な手続き6ステップ

手続きの6ステップ

一人親方になるためにはいくつかの手続きをふむ必要があり、税務署・県税事務所・市役所にそれぞれ書類を提出しなければいけません。

どんな手続きがあるのか紹介していきます。

 

【税務署での手続き】

開業届けを出す

事業を開始したら、まず初めに行う手続きです。

開業届けを提出することで、”一人親方である“ということが社会的に認められます。

開業届けは、屋号での口座開設や確定申告時に必要になるので、手続きを忘れないようにしてください。

 

尚、開業届けは事業開始日から1か月以内に提出する必要があります。

国税庁 開業届けについて

 

所得税の青色申告承認申請を出す

確定申告には青色申告と白色申告があり、青色申告は白色申告より手続きの手間が多い分、特別控除など節税メリットが多くあるのです。

 

青色申告は誰もができるわけではなく、「事業所得」「不動産所得」「山林所得」のいずれかの所得がある個人事業主のみ申告ができます。

一人親方は事業所得を持つ個人事業主に当たるので、青色申告をして節税を行いましょう!

 

尚、青色申告承認申請書は事業開始日から2か月以内に提出する必要があります。

 

屋号で口座開設

開業届けを提出したら、屋号で口座開設を行いましょう。

 

屋号での口座開設には様々なメリットがあります。

  • ・経費の計算や確定申告がしやすくなる
  • ・元請からの信頼度が上がる
  • ・プライベート費用との混合を防げる

などです。

 

お金の管理は自分にとっても取引をする相手にとっても重要な部分で信用度に関わるので、会社専用の口座を作ってしっかり管理していきましょう。

 

【県税事務所での手続き】

個人事業開始申告書を提出する

事業を始めたことを都道府県に報告するために提出するものです。

開業届けは国税である所得税に関するもので国税庁に提出しますが、個人事業開始申告書は県税事務所に提出する地方税に関するものです。

 

申請書の書式は都道府県によって異なるので、事業を始める都道府県のホームページから各自申請書をダウンロードしてください。

 

【市役所・区役所での手続き】

国民保険・国民年金への加入

個人事業主になると、社会保険から国民保険に、厚生年金から国民年金に変わります。

健康保険と年金の加入は国民の義務なので、加入申請を忘れないようにしてください。

 

尚、国民保険も国民年金も退職後14日以内に窓口にて手続きをする必要があるので、期間内に忘れずに手続きを行ってください。

万が一14日を過ぎてしまっても加入することはできますが、保険料は健康保険の資格を失った日から今までの分を請求されます。

 

払わなくていい費用を支払うことになってしまいますので、必ず14日以内に加入してください!

 

特別労災保険への加入

本来、労災保険は労働者に適用されるものであり、事業主や自営業者などは加入できません。

 

しかし、事業主の中にも一人親方のようにケガや病気のリスクがある方々が存在します。

そのようなリスクに晒されている方々を守るために「労災保険の特別加入制度」が設けられたのです。

 

「一人親方労災保険特別加入制度」というものもあり、

  • ・業務や通勤による災害における入院費・治療費の負担がゼロ
  • ・休業時は給付基礎日額の80%を補償

など、仕事関連でケガや病気をした場合の費用を抑えることができ、さらに休業補償もしてくれるのです。

入らなければ損の保険なので、一人親方になる際は必ず加入しましょう。

 

 

【家族が手伝っている・従業員がいる場合】

青色事業専従者給与に関する届出をする

青色事業専従者給与とは、配偶者などの家族が一人親方の仕事を手伝っている場合に、その家族の報酬を青色申告者の所得から控除できるというものです。

青色事業専従者給与の良いところは、税金を減らすことができる点と経費計上できる点です。

家族がお手伝いをしている場合は、この届出を忘れないようにしましょう。

 

給与支払い事務所等の開設届

一人でやるのではなく、家族に手伝ってもらったり従業員を雇う場合、この開設届が必要になります。

給料を支払う時は、会社が従業員の所得税を給料から天引きして税務署に支払うことになります。

 

この届出を出さないと納付書が届かないため、税金を払い忘れて後で余計なお金を払う羽目になるリスクがあるため、忘れずに提出しましょう。

尚、事務所を開設した日から1か月以内に提出する必要があります。

 

