基礎知識

現場監督・現場代理人・現場所長の違いとは?役割や仕事内容、関係性を教えます。

建設の現場には、「現場監督」「現場管理人」「現場所長」といういくつかの役職が存在します。

名前が似ているため、どういう違いがあるのか知っておきたいですよね。

 

それぞれの役割や仕事内容の違いを知ることで、目指す方向性も変わってくると思います。

今回は、3つの役職の違いについてお話します。

 

3つの役職の違いと役割

現場監督とは

建設現場を指揮・管理する責任者のことです。

工事現場に常駐し、施工計画の作成・安全面の管理・作業員への技術指導などを行っており、実際に作業を行う立場ではありません。

「施工管理者」「現場責任者」と呼ばれることもあります。

 

現場代理人とは

元請会社の経営者の代わりに現場を管理する人のことです

経営者が工事現場の責任者を務めるのが一番ですが、いくつもある工事現場を経営者1人で管理するのは不可能です。

 

現場代理人を置くことで、複数ある現場の管理をスムーズに行うことができるのです。

大規模な施工現場では現場監督が複数人いる場合もあり、その中の最高責任者を「現場代理人」と呼ぶこともあります。

 

なお、常駐義務の緩和により、現場代理人は要件を満たせば主任技術者・監理技術者との兼務が可能になりました。

【要件】
①兼任する工事の件数が少数であること(2~3件程度)
➁兼任する工事の現場間の距離が一定であること(同一市内など)
③発注者または監督者が求めた場合は速やかに工事現場に向かうなどの対応を行うこと

 

現場監督よりも立場が上になる場合も!

現場代理人は工事の取り締まりや運営だけでなくお金関係のことも管理する必要もあり、

仕事内容が現場監督よりも難しいものになるため、代理人が現場監督の上に位置する場合もあります。

 

現場所長とは

現場所長=現場代理人です。

なぜ呼び方が変わるのかというと、一般的な工事現場では「▲▲工事作業所」といった現場名になるため、そこの最高責任者(現場管理人)を“作業所長”と呼びます。

それが略されて「所長」と呼ばれることが多いため、「現場所長」という言葉が生まれたのだと思われます。

現場監督・現場代理人になるには

それでは、現場監督と現場代理人(現場所長)になる方法を紹介します。

 

現場監督になる方法

現場監督になる方法は、

  • ①学校で指定学科を学んで卒業後に実務経験を3年以上積む
  • ➁施工管理技士の資格を取得してなる

この2つです。

 

施工管理技士の資格は現場監督をしている人のほとんどが持っているらしいので、取得することをおすすめします。

施工管理技士資格の合格率は約40%なので、簡単な試験とは言えません。

勉強時間の目安は、一級建築施工管理技士で75時間程度、二級建築施工管理技士で60時間程度必要です。

 

現場代理人になる方法

現場代理人(現場所長)になるのに必須の資格はありません。

契約に基づいて配置されるため、「経営者の代理を務められるだろう」と判断されれば抜擢される可能性は大いにあります。

 

ただし、正社員としての雇用関係にあることを必須条件にしている場合が多く、請負人である建設会社の正社員を現場代理人として任命することが多いようです。

 

3つの役職の仕事内容

次は、それぞれの仕事内容の違いを確認していきましょう。

 

現場監督の仕事

  • 現場の安全管理
  • 施工設計図の作成
  • 材質や設計図などの品質管理
  • 技術上の指導

 

現場代理人(現場所長)の仕事

  • 工事現場全体の運営・取り締まり
  • 請求代金の受領・請求・変更
  • 現場の安全管理
  • 発注者や施工業者とのやり取り
  • 近隣住民からの苦情処理

 

現場代理人は基本的に施工技術を持っていないため、技術面に関する指導や管理は現場監督に任されます。

しかし、現場監督と仕事内容が被っていることから現場代理人と現場監督を兼務することもできるようです。

 

ただし、兼務する場合は、

  • ・工事の発注者が兼務をしてもいいと許可を出した
  • ・発注者と現場監督兼現場代理人が連絡をとれる体制が整っている

以上の条件を満たす必要がります。

 

そこまで厳しい条件ではないので、兼務したい・せざるを得ない場合は発注者に確認してみてくださいね。

 

求められるスキル

現場監督と現場代理人(現場所長)になるためには、どんなスキルが必要とされるのでしょうか。

確認していきましょう。

 

現場監督の場合

  • コミュニケーション能力
  • 責任感
  • 先読み能力
  • 統率力
  • 臨機応変な対応
  • 的確な指示だし
  • マネジメント力
  • 判断力

 

現場監督は指示だしや管理が主な仕事なので、知識や技術力だけではなく管理を行うための判断力や統率力なども必要になります。

また、メンバーの能力を正しく認識して適した場所に配置するマネジメント力も必要になります。

 

現場代理人の場合

  • コミュニケーション能力
  • 決断力
  • 経営に関する知識
  • 的確な指示だし
  • 臨機応変な対応

 

業者・住民とのやりとりや管理が主な仕事となるので、コミュニケーション能力や管理のための指示だし能力は必要となります。

また、現場代理人は経営者の代理としての役割もあるので、経営に関する知識も必要になってきます。

 

まとめ

現場監督・管理人・所長の違いが分かったでしょうか。

今回の内容をまとめると…

  • ・現場監督は主に現場の指揮と技術指導を、代理人は現場全体の管理を行う
  • ・現場代理人=現場所長
  • ・現場代理人は現場監督を兼務することもできる

 

このようになります。

現場監督や代理人になるには、資格や経験以外にも、統率力や責任感・交渉力やコミュニケーション能力など様々なスキルが必要になります。

まずは一現場作業員として実践を積み、現場にいる監督や代理人の動きや仕事を見ておくと良いでしょう!

 

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