一人親方になる前にやっておくこと

一人親方になる前にやっておくことは手続き以外にもあります。

 

車両の準備

クレーンなどの作業車は高額なので、ローンを組む必要があります。

しかし、一人親方になったばかりだと実績もなく社会的信用が低いため、ローンが組めない可能性が高いです。

組めたとしても、金利の高いものなので損してしまいます。

 

そのため、従業員として働いているうちに車両のローンを組んでしまった方がいいです。

 

クレジットカードの発行

一人親方になると、IT機器の導入や支払でクレジットカードを使うことが増えるため、1,2枚はもっておきましょう。

ただし、クレジットカードも信用があるかの審査を行うため、車両同様一人親方になる前に発行しておきましょう。

 

資金を調達する

開業時は1から全て揃える必要があるので、思っている以上にお金がかかります。

そのため、ある程度の資金は確保しておく必要があります。

最低でも100万円程度は用意しておきましょう。

 

もしも足りなくなった場合は、知り合いに借りる以外に日本政策金融金庫の「新創業融資制度」を利用するという手もあります。

こちらは、新しく事業を始める人や開始して間もない人に無担保・無保証で借りることができる融資です。

 

利率も1~3%と低く利用しやすい融資制度なので、ぜひ見てみてください。

新創業融資制度

 

ビジネスローンを組むという手もありますが、
こちらは金利が高く長期利用すると借金が膨れ上がってしまう恐れがあったり、将来銀行融資を受ける際に審査に影響したりとデメリットもあるので、本当にお金に困った時の最終手段にしておきましょう。

仕事の繋がりを見つけておく

独立後は出費が多く資金も減ってしまうため、それを補うためにすぐにでも仕事を受注したいですよね。

 

しかし、独立直後は実績もないため、つながりのない人から仕事を貰うのは困難でしょう。

独立直後も安定して仕事がもらえるように、従業員として働いている間に人脈を作っておくのが重要です。

 

お客さんと飲みに行って紹介してもらったり、仕事に真摯な姿勢で一生懸命取り組んでいれば、ファンがついてくれて独立後も依頼してくれたり案件を紹介してくれたりするでしょう。

仕事に真剣に取り組むのはもちろん、自分から積極的に人脈を作る行動を起こしましょう。

 

一人親方になった後にやるべきこと

名刺を渡す画像

一人親方になった後も、やることはなくなりません。

しかし、経費処理をしたり仕事をする以外にもやらなければいけないことはあります。

 

名刺をつくる

一人親方は、営業も自分で行っていかなければいけません。

仕事は基本的に知り合いからもらうとしても、永遠にその人たちから仕事を貰えるとは限りませんよね。

 

仕事の量を増やして収入を安定させるためには、新しい繋がりを作るために営業をかける必要があります。

その時に名刺を持っていると、会社の信用度も上がり、相手に覚えてもらいやすくなります。

 

ホームページを作る

インターネットが欠かせない現代において、インターネットを通してクライアントを得る機会が増えてきています。

そのような機会を無駄にしないために、ホームページを作成しましょう。

 

そこまで凝ったものでなくてもいいので、シンプルで見やすくユーザーの目に止まりやすいデザインでホームページを作りましょう。

最初は無料ツールで作成し、資金に余裕が出てきたらデザイン会社に頼むのもいいと思います。

 

ホームページには

「会社について(どこにこだわりを持って施工するのか等)」

「事業内容」

「施工事例」

「施工の流れ」

「お知らせ(休みの情報や新しい機器/ツールについてなど)」

 

など、ユーザーが依頼したくなるような内容を入れましょう。

他社のホームページを参考にすると作り方が分かってくると思います。

 

領収書の保管

個人事業主であれば、会食費や機器・備品購入費などを経費計上して税金を減らすことができます。

これは個人事業主の特権なので、活用していきましょう。

経費計上するには領収書の保管が必要になるので、経費として計上したい買い物は領収書をもらって保管しておくことを忘れないようにしましょう。

 

まとめ

一人親方になる前、なった後でやるべきことがいろいろあることが分かったかと思います。

特に手続きは重要で、やらないと社会的に認められなかったり無駄に費用を取られてしまうこともあるので、一人親方になる際は手続きに関して抜かりないようにしましょう。

 

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